2023年のコンテナ管理/ランタイム市場で1位AWS、2位Microsoftに続く企業は? Omdia調査:GoogleはCaaS市場のみで3位
Omdiaの調査によると、2023年のコンテナ管理およびランタイム市場は63億ドルに成長したという。同社によるCaaS市場と商用サポート付きのKubernetes市場の動向と分析結果を紹介する。
Omdiaは2024年7月9日(英国時間)、コンテナ管理/ランタイム市場についての調査結果を発表した。これによると、2023年のコンテナ管理およびランタイム市場は63億ドルに成長したという。同社は発表した調査結果について、次のように解説している。
この市場は現在、2つの異なる主要セグメントで構成されている。1つは、小規模事業者も存在するが、大手パブリッククラウドプロバイダーが支配するCaaS(a container as a service)市場、2つ目は、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)がインフラストラクチャに依存しないソリューションを提供する、商用サポート付きのKubernetes市場だ。
CaaS市場と商用サポート付きのKubernetes市場、それぞれのシェアは?
収益ベースではAmazon Web Services(AWS)がわずかな差でMicrosoftを上回り、CaaS市場においてトップの地位を確保した。Omdiaは、直接コストのみをCaaS市場における売り上げと定義している。だが、コンテナ化されたアプリケーションを運用するために必要なコンピュート、メモリ、ストレージ、ネットワークリソースといった間接的コストは、クラウドプロバイダーの売り上げに大きく貢献している。小規模でローカルなクラウドサービスプロバイダー(CSP)は、主要なパブリッククラウドとは別の選択肢として、CaaS市場で独自の立ち位置を確保している。
商用サポート付きのコンテナ管理市場では、Kubernetesが標準として確立されている中、Red Hatがトップの独立系ソフトウェアベンダー(ISV)としてのリードを拡大している。CaaSとコンテナ管理製品の両方を含むコンテナ管理とランタイム市場全体で考えると、Red HatはAWSとMicrosoftに次ぐ第3位となっている。
Kubernetesの複雑さにどう対処すべきか
Omdiaでクラウドおよびデータセンター研究主任アナリストを務めるマイケル・アゾフ氏は、次のように説明している。
「ほとんどのコンテナ管理ソリューションは、複雑さが増していることで知られるKubernetesをベースとしている。フルマネージドサービスはこの複雑さを軽減するとされているが、開発者とSRE(Site Reliability Engineer)という2つの主要な立場から、セルフサービスとフルマネージドの違いを考えることが重要だ。サービスがクラウドとオンプレミスのどちらにあるかに関係なく、アプリケーション開発者はアプリケーションライフサイクルに最大限の自由を求める。CaaSがオンプレミス製品と異なるのは、Kubernetesの管理とメンテナンスをできるだけ簡単にすることだ。これは大規模な要件を持つ大企業だけでなく、適切な社内スキルを欠く中小企業にとっても魅力的だ」
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