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AIの「フェッチャー」と「クローラー」がWebインフラに負荷 ファストリーが警鐘半数以上がMetaのAIクローラー?

ファストリーはWebトラフィック分析調査の結果を発表した。それによると、「フェッチャーbot」による大量リクエストがWebインフラに深刻な影響を及ぼしているという。

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 ファストリーは2025年9月17日、Webトラフィックを分析した調査の結果を発表した。それによると、Webトラフィックの中で「AI(人工知能)型bot」(以下、AI bot)が存在感を増しており、その中でも特にAIクローラーによるトラフィックの割合が急増していることが分かった。

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“AIトラフィック”の急増がもたらすリスクとは

 調査では、2025年4月中旬〜7月中旬までのWebトラフィックを測定した。その結果、AI botによるトラフィックの約80%がクローラーだった。さらに、その半数以上(52%)がMeta Platformsによるものだった。これはGoogle(23%)とOpenAI(20%)を合わせたよりも多い割合となっている。

 一方で、ファストリーはAI botトラフィックの残りの20%にも注目している。これは「フェッチャーbot」が利用しているものだ。「ChatGPT」をはじめとするAIサービスは、ユーザーからのリクエストに応えるため、リアルタイムで特定のコンテンツを取得する。その役割を担うbotをファストリーは“フェッチャーbot”と呼んでいる。

 ファストリーによると、フェッチャーbotはユーザーのアクションに応じて毎分3万9000以上のリクエストを送信している。これによってトラフィックが急増し、Webサイトのインフラに負荷をかけ、ネットワーク帯域幅を消費したり、サーバを圧迫したりするという。ファストリーは「悪意がなくともDDoS(分散型サービス拒否)攻撃と同様の影響を与えかねない」と指摘している。

このニュースのポイント

Q: AI botトラフィックの内訳は?

A: 約80%がクローラーによるもので、そのうちMetaが52%と最多。次いでGoogleが23%、OpenAIが20%。

Q: 残り20%はどのようなトラフィックか?

A: 「フェッチャーbot」によるもので、ChatGPTなどのAIサービスがユーザーリクエストに応じてリアルタイム取得する際に発生する。

Q: ファストリーの指摘するリスクは?

A: 悪意がなくてもDDoS攻撃に似た影響を及ぼし得るため、AIトラフィックの管理はWebインフラ上の新たな課題となる。

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