デジタルビジネス支援を行っている海外SaaS商社、ギャプライズは、2025年9月26日、「国内ネット通販事業者のECサイト表示速度ランキング」を発表した。Googleが定めるWebサイトの重要指標「LCP」(Largest Contentful Paint:最大視覚コンテンツの表示時間)を評価基準に、調査対象272サイトを評価した。
LCPはGoogleのWebサイト重要指標の一つで、Webページを開いてから、画面の主要部分(一番大きな画像や見出しのテキスト)が表示されるまでの時間を測定するもの。ユーザーにとって読み込み速度がいかに速く感じられるかを測る指標で、ページの読み込み開始から2.5秒以内にLCP要素が表示されればユーザー体験は良好、4秒を超えるとユーザー体験が低いと判断される。
調査対象とした272サイトのうち、トップ10のサイト全てがLCP1.2秒以下を達成。約75.7%(206サイト)がLCP2.5秒以内を達成していた。上位サイトはいずれも高いインタラクション性を維持しており、「ユーザーにとってストレスのない操作体験を提供している」と考えられるという。
ギャプライズによると、「各企業のスコア改善はJavaScriptの実行最適化、イベントハンドラーの効率化、レンダリングパフォーマンスの向上といった取り組みによって実現されていると考えられる」としている。
Webサイトが重要な顧客接点となって久しく、エンドユーザー体験が収益や信頼に直結する今、本件の調査対象は272件と限定的ではあるが、一つの参考となるのではないだろうか。
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