データセンター向けAIプロセッサ市場規模、2029年には1510億ドルへ Omdia予測:2026年以降は成長が急激に鈍化
Omdiaはクラウドおよびデータセンター向けAIプロセッサ市場についての調査結果を発表した。2022年には100億ドル弱の市場規模だったが、2024年は780億ドルへ成長した。
Omdiaは2024年8月1日(英国時間)、クラウドおよびデータセンター向けAIプロセッサ市場についての調査結果を発表した。調査によると、2022年には100億ドル弱の市場規模だったが、2024年は780億ドルへ成長したという。
同社の調査の詳細は下記の通り。
2026年以降は成長が急激に鈍化、その理由は?
同社は2029年には市場規模が1510億ドルに達すると予想している。一方で、2026年には変曲点を迎えるという。市場をけん引する主な要因が、AIの技術的な採用から、AIアプリケーション需要の変化に入れ替わるとしている。
クラウドおよびエンタープライズデータセンター向けAIプロセッサの予測(デバイス別、世界市場)2022〜2029年(水色:GPUベースのAI ASSP、紫色:独自コアAI ASSP、ピンク色:AI ASIC、灰色:CPU内アクセラレーター)(提供:Omdia)
Omdiaの先進コンピューティング担当主任アナリストのアレクサンダー・ハロウェル氏は次のように述べている。「最も重要な変化は、AIの成長に伴う、データセンターセミコンダクター市場の上方修正だ。それ以外にも、特にGoogleのTPUなどのハイパースケーラー独自チップが、GPUからシェアを奪い始めている。これらがますます重要になっていくと予想している」
「最大のAIモデルのサイズは2021年1月以降進歩していない状況で、イノベーションにおける焦点は、より小さなモデルの多様化に移っている。同サイズのモデルでも世代を経るごとにより効率的になってきている兆候もある。これはAIインフラへの投資という点では逆風となる。一方、AIの精度や性能の深さは低下するものの利用の幅が広がることで、より多くの組織がAIに関与できるようになる。時間とともに、推論処理がより重要になっていくとみられる。ユーザー層の拡大と、より多くのアプリケーションが推論インフラを必要とするようになると予想している」(ハロウェル氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- データセンター冷却市場、液体冷却の需要増で2028年には168億7000万ドル規模に Omdia予測
調査会社のOmdiaは、データセンター冷却市場の予測を発表した。2023〜2028年の年間平均成長率は18.4%で、2028年の市場規模は168億7000万ドルに達すると予測した。AIの利用が急速に広がるにつれ、液体冷却の需要も急増したという。 - Intel、生成AI活用を支援する「Gaudi 3」や「Xeon 6プロセッサー」を発表
Intelは年次イベント「Intel Vision 2024」において、同社のAIアクセラレーター「Gaudi 3」や、データセンター向け「Xeon 6プロセッサー」など生成AIに関連する新製品を発表した。 - 第288回 人工知能時代には必須か? 最近、プロセッサに搭載されている「NPU」って何
最近、プロセッサに「NPU」と呼ばれる人工知能(AI)処理に特化したユニットが搭載されるのがちょっとしたブーム(?)になっている。このNPUって、GPUなどと何が違うのか、なぜプロセッサに搭載されるようになってきたのか解説しよう。