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ChatGPTやCodex、ClaudeなどがSlackアプリに Slack、AIエージェント開発機能を追加リアルタイム検索API、MCPサーバ、開発キット

Slack内の会話データをコンテキストとしてAIに反映し、Slack内でAIを活用することで生産性を向上させる。

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 Slackは2025年10月13日(米国時間)、Slackプラットフォームをアップデートし、開発者やパートナーがAIアプリやAIエージェントをSlack上で直接構築できるように機能を拡張した。Slack内の会話データをコンテキストとしてAIに反映し、Slack内でAIを活用することで生産性を向上させるという。

Slack用のAIアプリを開発するための機能

 開発者向けに追加された機能は以下の通り。

リアルタイム検索(RTS)API

 会話データへの即時かつ安全なアクセスを提供する。AIエージェントがより正確で関連性の高い回答を返したり、適切なアクションを実行したりするためのコンテキストを付与する。

Slack モデル・コンテキスト・プロトコル(MCP)サーバ

 LLM、AIアプリ、AIエージェントがSlackユーザーのために情報を検索したり、タスクを実行したりするプロセスを簡素化し、開発をより容易にする統一プロトコルを提供する。開発者は複雑な個別連携コードを書く必要がなくなり、標準化された仕組みでAIを組み込めるようになる。

AI開発者ツールキット(AI Developer Toolkit)

 Slack上でAIアプリやAIエージェントを構築できるツール群を提供する。事前作成済みのUI部品(表など)や「ワークオブジェクト」(動的なプレビュー)、AIのベストプラクティスなどが含まれ、より効率的で一貫性のある開発を支援する。

ChatGPT、Codex、Claude、Google Agentspaceなど、既に使えるアプリ

 これらの機能を活用し、Slack上で動作するAIエージェントを提供するパートナーには、OpenAI、Anthropic、Google、Perplexity AI、Writer、Dropbox、Notion、Cognition、Vercel、Cursorなどが挙げられる。以下のアプリは既にSlack Marketplaceからインストールできる。

ChatGPT

 OpenAIはRTS APIを活用し、「ChatGPT」をSlack内に直接組み込んだ。Slackのリアルタイムなコラボレーション機能とChatGPTを組み合わせることで、チームは会話内容から重要なインサイトを引き出し、投稿や返信の下書きを作成し、必要なアクションをこれまでよりも迅速に実行できるようになるという。


Slack内でのChatGPTの使用イメージ(提供:Slack

OpenAI Codex

 OpenAIの「Codex」を使えば、Slackのチームの会話から直接作業を開始できる。チームチャンネルやスレッドで「@Codex」をタグ付けするだけで、会話から関連するコンテキストを自動的に収集し、適切な環境を選択して、Codexクラウドで完了したタスクへのリンクを回答として返してくれる。そこから、変更をマージしたり、IDE拡張機能を使ってタスクをローカル環境にプルダウンしたりして作業を継続できるという。


Slack内でのOpenAI Codexの使用イメージ(提供:Slack

Claude

 Anthropicは「Claude」をSlackに統合し、ダイレクトメッセージ(DM)や@メンションによってAIをワークフローに直接組み込めるようにする。Web検索、データソース接続、ドキュメント分析を提供し、Slackワークスペースのチャンネル、メッセージ、ファイルを横断的に検索することでインサイトを強化するという。


Slack内でのClaudeの使用イメージ(提供:Slack

Google Agentspace

 「Google Agentspace」(現在は「Gemini Enterprise」の一部)は、AIエージェントを大規模に構築、管理、導入するプラットフォーム。生産性向上ツール全体からデータとコンテキストを集約し、組織の知識をインサイト、アクションに変換する。

 Google AgentspaceとSlack RTS APIの統合によってユーザーは、Slack内のGoogle Agentspaceエージェントを通じて、あるいはライブSlackデータを活用したGoogle Agentspaceを利用して、変換されたインサイトにアクセスできるという。


Slack内でのGoogle Agentspaceの使用イメージ(提供:Slack

Perplexity

 Perplexityは、MCPサーバ経由でSlackに接続し、チームの会話にクエリをひも付けることで、正確で業務に関連する回答を提供するという。


SlackとPerplexityの統合イメージ(提供:Slack

Dropbox Dash

 「Dropbox Dash」はRTS APIを活用し、SlackとDropbox Dashの両プラットフォームで即時のインサイトを提供する。ユーザーは全ての権限とセキュリティを維持したまま、コンテンツに即時アクセスできるという。

Notion AI

 Notion AIアプリでは、スレッドや会話、仕事の更新情報について質問できる。RTS APIを活用し、公開チャンネル・非公開チャンネル・DM(適切な権限がある場合)を横断してコンテンツを検索するので、Notion上の作業内容がSlackで進行中の最新会話と常に連動する。

 Slackは「これらのアプリ、エージェントは、Slack内でコンテキストに基づいた会話データに安全にアクセスし、生産性を向上させる。Slackデータの保護に尽力し、ユーザーの条件に合わせて安全にアクセス、取得できる堅牢(けんろう)なAIアプリやAIエージェントを開発するために必要なツールを提供する」としている。

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