もうAIに「古いコード」は書かせない 「知識のギャップ」を埋めるスキルをGoogleが公開:Gemini搭載アプリの開発を支援
Googleは、Gemini搭載アプリの開発を支援するためのスキル「Gemini API skills」をGitHubで公開した。
Googleは2026年3月25日(米国時間)、「Gemini」を利用するアプリの開発を支援するスキル「Gemini API skills」を「GitHub」で公開した。
大規模言語モデル(LLM)は特定の時点で学習が固定されるため、新しいライブラリのリリースやSDKのアップデート、ベストプラクティスの進化に対応できないという「知識のギャップ」が生じる。Googleは、この課題を解決するために独自のスキル、Gemini API skillsを開発したという。
Gemini API skillsの構成
スキルは以下の基本的な命令セットで構成されている。
- APIの高レベルな機能セット
- 各プログラミング言語向けの現行モデルとSDK
- 各SDK向けの基本サンプルコード
- ドキュメントのエントリポイント(情報源として最新情報の参照を促す)
Gemini API skillsはGitHubから入手可能で、「gemini-api-dev」「vertex-ai-api-dev」「gemini-live-api-dev」「gemini-interactions-api」といったアプリ構築スキルが公開されている。
117のプロンプトでスキルを評価した結果
Googleは、「Python」または「TypeScript」で「Gemini SDK」を使用するコードを生成する117のプロンプトで構成された評価ハーネスを作成し、スキルなしとスキルありの両方でテストした。古いSDKを使用した場合は「失敗」と判定した。
その結果、スキルを追加することで正しいAPIコードを生成する能力が大幅に向上した。Gemini 3 Flashでは87.2%(スキルなし:6.8%)、Gemini 3.1 Proでは96.6%(スキルなし:28.2%)に達した。
Gemini 3.1 Proでは、ほぼ全てのカテゴリーでスキルの効果が認められた。旧型の2.5シリーズモデルも恩恵を受けるが、最新モデルほどではなかった。推論機能を強化した最新モデルを使用することで、大きな違いが生まれることが明らかになった。
課題と今後の展開
Googleは、エージェント向けのREADMEファイル「AGENTS.md」を通じた直接命令の方が、スキルよりも効果的な場合があるというVercelの調査結果にも言及している。現時点ではスキルの更新の仕組みが整備されておらず、ユーザーが手動で更新しない限り古い情報がワークスペースに残る可能性があるという課題も指摘した。
今後はMCP(Model Context Protocol)を直接活用してSDKの情報をリアルタイムで提供する方法なども模索するとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「人手のUI設計では低品質」 AIエージェントと喋る「バイブデザイン」で成果物の品質向上へ
GoogleはUIデザインツール「Stitch」を刷新。自然言語からUIデザインの生成、反復、共同作業を一貫して行える「無限キャンバス」などを搭載した。
AIコーディングツールに約7割が不満 「意図通りに出ない」「精度も低い」
キッカケクリエイションの調査によると、AIコーディングアシスタントツールの利用で9割弱が生産性向上を実感している一方で、約7割が課題や不満を感じていることが分かった。利用の実態を探る。
Google、Gemini CLIに読み取りモードで調査や設計ができる「Plan Mode」追加
Googleは、AIコーディングエージェントGemini CLIに「Plan Mode」を追加した。読み取り専用モードで動作し、ファイル変更のリスクなしにコードベースの調査や設計ができる。
5カ月でコード100万行を生成してソフトウェア構築 AIコーディングを生かすための工夫とは? OpenAI解説
OpenAIのソフトウェア開発チームは「ハーネスエンジニアリング」を実践し、同社のAIコーディングエージェント「Codex」を活用して、手作業のコーディングなしで社内向けソフトウェアを開発したという。公式ブログで取り組みの成果と課題を共有した。
1秒未満で起動し、コード実行後に消滅 AIエージェント向け環境「Vercel Sandbox」の仕組み
Vercelは、AIエージェント向けのコード実行環境「Vercel Sandbox」の一般提供(GA)を開始した。併せて、Vercel Sandbox CLIとSDKもオープンソースとして公開した。
