「AIには期待、でも導入は渋りがち」な日本企業 4割がインシデントで“1時間に8000万円超の損失”を経験:成長企業ほど「レジリエンス」を改善
PagerDutyが企業のIT運用を調査したところ、成長企業ほどIT運用のレジリエンス改善が進む傾向が見られた。AI活用に目を向けると、特に日本企業では期待と導入状況にギャップがあったという。
サイバー攻撃やシステム障害といったインシデントの管理を支援するPagerDutyは2026年4月16日、「2026年版 AI-First Operations実態調査レポート」を発表した。これは、企業のIT運用におけるレジリエンス(回復力)とAI活用の実態をまとめたレポートだ。
同レポートは、日本や米国を含む世界のビジネスリーダー、IT部門の意思決定者、開発部門の責任者など1000人(追加インタビューを含めると1100人以上)への調査結果に基づく。PagerDutyの委託を受けた第三者機関Wakefield Researchが、2025年12月にオンライン形式で調査を実施した。
過去1年間でレジリエンスが改善したと回答した企業は、全体の71%だった。売上高が成長している企業に限ると、この割合は74%に上る。売上高が低迷している企業では64%にとどまり、10ポイントの差が見られた。レジリエンス向上が、事業成果に一定の影響がある可能性がある。
インシデントによる損失はかなりの規模に
インシデントによる損失の大きさも浮き彫りになった。調査対象企業の68%が、インシデント発生時に1時間当たり30万(約4800万円《1ドル=約160円換算、以下同じ》)ドル以上の損失を経験した(図1)。このうち34ポイントは50万ドル(約8000万円)以上、8ポイントは100万ドル(約1億6000万円)以上の損失を経験したという。
重大なインシデントが企業に与える影響としては「ブランドや評判の毀損(きそん)」(52%)がトップとなった。次いで「復旧や修復にかかるコスト」(50%)や「生産性の低下」(48%)が挙がった。
インシデントによって、1時間当たり50万ドル以上の損失を経験した日本企業は43%に上った。これは米国企業(31%)よりも12ポイント高い。インシデント発生後の分析や改善活動について「非常に大きな必要性がある」と回答した日本企業は33%だった一方、グローバル平均は23%にとどまった。
日本企業のAI導入率は5割超も、米国を下回る
AI導入率を見ると、日本企業は55%で、米国企業の68%を13ポイント下回った。一方でAI活用への期待は高い。「人材獲得・定着」を期待する日本企業は55%、「競争力の強化」「生産性の改善」はいずれも46%だった(図2)。これらは、いずれもグローバル平均(それぞれ45%、40%、42%)を上回る。
PagerDutyでチーフマーケティングオフィサー(CMO)を務めるキャサリン・カルバート氏は、重大インシデントが企業経営に与える影響が大きくなる中、レジリエンス強化が重要な経営課題になっていると指摘する。その上で、AIを活用してインシデント管理を迅速化することで、障害発生時のサービス復旧を早められるとの見方を示す。
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