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「仕事を自分ごと化する力」が技術を伸ばす 異分野出身者がAI最前線で輝く理由データ×AI専門家への道

異分野からARISE analyticsへ転身した長谷川氏と宮本氏。現在はAIエージェント開発や生成AI活用推進の最前線で活躍する二人に、未経験から「データのプロ」になった理由、手厚い学習支援制度、そして仕事を「自分ごと化」して楽しむ同社のカルチャーについて聞いた。

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 AI(人工知能)技術やデータサイエンスの重要性が高まる中、「作る」側から「分析する」側へのキャリアチェンジを目指す人が増えている。しかし、専門性が高い分野だけに「ゴリゴリにデータを分析した経験がなくても通用するのか」「30代からでも遅くないか」と不安を感じる人も多いだろう。

 ARISE analyticsで活躍する長谷川将吾氏と宮本隆太郎氏は、共に異分野から飛び込んだ「データのプロ」だ。農芸化学出身のAI開発者と、環境経済学出身のコンサルタント。KDDIとアクセンチュアのジョイントベンチャーである同社で、二人はどのように成長し、最先端のプロジェクトをけん引するに至ったのか。その軌跡と、挑戦を支える同社の環境に迫る。

異分野からデータの専門家に転身

 現在はAIエージェントの開発者として活躍している長谷川将吾氏だが、意外にも学生時代の専攻は農芸化学だった。「大学の学部としては理系に分類されますが、特にデータサイエンスやAIとは無縁でしたね」と振り返る。

 新卒で入社した肥料メーカーで配属されたのも技術営業の部署だった。ところが、そこで自分でも驚くような“目覚め”を迎えることになる。

 「肥料の効果検証試験でデータと向き合う中で、プログラミングの可能性に気付いたのです。プログラムを組むことで、より高度に、よりクイックにデータの可視化や分析を行えるのですから」と語る長谷川氏は、機械学習やWebスクレイピングなど、より幅の広い技術や手法にのめり込んでいった。

長谷川氏
長谷川将吾氏(ARISE analytics DX技術本部 AI変革推進部 Agent AI開発チーム長)

 もう一人の人物、現在はコンサルタントとして生成AI活用推進を担っている宮本隆太郎氏のキャリアも異色だ。

 大学では環境経済学を専攻。前職では、太陽光発電所の設計業務に携わっていたという。「専攻に応じて勉強していた再生可能エネルギーとデータサイエンスに通ずる学問(統計学や計量経済学)のどちらにも興味があったのですが、最初のキャリアはエネルギー関連の仕事をする決断をしました。しかし社会人として数年がたち、改めてデータサイエンスの仕事もしたいと考えるようになりました」と宮本氏は振り返る。

 同世代でもあるこの二人が転身を決意し、「やりたいことをやるなら、思い切って業界を変えたい」と飛び込んだのがARISE analyticsだ。KDDIとアクセンチュアのジョイントベンチャーとして2017年2月に設立され、KDDIが保有する国内最大規模のデータとアクセンチュアが持つグローバルな先端事例やコンサルティング力を武器に、企業のデータドリブン改革や新規事業の立ち上げ、データ分析基盤の構築・活用など幅広いサービスを提供している。

多様なプロジェクトで培われる実践力

 ARISE analyticsに入社した両氏は、いまどんな仕事に携わっているのだろうか。

 長谷川氏が現在メインで取り組んでいるのは、KDDIがauのカスタマーサポート業務で利用する音声対話AIエージェント開発支援だ。複数のAI技術を活用することで親しみやすく自然な会話を実現し、顧客が安心して気軽に相談できるAIエージェントをKDDIと共に目指している。

 このAI開発で特に重視しているのは、顧客への応答の正確性だ。「滑らかにうそをつくようではサービスとして成り立たないじゃないですか」と長谷川氏はジョークを交えながらも真剣な表情で語り、「ハルシネーションを極力減らし、お客さまへの正確な案内を実現したい」と品質へのこだわりを示す。

 一方の宮本氏は、KDDIが提供するauなどの通信サービスで解約抑止施策支援のプロジェクトに携わった後、現在は生成AIの社内活用推進という新たなミッションに取り組んでいる。

 背景として同社は現在、経営トップの強いコミットメントの下で、生成AI活用を全社的に推進している過程にある。「『Microsoft PowerPoint』や『Microsoft Excel』と同じように、誰もが当たり前に生成AIを使う時代がもう到来しています。私たちはその時代に適応していくために、経営陣と密に連携を取りながら全社方針として社内活用を進めています」と宮本氏は説明する。

 実際、同社が導入しているツールは驚くほど多岐にわたる。チャット系では「ChatGPT」や「Claude」が既に導入されており「Gemini」も2026年1月から活用できるよう準備を進めている。さらにコーディング支援には「Cursor」「GitHub Copilot」、情報集約には「NotebookLM」といった具合で、「ARISEでは色んなツールを使えるように整備を進めています。最新のツールも含めて常にリストアップをしながら、導入に当たって必要な観点を照らし合わせてPoC(概念実証)から本番導入へと進めています。これら以外にもいつでも本番導入できる状態にあるツールが複数あります」と宮本氏。

 これらのツールは全て同社の従業員たちがピックアップしたもので、どんな効果があるかを皆で議論した上で導入を進めてきたが、見据えるのはその先だという。「AIツールを導入したら終わりということではなく、それらを活用して業務効率化と生産性向上を実現することが目的にあります。ARISEでは、AIをフル活用するための社内研修もあり、これからのwith AIの時代を乗り越えられるスキルが身に付けられます。そして、そこで得たノウハウをお客さまに提供することを目指しています」と宮本氏は強調する。

宮本氏
宮本隆太郎氏(ARISE analytics AIコンサルティング本部 データ・AI活用推進部 GenAI活用推進チーム長)

「金曜午前は自己研さんの時間」 多忙でも成長を止めない仕組み

 既に同社のキーパーソンとなって活躍している長谷川氏と宮本氏だが、異分野から転身し、技術の進化が激しいデータサイエンスの世界で成長し続けることは、決して簡単ではない。両氏は日々、どんな努力を重ねているのだろうか。

 宮本氏がマネジメント能力を高めるために意識しているのは書籍による学習だ。「データサイエンティストとして求められるデータ分析やロジカルシンキングの能力の他、リーダーの立場となった現在は、さまざまな課題を言語化してメンバーに伝える能力も必要となります。いまの自分に足りないものは何かを常に意識し、それを補う内容を持った書籍を選んでいます」と語る。

 一方で、生成AIをはじめとするテクノロジーの急速な進化に対応するため、SNSでの情報収集も欠かせない。AI関連の最新トレンドやニュース記事、プレスリリースを自動収集し、チームで共有することで学びを深めているという。

 長谷川氏も同様に書籍やSNSでの情報収集を基本としているが、AIエージェントの開発者として、普段からテックブログや論文にも目を光らせている。「自分やチームのメンバーが手掛けている案件に、その技術はどのように適用できそうか、実装をイメージしながらさまざまなブログや論文を探って読み進めています」と長谷川氏は語る。

ARISE analyticsの書籍コーナー
長谷川氏も宮本氏も書籍からの学びを大切にしている。ARISE analyticsの書籍コーナーには、さまざまな技術書があり、気軽に手に取ることができる

 こうした従業員による自主的な情報収集や知識獲得を後押しする、会社からのサポートも手厚い。書籍購入を補助する他、「Udemy」などのオンライン学習サービスなどを利用できる制度も整っている。

 加えて宮本氏は、「ARISE analyticsでは、自己研さんの時間(金曜日の午前中など)を会社が確保してくれています。書籍を読む、Udemyで学ぶといった時間も作れ、そのための費用補助もあるのは一社員としてうれしく思っています」と語る。

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仕事を「自分ごと化」できる前向きな人が成長できる

 とはいえ、そんな同社もデータサイエンティストはまだまだ足りない。長谷川氏や宮本氏に続く新たな人材を積極的に募集中だ。

 ではどんな人材がこの会社で活躍し、大きく成長できるのだろうか。

 宮本氏は「やはり前向きで素直な人ですね」と即答する。「とにかく学ぶことがいっぱいで、周りのメンバーと協力しなければ解決できないことも多々あります。また、最新のAI技術を扱う以上、案件として要求される範囲が広くレベルも高いことから、思うような成果を出せないこともあります。そんな日々の全てを“成長の糧”として吸収していける人が、この会社に合っているような気がします」

 一方で長谷川氏が強調するのは、仕事を「自分ごと化」することの重要性だ。「さまざまな案件を自分の課題と捉えるからこそ興味が湧くし、真剣になれるし、何より仕事を楽しめます。周りのメンバーを見渡してみても、自分ごと化できている人は、より大きなパフォーマンスを発揮できているように思います」と語る。

 もちろん自分が望む役割ばかりではなく、時には自分の意向と異なる案件に配属されることもある。それでもネガティブにならないことが肝要だ。「後から振り返ってみると、その経験も良かったと思える日が必ず来るものです。そのためにも自分ごと化することが大切です」。続けて「どうせやるなら、楽しんで取り組んだ方が絶対にいいですから」という言葉に、長谷川氏の仕事哲学がにじみ出る。

 こうして一人一人の個が確立された組織だからこそ、他のメンバーを尊重しつつ、自然に連携しながら助け合えるのだ。「やはり大切なのは仲間ですから」という宮本氏の言葉に、異分野から飛び込んだ2人がARISE analyticsで成長を続けている秘密がありそうだ。

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提供:株式会社ARISE analytics
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2026年1月25日

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