PythonでもSQLでもない、2026年「最も使う言語」 Stack Overflow調査が映す“定番回帰”とAIとの距離感:開発者の45%が仕事に「甘んじている」
Stack Overflowは、年次ソフトウェア開発者調査「2026 Stack Overflow Developer Survey」の結果を発表した。
Stack Overflowは2026年10月6日(米国時間)、年次ソフトウェア開発者調査「2026 Stack Overflow Developer Survey」の結果を発表した。
16回目となる今回の調査は2026年6〜8月に行われた。質問数が103で対象技術は467に上り、開発者のワークフローにおける知識、信頼、コンテキスト(文脈)を扱うセクションが新設されている。169カ国の技術者から約3万900件の回答が寄せられた。
開発者の45%が仕事に「甘んじている」
調査結果は、平均的な開発者にとって職場の状況がかつてないほど複雑化し、流動的になっていることを示している。その背景には期待の急速な変化、柔軟な働き方、組織の優先順位の不明確さ、労働市場の冷え込みといった要因がある。
- 回答者の45%以上が現在の仕事に「甘んじている」と答えた一方、33%が「不満」、22%が「満足」とした。「甘んじている」と答えた回答者では、燃え尽きや技術疲れが最大の要因(21%)だった。
- 出社回帰の動きが広がる中でも、テレワーカーの割合が35%と最も高く、出社が中心でテレワークもしている回答者が20%、完全出社が18%だった。
- フリーランスや個人事業主の割合は11%で、2025年調査の4%から倍以上に増えた。
- 回答者は摩擦の要因として、優先順位の不明確さ(17%)、非効率なワークフロー(15%)、時間やリソースの不足(14%)などを挙げた。
これらの課題がある一方で、開発者は依然として、仕事の一環として、あるいは仕事以外で新しい技術を学びたいという意欲を持っている。
回答者の半数以上(52%)が2026年に、新しいコーディングスキルやプログラミング言語を習得している。その手段として、技術ドキュメントを挙げた回答者が58.9%、AIコード生成ツールが52.7%、他のオンラインリソースが51.7%、Stack Overflowが33.8%だった。
技術的な問題に最初に取り組む際には、回答者の83%がオンライン検索を、70%がAIエージェントを利用している。メンテナンスされているリポジトリ(44%)や信頼できる人への照会(29%)も利用されている。
技術を推奨する理由については、回答者の17%が信頼性、パフォーマンス、安定性を、16%が生産性や時間の節約を挙げた。AI機能を挙げた回答者は2%にとどまる。
定番の技術基盤が依然として人気
技術選択については、開発者は慣れ親しんだ技術基盤を利用する傾向が強い。
プログラミング言語やマークアップ言語では、おなじみのWebスタックが依然として主流だ。最も使われるプログラミング/スクリプト/マークアップ言語では、JavaScriptが62%で12年連続のトップとなり、SQLが58.4%、HTMLとCSSが58.3%、Pythonが58.1%で続いた。
データベースでは、PostgreSQLが58%で首位を維持し、SQLite(42%)、MySQL(35%)が続いた。
AIツールとともに使われる言語としては、Python(39%)とJavaScript(38%)が上位を占めた。
AIを用いてソフトウェアを内製していると答えた回答者の大半は、効率化を図るためにカスタムチームツールを開発している。回答者の74%が小規模なスクリプトや自動化ツールを構築し、66%がチーム用のツールに取り組んでおり、54%が顧客向け製品を開発している。ソフトウェアを内製している回答者の19%は、ベンダーの代替を目的としている。
大規模言語モデル(LLM)の現在の利用率では、AnthropicとOpenAIがそれぞれ75%と74%で拮抗(きっこう)している。だが、2027年使いたいLLMでは、Anthropicが49%で、OpenAIの32%を大きく上回った。エージェントの利用でも、Anthropic(45%)がOpenAI(32%)をリードしている。
AIは日常業務の一部に
AIに関する2026年調査の主な結果は、以下の通りだ。
- コーディングアシスタントまたはコーディングエージェントの利用率は66%、汎用(はんよう)チャットツールは63%、自動化されたエージェントワークフローは26.2%だった。AIツールを使っていないと答えた回答者は17.2%にとどまる。
- AIを毎日使う回答者のうち、31%が1日4時間以上、80%が1日1時間以上AIを利用している。
- 開発者が新しいAIツールに乗り換える主な理由は、出力の質が高いこと(25%)や組織からの要請(11%)だ。
- AIの有用性は、コードに近い作業ほど高い。実装に役立つと答えた回答者は74%、デバッグやリファクタリングに役立つと答えた割合も66%だ。一方、チームコミュニケーションや設計といった人間中心のタスクでは評価が下がる(それぞれ45%、50%)。
- AIに対する組織的なガバナンスは、導入レベルに追い付いていない。回答者の30%が職場でのAI利用は任意であり、個人の判断に任されていると答えた一方、所属組織が承認済みツールや公式のAIポリシーを公開していると答えたのは24%にとどまった。
- AIに抵抗感を持つ回答者はその主な理由として、スキルの退化や自分が代替されることへの不安(17%)と、倫理的な懸念(15%)などを挙げた。
AIへの懐疑から「条件付きの信頼」へ
これまでの年次調査では、AIの利用が3年連続で増加する一方、AIの出力に対する信頼は低下するという「信頼のギャップ」が見られた。2026年調査の結果は、より微妙な状況を描き出している。
AIの導入はほぼ飽和点に達し、開発者はAIに適応しつつあるようだ。回答者の半数近くは「AIの作業内容を検証できる場合にはAIを信頼する」と答えた。だが「重要な判断についてAIを信頼する」と答えた回答者は、6.6%にとどまった。また78.7%が、AIの生成したコードや技術的な回答を評価する際は、情報源の明示が「重要」または「非常に重要」だと回答した。
Stack Overflowのプラシャント・チャンドラセカールCEOは、「開発者は一般的に非常に懐疑的であり、AIエージェントの自律性が高まる中、その懐疑心が重要な安全装置として機能している」と指摘する。開発者は透明性、情報源の明示、豊富な技術的コンテキストといった条件がそろって初めて、対象を信頼すると述べている。
2026 Stack Overflow Developer Surveyの結果は、Stack OverflowのWebサイトで全文が公開されている。
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