なぜ「ITエンジニアの中間管理職」は報われないのか? 昇給率「8%」の壁:ITエンジニアの給与動向と管理職レイヤー別実態調査
フロッグが公表した「2026年8月度 営業職・レイヤー別管理職の給与調査レポート」によると、ITエンジニア職のリーダー・課長への昇給率はわずか約8%にとどまることが明らかになった。
フロッグは2026年8月24日、同社が保有する求人ビッグデータを基に分析した「2026年8月度 営業職・レイヤー別管理職の給与調査レポート」を公表した。
同レポートによると、全体として管理職求人の割合は11.5%(部長以上は1.7%)と絞り込まれているが、職種によって昇給の構図には大きな乖離(かいり)が存在することが明らかになった。
役職上昇に伴い比較的バランスよく給与が伸びる営業職(メンバー→リーダーで+22.3%、リーダー→課長で+15.7%)に対し、ITエンジニア職の中間管理職(リーダー・課長)への昇給率はそれぞれ約8%にとどまる。
課長から部長以上へ昇進する段階で+56.4%と急激に上昇するものの、中間管理職の段階では昇給幅が著しく抑えられている実態が浮き彫りとなっている。
88.1%が「プレイング業務」を兼務 「管理職が割に合わない」構造的要因
昇進による満足度のボーダーラインについて、マイナビ転職の調査では「管理職になってよかった」と感じる人の年収中央値は700万円(そうでない人は550万円)だった。この年収700万円相当(月給50万円以上と仮定)に届く求人割合を比較すると、部長クラスでは52.9%と過半数を占めるものの、リーダークラスで9.6%、課長クラスで24.9%と少数派にとどまる。
リクルートワークス研究所の調査によれば、システムエンジニアリング職の88.1%(営業職は86.3%)がプレイング業務を兼務している。営業職はプレイング業務の成果が給与に反映されやすい一方、ITエンジニア職は中間管理職での給与の伸びが限定的であるため、プレイングとマネジメントの重責に見合ったリターンを得づらい。
結果として「管理職を目指すよりもスペシャリストとして専門性を磨く道」を志向する人材が増えやすい構造が生じている。
IT部門の採用・育成で競合に勝つための評価設計
求人媒体別の平均掲載年収を見ても、ハイクラス媒体のビズリーチ(843万円)を筆頭に、総合転職媒体でも平均月給はこの6年間で約24.9万円から約29.1万円へと上昇傾向が続いている。
フロッグは、責任や業務負荷ばかりが増えて給与が伸び悩む「割に合わない感」を解消し、昇進後の納得感を提示できるかどうかが、今後の管理職確保における企業の明暗を分けるのではないかと分析している。
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