PythonでもTypeScriptでもない、2025年「最も人気のプログラミング言語」:「TIOBEインデックス」2026年1月版公開
プログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2026年1月版が公開された。2025年の「プログラミング言語オブ・ザ・イヤー」はランキングにおいて前年比で最大の増率(2.94ポイント増)を記録したという。
ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2026年1月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。TIOBEインデックスは、プログラミング言語の人気を示す指標で、同社が毎月1回更新している。
2025年の「プログラミング言語オブ・ザ・イヤー」
「C#」が2025年の「プログラミング言語オブ・ザ・イヤー」に選出された。同言語がこの賞を受賞するのは過去3年間で2回目。C#は、ランキングにおいて前年比で最大の増率(2.94ポイント増)を記録したことで、今回の栄誉を獲得した。
C#は長年にわたり、言語デザインの観点から主流言語における新しいトレンドをいち早く取り入れるなど、根本的な変化を遂げている。「Windows専用」からクロスプラットフォームへ、そしてMicrosoft所有からオープンソースへと、2つの大きなパラダイムシフトを成功させている。
ビジネスソフトウェア市場の主導権を巡っては、長年「Java」とC#の間で直接的な争いが続いてきた。TIOBE SoftwareのCEO ポール・ジャンセン氏は、Javaが最終的に(C#を圧倒して)勝利すると想定していたが、現時点でも決着はついていないと言及。冗長で定型コードが多いスタイルや、Oracleが所有しているという背景を持つJavaが、今後もC#を抑え続けられるかどうかは不透明な状況だ。
2025年のトップ10における変動
ジャンセン氏によると、2025年のトップ10内でも興味深い動きが見られたという。主な動向は以下の通り。
- 「C」と「C++」の順位交代
- C++はかつてない速さで進化しているが、モジュール概念のような過激な変更の一部は、まだ業界で広く普及するには至っていない
- C言語は、シンプルかつ高速であり、成長を続ける小型組み込みシステム市場に極めて適した状態を維持している
- 「Rust」の動向
- Rustはこの2026年1月に過去最高位の13位に到達したが、依然として組み込みシステム分野への浸透には苦戦している
- 「Perl」の驚異的な復活
- 32位から11位へ大幅にランクアップし、トップ20に復帰した
- 「R」のトップ10復帰
- データサイエンスや統計計算分野での継続的な成長を背景に、R言語が再びトップ10に入った
「勝者がいれば敗者も存在する。『Go』は2025年を通じてトップ10内の地位を失ったように見受けられる。同様に『Ruby』もトップ20から脱落しており、近い将来に復帰する可能性は低い」(ジャンセン氏)
2026年1月時点のTIOBEインデックス(上位20位)
2026年1月時点のランキング上位20位は以下の通り。
- 1位:Python(22.61%、前年比0.68ポイント減)
- 2位:C(10.99%、前年比2.13ポイント増)
- 3位:Java(8.71%、前年比1.44ポイント減)
- 4位:C++(8.67%、前年比1.62ポイント減)
- 5位:C#(7.39%、前年比2.94ポイント増)
- 6位:JavaScript(3.03%、前年比1.17ポイント減)
- 7位:Visual Basic(2.41%、前年比0.04ポイント増)
- 8位:SQL(2.27%、前年比0.14ポイント減)
- 9位:Delphi/Object Pascal(1.98%、前年比0.19ポイント増)
- 10位:R(1.82%、前年比0.81ポイント増)
- 11位:Perl(1.63%、前年比1.14ポイント増)
- 12位:Fortran(1.61%、前年比0.42ポイント減)
- 13位:Rust(1.51%、前年比0.34ポイント増)
- 14位:MATLAB(1.40%、前年比0.34ポイント増)
- 15位:PHP(1.38%、前年比0.00ポイント)
- 16位:Go(1.24%、前年比1.37ポイント減)
- 17位:Scratch(1.24%、前年比0.31ポイント減)
- 18位:Ada(1.19%、前年比0.54ポイント増)
- 19位:Assembly language(1.07%、前年比0.05ポイント増)
- 20位:Kotlin(0.97%、前年比0.23ポイント増)
なお、GitHubの年次調査「Octoverse 2025」で「TypeScript」がコントリビューター数においてPythonを抜いて1位になり、話題になったが(参考)、TIOBEインデックス2026年1月版では、32位につけている。
2026年に向けた予測
ジャンセン氏は、2026年の動向について以下の予測を立てている。
- TypeScriptのトップ20入り
- 長年トップ20の壁を突破できずにいたTypeScriptが、ついにランクインする
- 「Zig」の躍進
- 2025年に61位から42位に順位を上げたZigが、トップ30に入る強力な候補になる
TIOBEインデックスは言語の優劣を示すものではない
TIOBEインデックスの評価は、世界中の熟練エンジニアや学習コース、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。算出にはGoogle、Amazon.com、Wikipedia、Bing、その他20以上の人気Webサイトが使われている。
なお、TIOBEインデックスは、「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。
同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが最新のものかどうかを確認する」「新しいソフトウェアシステムを開発するに当たって、どのプログラミング言語を採用するか、戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。
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