検索
ニュース

コードの8割をAIに任せる時代に突入? シニア層ほど進む「AI依存」のリアル:JetBrainsが1万5000人調査 開発者を3つに分類

JetBrainsは、世界1万5000人超のプロフェッショナル開発者を対象にした調査結果を公表した。業務で書いたコードのうち、AIエージェントが完全に生成した割合は平均約47%だった。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 JetBrainsは2026年8月26日(チェコ時間)、年次調査「Developer Ecosystem Survey 2026」を基に、AIエージェントによるコード生成の実態をまとめた分析を公表した。調査は、世界のプロフェッショナル開発者1万5000人以上を対象に2026年5月から7月にかけて実施した。

 調査では「先月、業務で書いたコードのうち、AIエージェントが完全に生成した割合」「AIの支援を受けて自分で書いた割合」「AIの支援なしで自分で書いた割合」を、「0%、1〜20%、21〜40%、41〜60%、61〜80%、81〜99%、100%、分からない」から選ぶ形式で聞いた。平均値は各区分の中間値を用いて算出しているため、3つの割合の合計は100%を超えることがある。

 手作業でのコーディングは急速に姿を消しつつあるが、全員が完全なエージェント型の開発ワークフローへ移行したわけではない。プロフェッショナル開発者の平均は、エージェントが完全に生成したコードが約47%、AIの支援を受けて自分で書いたコードが約38%、AIの支援なしで書いたコードが約27%だった。

5人に1人は「AIの支援なしにコードを書かない」

 開発者の半数超は、手作業で書くコードが全体の20%未満にとどまる。AIの支援なしで書いたコードが0%と答えた開発者は21%で、5人に1人はAIの助けなしに1行もコードを書いていないことになる。一方、コードの8割超をエージェントに生成させている層は約22%と少数派で、大半の開発者はその中間に位置する。

業務で書いたコードの内訳(提供:JetBrains)
業務で書いたコードの内訳(提供:JetBrains)

シニア開発者の25%が8割超をエージェント生成

 経験年数別に見ると、コードを書く作業をエージェントに委任しているのは経験の浅い層ではなくシニア層だった。

 経験6年以上のシニア開発者は25%がコードの8割超をエージェントに生成させており、経験3〜5年のミドル(17%)、経験1〜2年のジュニア(18%)を上回る。ジュニアは完全なエージェント型よりもAI支援型のワークフローに寄る傾向があり、AIの支援を受けて自分で書いたコードの平均はジュニアが44%、シニアが36%だった。

 ただしシニア開発者の全員がエージェント優先というわけではなく、同じ層の中でも活用状況のばらつきは大きい。

経験年数別に見たコードの内訳(提供:JetBrains)
経験年数別に見たコードの内訳(提供:JetBrains)

 最も使うAIコーディングツール別では、コードの8割超をエージェントに生成させている開発者の割合は「Codex」が42%、「Claude Code」が32%、「Cursor」が28%で、「GitHub Copilot」は13%、「JetBrains Junie」は12%、「JetBrains AI Assistant」は5%だった。

 AIの支援なしではコードを書かない開発者の割合も、Codexユーザーでは37%と他のツールのユーザーより明確に高い。

 JetBrainsは「Claude Codeが職場での利用率39%で事実上の標準となる主流のAIコーディングツールになりつつある一方、そのユーザー層はもはやエージェントの上級者が中心ではなくなった」と解釈している。

 Codexは認知度と採用で追い上げており、これまで多くの利用枠を提供してきた経緯から、コストパフォーマンスを重視する上級者がユーザー層に多く含まれている可能性があるという。

 CursorのユーザーはClaude Codeのユーザーに近く、エージェントが生成したコードの平均は58%だった。

最も使うAIコーディングツール別に見たコードの内訳(提供:JetBrains)
最も使うAIコーディングツール別に見たコードの内訳(提供:JetBrains)

Go、JavaScript、TypeScriptが平均54〜55%で最多

 主に使うプログラミング言語によって、エージェントの活用度合いははっきり分かれた。

 Go、JavaScript、TypeScriptを主要言語とする開発者はエージェントが生成したコードの割合が最も高く、平均54〜55%に達する。対極にあるのがC、C++の開発者で、手作業で書いたコードの割合が平均38%と高いままだ。Java、Pythonの開発者は48〜51%で中間に位置する。

東アジアはヨーロッパ・英国の約2倍

 地域別では、中国、日本、韓国をはじめとする東アジアの開発者がエージェント活用を先導しており、コードの大半に当たる8割超をエージェントに生成させている開発者の割合は、ヨーロッパ・英国の約16%に対して約2倍に達する。

31%が「エージェント型コーダー」に分類

 JetBrainsは、開発者を現在のコードの書き方によって、「エージェント型コーダー」「AI支援型コーダー」「手動型コーダー」の3つのグループに分類した。なお、ここでの『コーダー』という言葉は、システム開発業務全般ではなく『コードを生成するプロセス』に着目した分類であることを強調するために使われている。

  • エージェント型コーダー(開発者の約31%):平均84%がエージェントによる完全生成、約15%がAIの支援を受けた記述、約6%がAIなしの手作業
  • AI支援型コーダー(約47%):平均40%がエージェントによる完全生成、約60%がAIの支援を受けた記述、約20%がAIなしの手作業
  • 手動型コーダー(約23%):約10%がエージェントによる完全生成、約25%がAIの支援を受けた記述、約75%がAIなしの手作業

 エージェント型コーダーはエージェント活用のけん引役だが、Claude CodeとCodexのヘビーユーザーに限っても、エージェント型コーダーに分類されるのは46〜57%にとどまる。

 JetBrainsは、エージェント中心のワークフローを全面的に採用しているか、手を動かすコーディングを好むかにかかわらず、「純粋な手作業でのコーディングが急速に過去のものになりつつあるという変化は明確だ」との見解を示している。同社は同じ調査データを基にした分析を今後も公開する方針だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る