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CSIRT体制を6ステップで構築・運用する方法を学べる「CSIRTスタータキットV3」公開日本シーサート協議会が14年ぶりの改訂、専門用語の解説も

日本シーサート協議会は、組織内CSIRTを効率的に構築・運用するための手引きをまとめた「CSIRTスタータキットV3」を公開した。

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 日本シーサート協議会(NCA)は2025年10月29日、組織内のCSIRT(Computer Security Incident Response Team)体制の構築・運用を6つのステップで学べる「CSIRTスタータキットV3」を公開した。NCAのWebサイトで全文を確認でき、PDF版をダウンロードできる。

 CSIRTスタータキットは、CSIRTの基本的な役割や構築の流れ、必要な規定や手順、組織を運営するためのノウハウを、NCAの有志メンバーが体系的に整理したものであり、一から組織内CSIRTを整備できるように構成されているという。V3では、長年の変化を踏まえた最新の情報を取り込むとともに文面を見直し、CSIRTの変遷をまとめた「CSIRT小史」も公開している。

自組織に最適なCSIRTを検討するための指針を6つのステップで整理

 文書では、CSIRTの取り組みが、組織形態、ポリシー、予算に依存する部分もあり「一つとして同じ取り組みは存在しない」という前提の下、自組織にとって最適なCSIRTを効率的に検討するための6つのステップ(STEP0〜STEP5)を指針として示している。

  • 構築フェーズ
    • STEP 0:CSIRT構築プロジェクトの立ち上げ
    • STEP 1:情報収集と現状把握
    • STEP 2:CSIRT企画立案
    • STEP 3:CSIRT構築
  • 運用フェーズ
    • STEP 4:CSIRT運用
    • STEP 5:CSIRT再検討

 NCAは「CSIRTを立ち上げる方、立ち上げたばかりの方、どのように成長させていくかお考えの方は、ぜひ参照してほしい」と、述べている。


 巧妙化するサイバー攻撃の被害が相次ぐ今、サイバーセキュリティは喫緊の経営課題となっている。経済産業省が公開している「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」でも、経営層に対してサプライチェーン全体のインシデントに対応可能なCSIRTなどの体制整備が呼びかけられている。

 インシデント発生時に効率的に対応できなければ、被害の拡大や影響の長期化により、企業の信頼失墜といった事態にもつながりかねない。事業部門や経営層も交えて自社のインシデント対応体制をどう整備するのか、あるいは、既存の体制をどう改善させていくのか、各種ガイドラインを活用しながらコミュニケーションを取ることが重要といえるだろう。

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