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カプコンは開発現場で陥る「当時のことはもう誰も分からない」をどう解消した?ソースコードとドキュメントを連携、その方法とは

担当者の交代や退職で、システム開発の経緯がブラックボックス化――。開発現場で起きがちなこうした課題に対し、カプコンは現場の暗黙知をコンテキストとしてAIに引き継ぐ発想を取り入れた。

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 担当者の交代や退職でシステム開発の経緯がブラックボックス化し、開発当時の知見が失われる――。こうした状況を引き起こす「属人化」は、さまざまな開発現場が抱える積年の課題だ。ゲームメーカー、カプコンの開発現場もまた同じ壁に直面していた。そこで同社は、ソースコードとドキュメントを連携させ、現場の暗黙知を“コンテキスト”(背景情報)としてAIに引き継ぐ発想を取り入れた。

「開発当時のことは誰も分からない」カプコンはどう解消?

 開発経緯のブラックボックス化などの課題を解消するため、カプコンのWEBプロダクション室ではAIコンテキストプラットフォーム「Jitera」を採用した。同プラットフォームを提供するJiteraが2026年6月9日に発表した。

 WEBプロダクション室では、幾つかの課題を抱えていた。一つは、担当者の入れ替わりや部署の再編による「開発経緯のブラックボックス化」だ。保守・運用中のプロジェクトだけでなく、進行中のプロジェクトを含めて「当時を知る人がいない」という状態に陥りやすく、引き継ぎのたびにゼロから把握し直す必要があった。

 各種AIツールをエンジニアが個人で利用しており、組織として利用環境を統一できていないことや、インフラをはじめ担当者が変わるたびにノウハウが失われ、引き継ぎコストが高かったことも課題だった。

 カプコンはソースコードとドキュメントを連携させ、コンテキストとしてAIに引き継げる点を評価してJitera導入を決めた。既存のリポジトリやドキュメントを読み込ませるだけで現場の知識を踏まえた回答が得られ、コードを書くことと次の担当者のために記録を残すことが、同じ作業の中で自然に完結する。長年の課題だった属人化に対して現実的なアプローチが取れる点を評価したという。

インフラの引き継ぎコスト低減にも寄与

 導入後の効果が顕著だったのが、運用開始から5年が経過した統合会員サービス「CAPCOM ID」(カプコンの各タイトルをまたいで利用できる会員基盤)などのシステムだ。Jiteraを使ったリバースエンジニアリングによって仕様を可視化し、ブラックボックス化したコードの解析工数を大幅に削減できた。インフラ構成をコードで管理するIaC(Infrastructure as Code)コードのAI解析やドキュメント化によって、インフラの引き継ぎコスト低減にも寄与している。

 「Claude」や「ChatGPT」などの複数のAIモデルを1つのプラットフォームで使い分けられる点も、用途に応じた柔軟な活用を後押ししているという。

 導入後、カプコンではコンポーネント単位のドキュメント化やテストの整備など、以前は「やった方がいいと分かっていてもできなかった」ことが実現できるようになったという。同社担当者は「Jiteraを使う中で、何をしたいのかを明確に言語化する必要が生まれ、チームとして課題を正確に言語化する力が育ってきていると感じている」と述べる。

 カプコンは今後、単純作業をAIに委譲し、人間はより高度な判断・設計業務に集中する体制を目指すとしている。

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