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星野リゾートの開発現場が明かす「SaaS」「ローコード/ノーコード」「プロコード」の使い分けポイント「@IT 開発変革セミナー 2024 Spring」基調講演レポート(1/3 ページ)

旧態然としたシステムを使い続けていた星野リゾートは、ある失敗をきっかけに、業界でも指折りのDX先進企業へと変貌を遂げた。「SaaS」「ローコード/ノーコード」「プロコード」を使い分け、現在も変革し続ける同社に、その秘密を聞いた。

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 2024年5月7日、8日の2日間にわたり、@IT編集部主催のオンラインセミナー「@IT 開発変革セミナー 2024 春」が開催された。基調講演では星野リゾートの久本英司氏(情報システムグループ グループディレクター)が登壇し、「星野リゾートの業務プラットフォームの一部を担うローコード/ノーコード開発の扱い方」と題し、変化に対応できる業務アプリケーションを開発するために必要な要素について解説した。

情報システムが「事業成長の足かせ」となってはならない

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星野リゾートの久本英司氏

 久本氏が所属する星野リゾートは、ホテル業界の中でも積極的にDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進している企業だ。だが、その背景には「自社の情報システムの在り方に対する危機感」があった。

 ホテル運営の業務は多岐にわたる。特徴的なのは予約システムだ。ホテル運営会社は複数の予約チャネルを持つため、自社Webサイト、旅行代理店が用意したもの、コールセンター用などさまざまな予約システムを組み合わせて利用することになる。それ以外にも施設管理、顧客アンケート、勤怠管理のためのシステムなどが必要だ。久本氏によると、従来のホテル運営会社の多くは、業務ごとに個別パッケージを導入し、バラバラに運用していた。こうした背景もあり、久本氏は「IT部門の役割はサイロ化されたシステムをうまく選定、導入し、組み合わせることだ」と思い込んでいたという。

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システムのサイロ化は当たり前の状態だった

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