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Part.1 @IT座談会 Winter/2000



既存勢力 vs 新興勢力

鈴木:さて、本日はお忙しいところお集まりいただき、ありがとうございました。最初の話題ですが、最近、マイクロソフトが新しいフレームワーク「.NET」を発表して、一時期しぼみかけた「Java」がサーバサイドのテクノロジーとして注目を浴び始めるなど、既存勢力 vs 新勢力という構図が面白いですが、これについて、小川さんの感想はいかがですか?

デジタルアドバンテージ 小川誉久(Windows 2000 Insider担当)

小川:.NETが出てきて、Javaも力をつけて……って、逆だと思うんだけど?

鈴木:逆ですか?

小川:Javaはすでに力をつけていて、.NETがそれに対抗していくと……別にいいですけど(笑)

鈴木:.NET戦略は広まりますか?

小川:.NETかJavaかはわかりませんが、ソフトウェアがオンライン上でどこからでも利用可能になっていくのは間違いないでしょう。それを誰がやるかとか、ビジネスでどういう風にやっていくかは、わからないですが……

新野:.NETって、私も深く理解しているわけではないですが、マイクロソフト独自のものではないですよね?

小川:そうですね全然違いますよ

新野:この先、インターネットのサービスを組み合わせて、それをプラットフォームにして、新しいアプリケーションを組みましょうという話じゃないですか。それがなにも、マイクロソフトの製品だけである必要はないですよね。いま、IBMがアリバと組んでいたりするじゃないですか、これでどんどんマイクロソフト色が薄れるのではないかと?

小林:逆に、だからこそ.NETを推進しているのではないでしょうか? 率先して.NETを推進することで、自社の影響力を残そうという……

新野:いままでは、Windowsの上でしか動かないということで影響力を出していたと思うのですよ、その上にOfficeという強力なアプリケーションなどを搭載して。だけど、もうそれではだめだと。APIでの支配力が弱くなり、新しいアーキテクチャを提唱して……というのが.NETだと思います。自ら「火中の栗を拾いに行く」というか、小林さんの言うように、次の10年に向けてアグレッシブに行くと

編集局 新野淳一(XML eXpert eXchange担当)

小林:既存の環境にしがみついているとだめだから、非常に本体に危険が伴うかもしれないけれど、賭けに出ようと

新野:そうなると、やはりマイクロソフトらしいのはC#とか。Javaにいって、Linuxを取り入れるという、オープンな基盤はやっぱり使わなくて。でも、Windowsでいって、言語はC#で、ツールはVisualStudioですよというところが、またマイクロソフトらしいところですよね

小川:というか、マイクロソフトは「Java」を表明してはいけないことになっているのでしょ?

打越:普通のJavaなら、いいんじゃない? マイクロソフトのJavaだからだめだと……

新野:サンと仲良くして、Javaのライセンスを正式にもらえれば問題ないですよね。

打越:勝手にいじるからだめなんだよね(笑)

小林:それは、サンもマイクロソフトもどっちも嫌なんでしょ? サンなんか、権利をとられちゃいそうで(笑)

新野:勝手にいじられなくても、「またマイクロソフトにかき回されるのでは?」と、サンも疑心暗鬼は残るでしょうからね。


マイクロソフトとオープン仕様

新野:いま、インターネット上でお互いを呼び合うようなサービスで、1つのシステムを作ろうというような試みで、いま「SOAP」が注目されているじゃないですか。昨日、IBMの人と話したのですが、SOAPの仕様はまだ固まってないんですよ。IBMもマイクロソフトも、他のメーカーも勝手に中身を書いているんですって

デジタルアドバンテージ 遠藤孝信(Insider.NET担当)

小川:いろいろ標準を決めようとしているんでしょ?

新野:決めようとしているだけで、まだなんですよ。SOAP以外にも同じような規格の標準化が進んでいて、「ebXML」という名前なんですけど。そこはSOAPとは別の団体で、国連の組織であるUN/CEFACT(United Nations Centre for Trade Facilitation and Electronic Business、国連による行政、商業、運輸のための実務と手続き簡易化センター)とOASIS(Organization for Structured Information Standards)の2つが一緒になって作業を進めています

小川:国連というところがね(笑)

小林:中立的でいいんじゃない(笑)

新野:SOAPみたいだけど、SOAPじゃないって言ってますね。このあたりは、まだ一波乱も二波乱もありそうです。

遠藤:そこがSOAPでなかったとしても、ちゃんとその間を解釈できるものであれば問題ないですよね。統一されないで、ベースがXMLだけということも考えられますけど

新野:そこは、技術的な問題というより、政治的な問題でしょうね

打越:マイクロソフトが「.NETをやらない」って選択肢はなかったのかな?

新野:5年後とか考えたとき、パソコンだけでどこまで行けるかですよね。仮にパソコンが滅びて、アプライアンス機器にとって変わられてしまったとしたら、そこでWindowsは動かないし、Officeは動かないわけですから、なんとかシフトしようとして、「サーバにいかなきゃいけない」というのと「インターネットにいかなきゃいけない」というのを考えているのでしょうね

鈴木:ここでみなさんは、将来、パソコンがなくなると思いますか?

デジタルアドバンテージ 打越浩幸(Windows 2000 Insider担当)

新野:マイクロソフトにしてみると、やはり不安を感じているのじゃないかなと

鈴木:パソコンも成長するけど、他の機器の市場も成長して、相対的にパソコンが弱くなるのかな?

新野:僕はパソコンが好きだから、あまり冷静に分析できないんだけどね(笑) いま、この座談会に参加しているようなパソコンに習熟したようなユーザーにとってのパソコンは残ると思うんだけど。たとえば原稿を書くときに、カスタマイズしたFEPとエディタを組み合わせて……というようなことはアプライアンスでは難しいからね。ただ、数としてはそうじゃない人のほうが圧倒的に増えるよね、今後は

打越:パソコンも一般向けの機器をめざしていたんじゃないの?

新野:マイクロソフトとインテルが手を組んでやっていた「EasyPC」とかは、まさにそのアプローチですよね。この努力は、とにかくパソコンを使いやすいものにしようとしていたものだったと思います。ただ、ここ1年くらいでアプライアンスの波がワーッとやってきて、インテル自身もそういう製品をリリースしたと。マイクロソフト側からのアプローチとしては……

小林:Xboxなんかはそうですね

新野:あとはH/PCとかに代表されるようなものとか。とにかく、既存路線を弱めて、本格的にアプライアンス市場をとるようにしないといけなくなってきたと思うんです。パソコンの次のビジネスとして、サーバを推進していく、それが.NETなのでしょうか


“パソコン”はなくなるか?

デジタルアドバンテージ 小林章彦(PC Insider担当)

打越:.NETになったからといって、PCがなくなるわけじゃないでしょ

小林:PC以外の機器との接続性があがるよね

新野:クライアントはWindowsでなくても、Webブラウザさえ積んでればいいわけですね

小林:携帯でもいいし、それこそ家電でもいいわけだし

島田:クライアントとしては、WindowsのようなマイクロソフトのOSが入っていたほうが、よりアドバンテージをもつことになるのじゃないでしょうか? そういう意味で、これまでとビジネスモデルは変わらないのかと

新野:まだそういう印象はあまりないですけどね

小林:みんな、このあたりは疑心暗鬼になっているからね(笑) サーバサイドで儲けるという手段もあるけど

新野:僕としては、「クライアントは自由にしていいですが、サーバにマイクロソフト製品を使えば、より便利なものができますよ」と考えているように思います

打越:たとえば、PCで実行できるからって、すぐにそのアプリがPDAで実現できるものでもないでしょ。それこそ、Webブラウザだけでできるのであれば、なんでもできるというのは違うような気がするけど

新野:PCと携帯で同じことができるか? と言ったら違うでしょうね。携帯には携帯の、PCにはPCなりの使い方があると思います。だから逆に、PCのブラウザではできないことが携帯のブラウザでできるかもしれないし、クライアントが別の市場を作っていくことになると思います


大健闘したAMDとCrusoe

新野:.NETがらみの話が長くなったので、とりえず、クライアントの話いきましょうか?

小林:クライアントってPCのこと? Crusoeの話とか? 地道にいくと思いますよ(笑)

新野:今年、AMDがすごい頑張ってたじゃないですか

小林:今年頑張ったというのは間違った見方で、3年前くらいからK6で頑張って、K5の悪い印象を払拭して、少しずつ顧客をつけはじめて……といった種まきが、Athlonで実ったのだと思います

小川:じゃ、NexGenも貢献したってこと?(笑)

デジタルアドバンテージ 島田広道(PC Insider担当)

島田:NexGenがなければ、いまごろAMDは潰れていたでしょ

小川:(AMDのNexGen買収を援助した)西和彦氏の仕事が実ったと(笑)

新野:Crusoeの登場は、AMDのx86互換CPUビジネスで生き残っていけるという追い風を受けた印象があります

小林:というか、Crusoeの登場は遅かったですよね。3年前、CPUの互換ビジネスが活況を呈して、Cyrixもそうですし、あとはRiseなどがスタートアップしたのもこの頃だったと思います。取り組んでいる会社だけで10社近くあったはずです。そこが花開かなかったり、投資が続かなかったりして、どんどん倒産していって、その中でTransmetaは運良く生き残ったというか(笑) Transmetaの社長はSPARCの設計で実績がありましたし、うまく投資家をつけられたということもあり、花開けたのでしょうね

小川:あのインテルの「Intel Inside」のブランド戦略は失敗だったの?

小林:いや、成功しているでしょう。普通の人はまず、インテルCPUを選ぶことが多いよね

島田:Crusoeが健闘したのは、インテルの弱かった部分を突いたからだと思います

小川:ブランド戦略って、特に理由はないけど「〜だからいいね」って選ぶものでしょ? ちょっと違わない?

中澤:専門雑誌読む人なんかはCrusoeを選ぶかもしれないですけど、全然関係ない人たちは、「PentiumIII」とか言ってますよ。PCのことに詳しくないのに「Pentium」という名前は知ってたりするし

編集局 中澤 勇(Linux Square担当)

島田:秋葉原なんかではAMDの人気が高いですけどね

小林:Athlonではオーバークロックできるような仕組みを用意しているからね。マニア受けというか(笑) これもAMDらしい戦略というか。大手のPCベンダーでは、ビジネス向けのマシンではAMDのラインはなく、コンシューマのハイエンドモデルなどにもってきていたりする。マニアの指名買いを受けるようなところを狙っている

島田:今年、PentiumIIIやCeleronの出荷個数が少なくて、NECみたいな大量にマシンを生産しているところでは、ビジネス向けにもAMDを採用していたりしますね

小川:ここでAMDが来年以降もがんばるためには、なにが必要なの?

小林:やはり価格と性能ですね。雑誌なんかのベンチマークで紹介されて、「AMDのほうが速い」というメッセージを出せるようであれば、成功できると思います。

島田:ビジネス向けはインテルががっちり押さえているので、そういう意味ではAMDは成功していないのかもしれません

小林:ワールドワイドでの2000年のAMDのシェアは2割くらいでしょうか

小川:じゃ、全世界のPCユーザーの2割はマニアだと(笑)

小林:いや、(低価格PC向けの)K6が含まれているから。日本で見るとそれほど割合は大きくないけれど、ワールドワイドではK6の台数がかなり出ていますからね


2001年のAMDはどうなる?

新野:1GHzマシンとか登場していますけど、いい性能のマシンが出たからって、みんなが飛びつくような状況じゃないじゃないですか。今年は、AMDにとって、1GHz超えという命題がありましたけど、来年以降、1.5GHzとか2GHzが出ても大きなインパクトはないですよね。そういった意味で、来年はAMDにとってチャレンジの年かと

小林:来年はDuronがどれだけ頑張れるかでしょうね。来年になると、グラフィックをインテグレートしたAthlon用のチップセットが出るので、それとDuronを組み合わせてCeleron+i81xに比べてどれだけ安く出せるかというところがポイントだと思います

新野:PCサーバはどうですか? いまだとインテルの独壇場じゃないですか

小林:Athlonの次のバージョンからは、サーバ向けのものが用意される予定です

島田:あとは信頼性の問題ですね

小林:PCサーバって、マザーボード込みで信頼性を求められるじゃないですか。そういった意味でまだメーカーからの信頼性が薄いのではないでしょうか。インテルもサーバでの採用が増えてきたのはここ数年でしょ? やはり地道な努力が必要かと

鈴木:これから伸びていくデータセンター向けの市場をとれると大きいですね

小林:そういう意味では、性能より実績のほうが優先されるでしょうね

新野:そういえば、僕なんかは、もうデスクトップPCを買う気はなくて、ノートPC派なんですが、来年になると嬉しいこととかありますか?

打越:Pentium4がノートに載ってくるとか?

島田:Pentium4はまだまだ難しいでしょうね

小林:AMDもAthlonのノートPC版が登場しますが、消費電力の問題とかあって苦労するのではないでしょうか? あとは価格ですかね。液晶パネルの値段が下がって、10万円以下でノートPCが買えるようになるかもしれません


「IT革命」ってなにを“革命”するの?

小林:みんなは「IT革命」を聞いてどう思っていますか? いったい、IT革命で革命されるのはなんなのかな? とか

新野:考えてみたんですが、1つは通信の革命。もう倒産してしてしまいましたけど、全世界規模のネットワークとしてイリジウムがありましたよね。当時、高校生だったときにその話を聞いて、純粋にすごいなと思っていました。ただイリジウムの場合は、インフラをもっているのが1つの企業で、そこが潰れたら終わり。インターネットの場合は違って、どこかの会社が所有しているものではないですよね。だから1つ会社が潰れたくらいでは問題ない。これが、これまでの通信に比べて革命的なところだと思います

打越:イリジウムはただの電話だとしか思ってなかったけど(笑)

新野:そう、これまではただの電話、ただの郵便、ただの電波だったわけですよ。インターネットは、世界ではじめての共有インフラになったと思うのです。コストと規模において、インターネットは革命的だなと

編集局 鈴木淳也(Master of Network担当)

新野:先ほどの2つめですが、距離の垣根を越えたこと。これまでは、例えば北海道で品物が安いからって、わざわざ東京から買いに行くことはほとんどないですよね。インターネットであれば、その制限を受けません。いままでは地元の商圏だけで戦っていたのが、劇的に広がるわけですよね。競争も激しくなりますが、チャンスもやってくる。これがインターネットのすごいところだと思います

小川:インターネットって、フラットじゃないですか。お金持ちでも貧乏でも、みんながアクセスできる。だけど、いつまでもこの状態が続くかはわからないですよね。例えば、ゴールドカードってありますよね、ある一定以上の収入がないと加入できない。これをネットに当てはめると、高いお金が必要だけれども、そこのコミュニティは非常に上品で、ハックなんかの危険も少ない世界が用意されると

島田:みんなが接続できるかと思ってたら、いつのまにか階層化が行われているとか

新野:そういうことはないような気がします。“デジタルデバイド”とかって、話題になっているじゃないですか。少なくとも、ここ5年くらいはそんな心配は必要ないような

小林:その次ですよ。みんながネットにアクセスできるようになれば、当然、ノイズも増えてくる。だから、その一歩先を行こうと、より上品なネットワークを求めるようになると。Webページのパーソナライズとかも、そのはしりかもしれないですよ。より上品な人を選別するとか

打越:ハイソなネットワーク?(笑)

小林:同じサイトなのに、人によって見ている画面が違う。だから、究極的には、上品版@ITと有象無象@ITが用意されているとか。コンテンツの書き方も上品になっていてね(笑)


ブロードバンドインフラはどうなる?

鈴木:FTTH(Fiber to the Home)とかはどうでしょう?

小林:家の近くまで光ファイバが来るのはいいけど、最後は誰が引き込んでくれるの? NTTがタダでやってくれるのかなぁ(座談会後にNTT東西より、FTTHの試験サービスを開始したとのリリースが発表されました。詳細は「光ファイバ通信、本格化の兆し」を参照)

打越:電話の基本料金が高かったらちょっとねぇ

新野:FTTHって、速い回線を引くんだったら光ファイバ……という時代の発想のモノだと思うんですよね。今だったら、銅線でも早い通信(xDSL)があるわけだし、電波だってある。途中まで速い回線があるんだったら、ラスト・ワンマイルはどれかを選べれば……というのがいいと思います

打越:どれか1つを選べだったら、光ファイバなんじゃないの?

新野:どれか1つ……という時代ではないんじゃないかな?

小川:銅線だと、どうしても物理的な限界があるんだよね?

島田:実験レベルでは、ADSLの技術の延長で、10Mbps以上の速度も出せていると聞きますけど

打越:光ファイバなら、終端装置を換えればいくらでも速度を上げられるけどね。問題はコストかな

鈴木:移動状態で384kbps、静止状態で最大2Mbpsでのデータ通信が可能というIMT-2000はどうですかね。もうすぐ、Java搭載の端末も登場しますし

寄稿編集者 宮下知起(Java Solution担当)

宮下:Java搭載の携帯向けでは、機種ごとに違うアプリケーションを作らなければいけないんですよ

島田:Javaだけど機種依存のコードなんですね

宮下:JavaVMの実装がメーカーごとに違うので、同じように動いてくれないらしいんですよ。一応共通仕様はあるけれども、メーカーごとに別々にVMを作っているので、同じように動作しない

新野:携帯にJavaが入って喜んでいるのって、エンジニアだけのような気がしません? いま携帯を買って使っているだけの若い世代の人とかは、そのあたりは気にしないでしょう

中澤:というか、Java自体を知らないでしょう(笑)

小林:Javaでできることのメリットもわからないしね

宮下:キャリア側としては、もっとインタラクティブなコンテンツを増やして、データ通信料を増やしましょうというのが狙いでしょう

新野:携帯も来年あたりになると、さらに画面が大きくなるかもしれないですね

小林:でも、ホームファクターの限界があるからなぁ

鈴木:Bluetoothで携帯部分と液晶部分を分けるとかはどうでしょう?

小林:かえって使いにくいでしょう(笑) 大きくて持ち歩きにくいだろうし。そうなると、Javaを携帯端末自体に搭載するメリットも薄れますよね。一種のモデムとしての役割だけになるだろうし


2001年のIT業界はどうなる?

鈴木:これから2001年に流行りそうなものとかって思いつきます?

小林:Xboxとか?

新野:本当に出るの?(笑)

打越:2001年末だっけ

新野:あとは、テレビ録画できるパソコンとか。XMLフォーラムでも原稿を書いている、川俣さんが絶賛していた。あとは日本ではあまりブレイクしなかったけど、Napsterとか

島田:日本で流行らなかったのは、常時接続環境がなかったからでしょうね。でも、フレッツ・ISDNの帯域だとパンクしそう

打越:2000年は、ケーブルやADSLなど、広帯域な常時接続環境のはしりだったよね

島田:あとは日本語ドメインとか。いろいろ混乱が起きそうですけど

新野:ITベンチャーがばたばた倒産するとか……

中澤:では率先して弊社が……?(笑)

新野:まぁ、弊社は例外としておいて(笑) 1998年の終わりぐらいから、2000年初頭ぐらいまで投資ラッシュがあったはずだけど、会社によってはそろそろ資本金を食いつぶして、業態変換を迫られるか、倒産するしかなくなるところも登場してくるでしょうね。大問題になったMTCIとか

荒木(IT Business Review担当):いま、ITベンチャーはビジネスモデル的には横並びでやっているところも、来年あたりから、大企業が大資本をつぎ込んでITベンチャーと同じような会社を興して事業を展開していくようになるでしょうね。そうなると、資本面でベンチャーはつらいですから、いかにマーケティングを駆使して、PRやブランド戦略を展開できるか? などによって勝ち負けが決まってくるかなと

新野:一般的なユーザーって、10も15もサイトはまわらなくて、せいぜい4つか5つくらいですよね。だから、顧客を囲い込めることはメリットがあるしね





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Contents
【2000年 年末企画】
  年末企画 Index
Part.1 @IT座談会 Winter/2000
MS.NET、Java、インテル、Crusoe、FTTHなどなど、
@IT編集メンバーによる2000年を振り返る座談会
  Part.2 ランキングで振り返る2000年の@IT
5月22日〜12月10日までの、約半年間におよぶ
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