ITエンジニア実態調査 約40%がフレックス勤務、約7割がWindows機を利用:生成AIの活用率は意外と低い?
paizaは、ITエンジニアを対象に就業環境や将来への考え、生成AIの導入実態などに関する調査結果を発表した。ITエンジニアは日本の労働者全体に比べてフレックスタイム制で働く人の割合が高く、管理職へのキャリアアップを望んでいない人が約8割を占めた。
paizaは2024年12月5日、ITエンジニアを対象に実施した、就業環境や将来への考え、生成AI(人工知能)の導入実態などに関する調査の結果を発表した。この調査は、同社が運営するITエンジニア向け転職、就職、学習プラットフォーム「paiza」の会員を対象に実施し、388人から有効回答を得た。それによると、日本の労働者全体に比べてフレックスタイム制で働く人の割合が高いことが分かった。
生成AIの利活用に一番近いはずのITエンジニアの生成AI活用率は?
調査結果によると、フレックスタイム制で働くITエンジニアの割合は38.7%で、業務時の服装にルールがあると回答した人の割合は30.9%だった。厚生労働省の調査(令和5年就労条件総合調査の概況)によると、フレックスタイム制で働く労働者の割合は10.6%となっており、paizaは「“就労時間の自由度を確保する制度やルール”はITエンジニアと相性が良いことが分かる」と分析している。
学生時代に学んだことについては、大学の専攻は「理系」だった人の割合が多く、59.0%。また、学生時代からプログラミングを学んでいる割合も多く、58.5%だった。今後のキャリアについてITエンジニアを「続けたい」と答えた人の割合は94.3%だったが、78.9%が上級職(課長職以上)へのキャリアアップを「望んでいない」と回答した。また、フリーランスへの転向を「考えている」と回答した人は24.3%だった。paizaは「管理職になると一般に責任が重くなることや役割が増えることから、ワークライフバランスのライフを重視する傾向があるITエンジニアにとって、管理職としての働き方に魅力を感じていない人が多いのだろう」と推測している。
生成AIについて、「導入している」と回答した人の割合は49.0%。導入しているITエンジニアのうち、活用実感が「ある」と答えた人は70.0%、ITエンジニアの業務と生成AIの相性が「良い」と回答した人は92.1%だった。生成AIを導入している業務については「コーディングやコードレビュー/構築」(38.9%)、「テスト計画、テスト設計」(14.3%)、「企画構想」(10.6%)が上位を占めた。
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