Windows 11、68.6%の企業が未移行:「分かっていても手が回らない」
3社に1社が現在利用中の業務用PCは「オーバースペック」と回答。「選びたいものを選べていない」現場の実情。
法人向けPCレンタルを行うSSマーケットは2025年10月9日、Windows 11移行に関する調査結果を公開した。Windows 10のサポート終了が目前に迫る中、全社でWindows 11への移行を完了している企業は28.6%にとどまり、依然として68.6%の企業が未移行の状態であることが分かったという。
調査対象は「業務用PCの管理・調達担当者」863名。「Windows 11への移行を完了、または進行中」の企業に「移行の課題」を聞いたところ、「ハードウェアや周辺機器の選定・調達の手間がかかった」が最多の35.3%。「キッティングや初期設定の作業が大変だった」(27.5%)、「まとまった初期費用の予算確保が難しかった」(22.4%)「在庫状況や納期の見通しが立てづらかった」(21.3%)、「移行対応のための時間を確保するのが難しかった」(20.8%)という声が続いた。
PCの調達・運用・管理に当たる担当者は、他業務と「兼任」と回答した企業が全体の61.4%。従業員数100人未満の企業では78.7%に上った。そうした兼任者のうち79.1%が「メイン業務に支障が出ている」と回答。「支障が出ている要因」としては「初期設定・キッティング」(53.0%)、「ソフトウェア・ライセンスの管理・再設定」(43.4%)、「IT資産管理」(34.8%)が挙がった。
調達手段を見直す動きも
調達・運用・管理負荷の高さを背景に、「77.7%の企業がPC調達方法の見直しを検討、もしくは他の方法の情報収集を行っていた」ことも分かった。調達方法として「購入」(28.2%)、「リース」(23.4%)、「レンタル」(12.5%)、「購入とリースの併用」(11.9%)、「購入とレンタルの併用」(4.5%)が続いたという。
同社では「多くの企業で人手不足や業務負荷の問題が顕在化している。特に中小規模の企業からは『分かっていても手が回らない』という声が多く寄せられている」とコメント。また、現在利用中の業務用PCについて、「オーバースペック」と感じている企業は約3社に1社(31.9%)に上ったことを受け、「必ずしも“選びたいものを選べていない”」こともうかがえたという。
「選びたいものを選べていない」傾向が強いのはPCに限ったことではない。手段の目的と投資対効果を見据えなければ、コストも負荷も低減することは難しい。目前の人材不足、運用負荷は、従来のやり方を変える上で大きな障害となりがちだが、まずは管理負荷低減を目指すなど、現場担当者が主体的に手段最適化を検討できるような環境整備が望まれる。
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