Slack、生成AI機能を追加する「Slack AI」を提供開始 気になる料金体系は?:データセキュリティにも言及
Salesforceは、「Slack」の生成AI機能「Slack AI」の提供を開始した。検索機能の拡張、チャンネルとスレッドの要約などの生成AI機能を全ての有料プランで利用できる。
Salesforceは2024年4月19日、同社のコラボレーションツール「Slack」の生成AI(人工知能)機能「Slack AI」をSlackの全ての有料プランで提供開始した。
あらゆる規模の組織が、Slackのプラットフォーム上に組み込まれた、信頼性が高く直感的な生成AIにアクセスできるようになると、Salesforceは述べている。
Salesforceは、Slack AIの主な機能を次のように解説している。
Slack AIの主な機能
新しい「まとめ」機能
ユーザーがフォローしたいチャンネルの要約を毎朝ダイジェストで配信する機能だ。対象のチャンネルをまとめに追加することで、見逃した可能性のある会話のダイジェストを毎日受け取ることができる。Slack上のユーザーアクティビティーに基づいて、Slack AIがまとめに追加すべきチャンネルを推奨する。
回答の検索
会話形式の質問に対して、パーソナライズされたインテリジェントな回答を提供する機能だ。関連するSlack上の会話から直接引用された平易な言葉で、明確かつ簡潔な回答を得ることができる。必要に応じて引用元を検証し、さらに深く掘り下げた回答を検索することもできる。
会話の要約
アクセス可能なチャンネルやスレッドから要点を抽出する機能だ。未読メッセージを把握したり、過去7日間あるいは任意の期間を設定して要約を作成したりすることができる。それぞれの要約には明確な情報源が示されているため、ユーザーは重要な部分をより深く掘り下げられる。
Slack AIの料金体系
Slack AIは、全てのSlack有料プランにおいて有料のアドオンとして提供される。プロプラン、ビジネスプラスプランで1ユーザー当たり月額1200円で利用できる。英語、スペイン語、日本語で提供され、今後多くの言語に対応予定だという。
Slack AIのデータセキュリティ
Slack AIはSlackのインフラストラクチャ上で動作し、Salesforceと同様のプラクティスとコンプライアンス基準を順守しているという。Slack AIの大規模言語モデル(LLM)は、Slack独自の仮想プライベートクラウド(VPC)でホストされており、顧客データは社内で保持され、その組織でのみ使用される。
顧客データが、直接的または間接的に他の顧客へのサービス提供目的で使用されることはない。また、Slack AIがLLMのトレーニングに顧客データを使用することもないため安心できると、Salesforceは述べている。
Salesforceは、Slack AIの検索および要約機能を、ファイル、Slackアプリ、canvas、クリップなどの新しいデータソースにも対応予定としている。
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