検索
ニュース

「C」が過去最低の4位、「Python」は引き続き独走 2024年9月版プログラミング言語人気ランキング「TIOBEインデックス」発表

プログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2024年9月版が公開された。首位の「Python」が2カ月連続で同言語として過去最高のレーティングを更新し、「C」が史上初めて4位に沈んだ。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2024年9月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。TIOBEインデックスは、プログラミング言語の人気を示す指標で、同社が毎月1回更新している。

レーティングと順位

 2024年9月のランキングでは、「Python」が20.17%のレーティングで首位を維持した。Pythonのレーティングは8月に初めて18%を超え、2カ月連続で同言語としての過去最高を更新した。

 同年6月に「C」を抜いて史上初めて2位となった「C++」が4カ月連続で2位を占めた(10.75%)。さらに、「Java」が2023年5月以来の3位に返り咲き(9.45%)、Cが4位に転落した(8.89%)。これはCにとって、2001年にTIOBEインデックスの発表が開始されて以来、最低の順位だ。

 首位のPythonと2位のC++のレーティング差は9.42ポイントに広がっており、TIOBEインデックスの過去最高(9.55ポイント差)に迫っている。これは2016年11月の数字だ(Javaが首位、Cが2位)。

 5位は「C#」(6.08%)、6位は「JavaScript」(3.92%)で、この2つの順位は2023年7月から変動がない。

 上位20言語のレーティングの前年同月との変動を見ると、Pythonの6.01ポイント増が突出しており、上昇幅が1ポイントを超えたのは、他には「Go」のみだった(1.16ポイント増)。

Cの順位低下の背景

 TIOBE Software CEOのポール・ジャンセン氏は、Cが過去最低の4位に転落した背景として、組み込みシステムにおける評価と位置付けが変わってきていることを指摘した。

 「Cは比較的小さなプログラミング言語だが、非常にパフォーマンスの高いコードを生成する。そのために非常に長い間、組み込みシステムで広く使われてきた。C言語の唯一の重大な欠点は、スケーリングを考慮して設計されていないことだった。オブジェクト指向機能がないため、大規模なCプログラムは保守が難しい。現在では、組み込みシステムの機能がより高度になり、コードサイズも大きくなっており、より多くの組み込みコンパイラがC++をうまくサポートしている。その結果、CからC++に切り替える傾向が現れている」

 さらにジャンセン氏は、最近では、C言語に対するもう1つの逆風も強まっていると述べ、次のように説明している。「米国政府は、Cのようなメモリ安全でない言語から、『Rust』のようなメモリ安全な言語への移行を後押ししようとしている。この傾向も観察されている。ただし、C言語は、存在感が低下するかもしれないが、TIOBEインデックスのトップ10に長くとどまるだろう。そのインストールベースは驚異的であり、安全性が重要な世界中の膨大なシステムの一部となっている」


TIOBEインデックス(2024年9月版)の1〜20位(提供:TIOBE Software)

TIOBEインデックス1〜10位の推移(提供:TIOBE Software)

 TIOBE Softwareは21〜50位のランキングも公開している。


TIOBEインデックス(2024年9月版)の21〜50位(提供:TIOBE Software)

 51〜100位のプログラミング言語については、順位の差が比較的小さいとして、次のようにアルファベット順に列挙している。

 「ABC」「ActionScript」「Algol」「Apex」「APL」「Bash」「Carbon」「CFML」「CHILL」「CL (OS/400)」「CLIPS」「Clojure」「Crystal」「Curl」「DiBOL」「Erlang」「Forth」「Groovy」「Hack」「Icon」「Inform」「Io」「J」「JScript」「LabVIEW」「Modula-2」「Mojo」「MQL5」「NATURAL」「Nim」「OCaml」「Occam」「OpenCL」「OpenEdge ABL」「PL/I」「PostScript」「Q」「Ring」「Scheme」「Smalltalk」「Snap!」「SPARK」「Stata」「SystemVerilog」「Tcl」「VHDL」「Whitespace」「Wolfram」「X++」「Zig」。

TIOBEインデックスは言語の優劣を示すものではない

 TIOBEインデックスの評価は、世界中の熟練エンジニアや学習コース、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。算出にはGoogle、Amazon.com、Wikipedia、Bing、その他20以上の人気Webサイトが使われている。

 なお、TIOBEインデックスは、「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。

 同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る