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CRMパッケージ市場、SAP躍進するもシェアNo.1はシーベル
矢野経済研究所は、2001年度の国内CRMパッケージベンダに対する実態調査の結果を発表した。調査はCRM/CTベンダに面接取材などによって2002年4月〜6月に行われた。
2001年度の国内のCRMパッケージ関連市場の規模は、対前年度比で73.6%増の159億2300万円だった。2002年度の見込みは、SAPジャパンや日本オラクルなどのエンタープライズアプリケーション系ベンダなど後発市場参入組みの健闘が見られるものの、景気低迷とCRMベンダ同士の合併によるサポート面の不安、CRMの効果への懸念などが課題となり、伸びはいったん鈍化傾向となり、14.6%増の182億5000万円。その後の予測はやや持ち直すものの、17%程度の伸び率で2001年度のような驚異的な伸びは期待できないと見ているようだ。
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| 国内CRMパッケージ関連売上高 [矢野経済研究所]
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ベンダごとのシェアを見てみると、日本シーベルが34.5%でトップを維持。続いて新規参入のSAPジャパンが20.1%で2位に入り、日本ピープルソフト(旧Vantive)は15.7%で3位に後退するという結果になった。
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| 2001年度国内CRMパッケージ関連売上高ベンダシェア [矢野経済研究所]
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CRMパッケージの売上高をモジュール別に見ると、「SFA/営業支援」が59億2000万円で一番多い。次いで「顧客サポート」が42億9500万円、マーケティングが22億800万円の順。矢野経済研究所では、今後はマーケティング系の成長が期待できるとする。
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| 2001年度CRMパッケージモジュール別関連売上高 [矢野経済研究所]
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同じく売上高を導入企業の業種別に見ると、「製造業向け」が59億8800円、「サービス業向け」が28億7900万円、「金融業向け」が25億7100万円など。今後は「ハイテク」「通信」「医療」向けの需要獲得が期待できるとしている。
矢野経済研究所では、2003年以降の成長のカギとして、「マルチチャネル化の進行」「帰還システムなどとの連携強化」「SFA/CTIからアナリティカル/マーケティングへの移行」を挙げる。さらに将来的にはCRM、ERP、SCM、BtoBアプリケーションなどの融合が予測されるとしていることから、今後もCRM分野で総合力を持つエンタープライズアプリケーション系ベンダの優位は継続しそうだ。それは同時にCRM専業ベンダに、他分野のパッケージベンダとの連携や合併・買収などを動機付けることを意味するものとなりそうだ。
国内CRMパッケージ関連市場の調査
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