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ソフトウェアインフラ市場、2027年末には約2倍の3580億ドル規模に生成AI(人工知能)の台頭、サーバレスアプリケーションの変化に注目

英国の調査会社Omdiaは、世界のソフトウェアインフラストラクチャ市場の予測を発表した。2022年末時点で、ソフトウェアインフラ市場は約1670億ドル規模であり、2027年末には市場規模が推定3580億ドルに達すると予測した。

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 英国の調査会社Omdiaは2023年9月18日(英国時間)、世界のソフトウェアインフラストラクチャ市場の予測を発表した。2022年末時点で、ソフトウェアインフラ市場は約1670億ドル規模だった。2022〜2027年の年間平均成長率(CAGR)は16.5%で推移するとみており、2027年末には市場規模が3580億ドルに達すると予測している。

 Omdiaは、4つの地域と8つのサブリージョン、27カ国、16業種を対象とし、データベースインフラと管理、サーバ仮想化、ストレージ仮想化、ネットワーク仮想化、DaaS(Desktop as a Service)とVDI、HCI(ハイパーコンバージドインフラ)、データ保護、マルチクラウドとハイブリッドクラウドの管理とオーケストレーション、DevOps(リリース管理)、AIOps、コンテナ管理プラットフォーム/サービス、データセンターインフラ管理(DCIM)の12部門について、2022〜2027年に収益が向上する分野を予測している。

ソフトウェアインフラ技術のトレンド

 Omdiaは、幾つかの主要技術の融合が成長をけん引すると見込むとした上で、ソフトウェアインフラ技術のトレンドを次のようにまとめた。

1.生成AI(人工知能)の台頭

 モデルの学習と実行には、クラウドベースとオンプレミスのリソースを複雑に組み合わせる必要がある。この複雑性の管理はITスタッフのスキルを試すもので、CIO(最高情報責任者)がIT自動化の導入に熱心な理由の一つとなっている。

2.アプリケーションミックスの変化

 企業顧客によるサーバレスアプリケーションの開発には、クラウドベースのPaaSだけでなく、SaaSアプリケーションを採用するようになりつつある。そのため、DevOpsやAIOps、CloudOps機能に対する需要が高まっている。

3.セキュリティと保護の強化

 ランサムウェア対策として、データをバックアップし、迅速にリストアすることが不可欠になっている。課題は、バックアップしたコピーが感染してランサムウェアが再び出現しないようにすることだ。

4.データプライバシー

 特定の地域におけるデータ保護に関する法律や規則、セキュリティ要件に準拠する「ソブリンクラウド」への関心が高まっている今、データ保護とプライバシーに関する現地の規制や法律を確実に順守することが問われている。こうした関心の二次的な恩恵を受けている市場にHCIがある。

5.環境の持続可能性の成長

 企業は二酸化炭素排出の影響を監視、管理する必要性が高まっている。データセンターインフラ管理(DCIM)は、電力使用とその配電を管理する上で、データセンター事業者にとって不可欠だ。

 Omdiaのチーフアナリストであり、ITオペレーション調査部門のリーダーであるロイ・イルズリー氏は「新たな需要に対応するためにIT部門を変革するには、より新しく俊敏なソフトウェアインフラが必要だ。コンテナ管理ソフトウェアのCAGRが38%以上であるのに対し、サーバ仮想化のCAGRは7%未満であるという数字が物語っている」と述べている。

ソフトウェアインフラ市場が急成長する一方で課題は山積み

 クラウドが俊敏性を提供する一方、データ主権要件や既存の技術的負債、クラウド関連スキルは不足している。Omdiaは、オンプレミスのデータセンターは当面、IT環境の重要な一部であり続ける見込みとした上で、パブリッククラウドからワークロードをオンプレミスに引き寄せる動きもあり、オンプレミスとクラウドの両方を運用管理する必要がある複雑な状況になっているとした。

 また新しいソフトウェアインフラ機能が急速に成長する一方、金額ベースで最大の市場はデータベースインフラとデータベース管理であり、データベースインフラが依然としてビジネス支出の中核を担う一方、データ保護に関する成長率は比較的低いことを「驚くべきことだ」とした。

 Omdiaは「ほとんどの組織が既存のバックアップ機能で十分だと考えており、データ保護の支出はセキュリティの支出に振り向けられている。今後は、クラウドやエッジ、オンプレミスという異なる世界を横断し、その間をつなぐソフトウェアインフラ技術が不可欠になる。その上で、温室効果ガス排出量削減のための世界的な合意目標の一環として各国政府が導入する厳しい環境要件に対応したり、生成AIがビジネスやテクノロジーに与える未知の影響に対処したりする必要がある」とも分析している。

年平均成長率が最も高い国はインド

 イルズリー氏は「米国のソフトウェアインフラ支出は2022年の827億ドルから2027年末には1720億ドル以上に成長すると予測している。この期間中に最も成長するのはインドで、CAGRは26%に上る見込みだ。次いで中国が年平均25.4%で成長し、3番目に高い成長率を見せるのはアフリカとも予測している。大陸内の技術格差や不平等を解消するために新技術を導入しようとしている状況を注目すべきだ」と結論づけている。

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