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GitHub、「GitHub MCP Registry」提供開始 「MCPサーバレジストリ」の役割とは何かMCP対応のAIツール、サービス選定を支援

GitHubは、MCPサーバの発見、円滑な利用を支援する「GitHub MCP Registry」の一般提供を開始した。

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 GitHubは2025年9月16日(米国時間)、MCP(Model Context Protocol)サーバの発見、円滑な利用を支援する「GitHub MCP Registry」の一般提供を開始した。MCPは、LLM(大規模言語モデル)アプリケーションやAI(人工知能)エージェントが、外部のツールやデータソースと接続するためのオープンプロトコルだ。

 GitHub MCP Registryを通じて、MCPサーバを公開しているツールやサービスの検索、活用を支援するという。リリース時点では、GitHubと同社の主要パートナーやオープンソースコミュニティーが公開している38のMCPサーバが掲載されている。

GitHub MCP Registryの画面
GitHub MCP Registryの画面

 一方、GitHubはAnthropicとともに、MCPの仕様を策定する運営委員会「MCP Steering Committee」を通じて、「OSS MCP Community Registry」と呼ばれるMCPサーバレジストリの提供も主導している。では、OSS MCP Community RegistryとGitHub MCP Registryは、何が違うのか。

「OSS MCP Community Registry」との違いとは?

 OSS MCP Community Registryは、コミュニティーが主導するオープンなMCPサーバレジストリであり、オープンなカタログおよびAPIの提供を通じて、MCPサーバの配布方法や検索方法を標準化するための取り組みだ。MCPサーバのメタデータ(どのような機能を持つか、どのリポジトリで提供されているかなど)を「信頼できる唯一の情報源」(Single Source of Truth)として提供することを目標としている。

 これに対し、GitHub MCP Registryは、OSS MCP Community Registryのメタデータに加えてGitHubのスター数やコミュニティーの活動といった評価情報を提供する「サブレジストリ」という位置付けだ。これにより、開発者はツールの人気や信頼性をより簡単に把握でき、選定の判断材料にできるという。

 GitHubによると今後、OSS MCP Community Registryを通じて公開されたMCPサーバを自動的にGitHub MCP Registry側でも表示できるよう進めていくという。GitHubは両レジストリの連携を通じて、「より健全でオープンなエコシステムを構築する計画だ」と述べている。

 多くの組織がサードパーティー製のツールやサービスを利用する中で、そのセキュリティは常に懸念材料となっている。MCPサーバも例外ではない。こうした中、MCPサーバレジストリの取り組みが発展すれば、「信頼を置くMCPサーバレジストリに登録されたMCPサーバのみの利用を許可する」といったセキュリティ対策を講じることも可能になっていくとみられる。MCPサーバの活用が進む今だからこそ、動向を注視すべき取り組みといえるのではないだろうか。

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