生成AIは「仕事を奪う存在」か「アシスタント」か。2025年の開発者の意識はどうなっている?:「プログラミングに関するスキルが不要になったと思わない」
paizaはエンジニアを対象に実施した「生成AI時代のエンジニアのスキルアップに関する意識調査」の結果を公開した。生成AIによってエンジニアに必要なスキルや学習へのハードルはどう変化したのか。
paizaは2025年8月21日、「生成AI時代のエンジニアのスキルアップに関する意識調査(2025年版)」の結果を発表した。この調査は2025年7月3〜19日まで、エンジニア629人を対象に実施したもので、生成AI(人工知能)による仕事への影響や学習意欲の変化などについて聞いた。
人間の仕事を奪うかもしれないと生成AIを敵視する人もいるが、エンジニアは果たして、生成AIをどう捉えているのか。
生成AIは「仕事を奪う存在」? それとも……
paizaによると、生成AIツールをコーディングの補助などの用途に利用し、開発の生産性を向上させているエンジニアが増えているという。しかし、開発に必要なスキルは変化していないという見方もある。
生成AIによってプログラミングに関する要件定義や設計などのスキルが不要になったかどうかについて聞くと、74.1%が「そう思わない」(「全くそう思わない」が34%、「そう思わない」が40.1%)と回答した。また、「コンピュータサイエンスの基礎」や「ソフトウェア工学の原理」などの普遍的な知識の重要性については、92.4%が「重要だ」(「より重要になった」が29.5%、「変わらず重要」が62.9%)と回答した。
paizaは、「生成AIはエンジニアにとって仕事を奪う存在ではなく、優秀な『アシスタント』としての役割を果たしている。むしろ、生成AIを使いこなす上でアルゴリズムやデータベースに関する知識の重要性が増している」と説明している。
生成AIの登場による学習意欲の変化を見ると、64.4%が「向上した」(「非常に向上した」が21%、「向上した」が43.4%)と回答。これに対して「低下した」は5.2%(「非常に低下した」が1.1%、「低下した」は4.1%)にとどまった。
学習意欲が向上した理由のトップ3は、「これまで難しかった新しい技術や分野に挑戦しやすくなった」(75.8%)、「生成AIによって新しい技術や可能性に触れ、知的好奇心が刺激された」(66.1%)、「生成AIが生成したコードや情報を評価、改善するために、より深い知識やスキルが必要だと感じた」(62.4%)だった。
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