2024年6月現在、本稼働環境のアプリで最も利用されているのは「Java 17」 New Relicがレポートを発表:最新LTSバージョン「Java 21」の採用も加速
New Relicは、年次レポート「2024年 Javaエコシステムの現状」を発表した。Java 21の提供開始後6カ月間での採用率は1.4%。JDKについては、コミュニティー管理型の「Eclipse Adoptium」が注目を集めているという。
New Relicは2024年6月4日、年次レポート「2024年 Javaエコシステムの現状」を発表した。同レポートは、Javaのバージョンごとの普及状況や人気のある「Java Developer Kit」(JDK)ベンダーなどを調べたもので、今回で4回目となる。それによると、新しいJavaバージョンほど普及速度が速い傾向があることが分かった。
Javaアプリケーションの91%がロギングフレームワークを使用
Oracleは、通常3月と9月に新しいJavaバージョンを発表し、2年ごとに長期サポート(LTS)バージョンを提供している。2024年6月現在のLTSバージョンは、2023年9月から提供されている「Java 21」になる。
レポートによると、Java 21が提供されてから6カ月間で、(New Relicが監視しているアプリケーションのうち)Java 21を使用している割合は1.4%。1つ前のLTSバージョンである「Java 17」は、導入後6カ月間での採用率は0.37%だった。
一方で、2024年6月時点で本稼働環境のアプリケーションに最も採用されているLTSバージョンはJava 17で、2023年の9%に対して2024年は35%を超えている。
最も広く利用されているJDKのベンダーはOracleだった。だが、New Relicは「ユーザーはOracleから着実に離れ始めている。それはOracleのJDKの利用率が毎年下がっていることからも明らかだ。2020年には75%だった利用率は、ライセンス制限が強化された『JDK 11』で多くのユーザーが離れたことをきっかけに、2022年は34%、2023年は29%に低下している」と指摘している。Oracleに代わってAmazon Web Services(AWS)のJDKが利用率を伸ばしているものの、こちらも利用率は低下気味で、2023年に比べると半分近く(2023年の31.4%から2024年は17.8%)に縮小している。
JDKそのものに注目すると、コミュニティー管理型JDKである「Eclipse Adoptium」が人気を集めており、導入率は2023年の12.1%から2024年は18.2%に拡大している。New Relicは「開発者はよりアップデートが頻繁にあるJDKを選ぶようになっている」と分析している。
ロギングフレームワークと暗号化ライブラリについては「Log4j」と「Bouncy Castle」が最も普及している。Log4jの使用率は76.4%、Bouncy Castleは17.1%だった。New Relicによると、Javaアプリケーションの91%がロギングフレームワークを使用していたという。
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