【急ぎ適用を】タスクバーの上下左右配置がついに復活。悪用確認のゼロデイ対処も含むWindows 11「KB5124008」詳細:Tech News
Microsoftは2026年9月8日(米国時間)、Windows 11向けの月例更新プログラム「KB5124008」の提供を開始した。今月は約1000件という過去最大規模の脆弱性が修正されており、その中には既に悪用が確認されている「Windows Updateスタック」と「ALPC」の2件の権限昇格の脆弱性が含まれる。また、タスクバーを画面の上下左右に配置できる機能の復活や[スタート]メニューのカスタマイズ拡充など、2026年8月のプレビュー更新で先行提供された新機能も正式に展開される。本更新プログラムの内容と注意点を解説する。
タスクバーの上下左右配置がついに復活。悪用確認のゼロデイ対処も含むWindows 11「KB5124008」詳細
Microsoftは2026年9月8日(米国時間)、Windows 11向けの月例更新プログラム「KB5124008」の提供を開始した。今月は約1000件という過去最大規模の脆弱性が修正されており、その中には既に悪用が確認されている「Windows Updateスタック」と「ALPC」の2件の権限昇格の脆弱性が含まれる。また、タスクバーを画面の上下左右に配置できる機能の復活や[スタート]メニューのカスタマイズ拡充など、2026年8月のプレビュー更新で先行提供された新機能も正式に展開される。本更新プログラムの内容と注意点を解説する。
Microsoftは2026年9月8日(米国時間)、Windows 11向けの更新プログラム「KB5124008」をリリースした(Microsoftのサポート「September 8, 2026-KB5124008 (OS Builds 26200.9445 and 26100.9445)」)。この更新プログラムは、Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)および2025 Update(バージョン25H2)を対象とした月例のセキュリティ更新プログラムで、これによりOSビルドが「26100.9445(24H2)」および「26200.9445(25H2)」に更新される。
またWindows 11バージョン26H1向けには「KB5124012」が提供され、こちらのOSビルドは「28000.2954」となる。なおバージョン26H1は、Snapdragon X2搭載ノートPC向けで、Windows 11の新機能が最初に提供されるバージョンではない点に留意したい。
悪用が確認された2件のゼロデイ脆弱性に注意
今回の更新では、Windows OSおよびその他のコンポーネントの998件の脆弱(ぜいじゃく)性が修正された(編集部が2026年9月9日に集計)。編集部で「Security Update Guide」の「[Vulnerability]タブ」を集計した結果によると、深刻度が「緊急」のものは119件に上る。その内訳は「特権の昇格」が27件、「情報漏えい」が2件、「リモートコードの実行」が88件などとなっており、今月はリモートコードの実行が大半を占めているため、悪用された場合のリスクは非常に高い。
約1000件の脆弱性解消は、Microsoftの月例更新として過去最大規模で、前々月(約570件)や前月(約400件)を大きく上回った。Microsoftが2026年7月のブログ記事で示した、AI(人工知能)の進展により脆弱性の発見が加速しており、今後の月例更新に含まれる修正件数が増えるだろう、という見通しそのままの展開である。解消される脆弱性の詳細は、Microsoft Security Response Center(MSRC)の「September 2026 Security Updates」を参照されたい。
今月特に注意すべきなのは、既に攻撃への悪用が確認されているゼロデイ脆弱性が2件含まれている点だ。
1件目は、「Windows Updateスタックの権限昇格の脆弱性(CVE-2026-81963)」である。これはファイルアクセス前の不適切なリンク解決(リンクフォロー)に起因する権限昇格の脆弱性で、深刻度は「重要(Important)」である。ローカルの低権限ユーザーが悪用することで、システム権限を取得できる可能性がある。ユーザーの操作は不要とされている。
2件目は、「Windows Advanced Local Procedure Call (ALPC) の特権の昇格に関する脆弱性(CVE-2026-85880)」だ。こちらも深刻度は「重要(Important)」で、既に悪用が確認されている。ALPCはWindows OSのプロセス間通信を担う中核コンポーネントであり、攻撃者が侵入後にシステム権限へ昇格する足掛かりとなり得る。
いずれも深刻度は「緊急」ではなく「重要」に分類されているものの、既に悪用が確認されていることから、深刻度のみで判断せず、早急な更新プログラムの適用が必要だ。
なお、Microsoftによれば現時点においてこの更新プログラムに関する重大な既知の問題は報告されていないという。
継続されるセキュアブート証明書の有効期限切れ対策
「KB5124008」においても、セキュアブート証明書の有効期限問題に対する措置が継続されている。多くのWindowsデバイスで使用されているセキュアブート証明書が2026年6月以降、順次有効期限を迎えることから、Microsoftは個人向けや非管理対象ビジネスデバイスに対して新しい証明書を段階的に配布してきた。本更新プログラムでも、新しい証明書を自動的に受け取れるデバイスの判定データが追加され、その対象範囲がさらに拡大している。証明書の配布は今後数カ月にわたってWindows Update経由で継続される予定だ。
なおMicrosoftは、新しい証明書を受け取っていないデバイスについても、引き続き起動および通常の動作が可能で、標準的なWindows Updateも継続してインストールされると説明している。ただし一部のPCでは、セキュアブート証明書の更新によって予期せずBitLockerの回復モードに入ってしまう問題が発生していたいきさつがある。万一に備えて、適用前にはMicrosoftアカウントにサインインしてBitLockerの回復キーを確認し、バックアップしておくべきである(BitLockerの回復キーの確認方法は、Tech TIPS「BitLockerの回復キーが分からない場合の確認方法【Windows 10/11】」参照のこと)。
セキュアブート証明書の有効期限切れについては、Tech TIPS「【最終案内】2026年6月にWindows 11が起動不能に? 『セキュアブート証明書』の期限切れリスクと対策、起動しなくなった場合の対応策」を参照してほしい。
Windows 11 24H2 Home/Proのサポート終了まで残り約1カ月
今回のサポートページでも、Windows 11バージョン24H2のHomeおよびProエディションが2026年10月13日に更新プログラムの提供を終了することが改めて告知されている。この日以降、対象デバイスには既知の問題の修正やタイムゾーンの更新、テクニカルサポート、最新の脅威への保護を含む月例のセキュリティ更新プログラムおよびプレビュー更新プログラムが提供されなくなる。一方、EnterpriseおよびEducationエディションは2027年10月12日までサポートが継続される。
サポート終了まで残り約1カ月となっており、Home/Proエディションで24H2を利用している場合は、最新バージョンのWindows 11へのアップグレードを急ぎたい。
前月の不具合解消とタスクバー位置変更の復活など多数の新機能
「KB5124008」の更新プログラムには、2026年8月27日(米国時間)に提供されたオプションのプレビューリリース「KB5120998」による修正と品質改善が含まれている。
【既知の問題の修正】マウスポインターのカスタマイズ設定が反映されない不具合を解消
カスタマイズしたマウスポインターの設定(ポインターのスタイルや色)が正しく表示されない問題が修正された。選択したカーソルのオプションと色が期待通りに動作するようになっている。
【既知の問題の修正】デスクトップの背景が黒く表示される不具合を解消
デスクトップの背景やその他の個人用設定が正しく読み込まれず、デスクトップの背景が黒く表示されることがある問題が解消されている。
この他、Arm64ベースのPCにおいてMicrosoft TeamsおよびMicrosoft Outlookが予期せず終了することがある問題、リモートデスクトップの音声リダイレクトで特定の構成においてリモートセッションの音声がローカルデバイスで再生されない問題も修正された。また、モロッコが2026年9月20日から恒久的にUTC+00:00へ移行することに伴い、タイムゾーン「Morocco Standard Time」が調整されている。
更新プログラムによる機能追加
今回の更新プログラムで導入された主要な新機能は以下の通りだ。いずれも2026年8月27日(米国時間)に提供されたプレビュー更新で先行提供されていたもので、段階的なロールアウトで有効化される。
タスクバーの位置とサイズの変更が可能に
タスクバーを画面の「下」だけでなく「上」「左」「右」のいずれにも配置できるようになった。設定は、「設定」アプリの「個人用設定」−「タスクバー」画面にある「タスクバーの動作」欄で可能だ。
タスクバーの位置とサイズの変更が可能に
「KB5124008」の更新プログラムを適用することで、これまで下側に固定されていたタスクバーの位置が変更可能になった。この設定は、「設定」アプリの「個人用設定」−「タスクバー」画面にある「タスクバーの動作」欄で可能だ。またタスクバーのサイズも「小」が選択できるようになった。
タスクバーの位置変更はWindows 11で[スタート]ボタンが中央に変更になった際に廃止されていた機能で、久々の復活となる。また、小さい画面のデバイスで表示領域をより広く活用するためのタスクバーのサイズを「小」にするオプションも追加されている。
ただし、検索ボックスの表示は、現時点では上または下の配置でのみサポートされる。
Windows Search(検索ホーム)の検索UIを改善
Windows Search(検索ホーム。タスクバーの検索ボックス/アイコンをクリックしたときに開くパネル)において視覚的な煩雑さが抑えられ、最近の検索内容への再アクセスや、クリック前に内容を確認しやすくなった。また[設定]−[プライバシーとセキュリティ]−[検索]に、WebおよびMicrosoft Storeの候補を非表示にしてローカルの検索結果のみを表示する新しいオプションが追加された。
エクスプローラーのタッチ操作を向上
エクスプローラーの「おすすめ」セクションがタッチスクロールに対応し、カルーセル表示でのファイル閲覧が容易になった。
[スタート]メニューのカスタマイズを拡充
[スタート]メニューのサイズが「自動(既定)」「小」「大」から選択できるようになった。「設定」アプリの「個人用設定」−「スタート」画面にある「スタートメニューのサイズ」欄で変更できる。
[スタート]メニューのカスタマイズを拡充(1)
「設定」アプリの「個人用設定」−「スタート」画面にある「スタートメニューのサイズ」欄で[スタート]メニューのサイズが変更可能になった。[自動(既定)]を選択すると画面解像度に合わせて[スタート]メニューの「大」か「小」に切り替わる。1920×1080ドットの画面の場合、[自動(既定)]を選択すると「大」が選択されるようだ。
[スタート]メニューのカスタマイズを拡充(2)
「スタートメニューのサイズ」欄で[小]を選択すると、画面のように[スタート]メニューのサイズがコンパクトになる。画面解像度が低いPCの場合、[小]を選択すると[スタート]メニューで画面がいっぱいになることが防げる。また、「設定」アプリの「個人用設定」−「スタート」画面で、「ピン留め済み」「新着順」「すべてのアプリ」の各セクションを個別に表示/非表示に設定できるようになっている。
また「設定」アプリの「個人用設定」−「スタート」画面で、「ピン留め済み」「新着順」「すべてのアプリ」の各セクションを個別に表示/非表示に設定できるようになった。さらにプライバシーに配慮し、ユーザー名やプロフィール画像を非表示にする機能も追加されている。
バージョン26H1向けの機能追加
バージョン26H1向けの「KB5124012」では、25H2/24H2に先月提供された新機能が導入されている。具体的には、音声アクセスの「音声分離(ボイスアイソレーション)」、高精度タッチパッド向けの新しいジェスチャー設定、Windows Helloの拡張サインインセキュリティ(ESS)の外付け指紋センサー対応、ウィジェットの控えめな通知(アクセントカラーの通知バッジ、ロック画面ウィジェットの簡素化)、Windows Searchの検索精度向上、バッテリー節約機能のしきい値設定の復活、Windows Updateの進行状況算出の改善などである。
また「KB5124012」でも、Arm64ベースのPCにおけるTeams/Outlookの終了問題やリモートデスクトップの音声リダイレクトの問題の修正、モロッコのタイムゾーン調整が含まれている。
AIコンポーネントの更新
AIコンポーネントのバージョンアップも実施されており、各AIコンポーネント(Image Search、Content Extraction、Semantic Analysis、Settings Model)が「1.2608.951.0」に更新される。
次期機能更新「バージョン26H2」はRelease Previewチャネルで提供中
Microsoftは2026年8月27日(米国時間)、次期機能更新プログラムとなるWindows 11バージョン26H2をWindows Insider ProgramのRelease Previewチャネルで提供開始している。今後数週間のうちにオプションの更新プログラムとして提供され、早ければ2026年10月にも一般向けのロールアウトが開始されるとみられる。
Microsoftは展開スケジュールの短縮を推奨
月例更新の規模が拡大する一方で、Microsoftは更新プログラムの展開スケジュールそのものの見直しも呼びかけている。2026年7月8日にMicrosoft Mechanics Blogで公開された記事「Deploy Windows updates to counter AI-discovered threats」によれば、Windows Updateの展開に関する推奨を、品質更新プログラムの遅延期間は3日未満(「期限」が0日または1日、「猶予期間」は最大2日)にそれぞれ改めたとしている。ただしこの推奨は、Windows Updateの展開スケジュールを厳格に設定できる場合に限られる。
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