第3回 SQL4GでGAE+Railsを体験しよう
萩原 巧
リトルソフト株式会社
中越 智哉
株式会社ナレッジエックス
2010/2/23
Web アプリケーション開発者にとって、魅力的な環境に映るGoogle App Engineだが、データの永続化などで落とし穴が存在する。これまでの開発手法を変えずに使えないだろうか(編集部)
第2回「SQL4GでGAE+PHPを体験しよう」では、SQL4Gを使って、Google App Engine(GAE)環境上で、PHPアプリケーションを動作させるまでを解説しました。
今回は、GAE上でRailsを使用して、リレーショナルデータベースを活用するアプリケーションを構築するための環境を準備します。
大まかな手順は以下のとおりです。
- GAE+Rails+リレーショナルデータベースの開発環境の設定
- 簡単なスクリプトをRalisで作成し、動作確認
GAE+Rails環境のセットアップ
GAE+Rails+リレーショナルデータベース環境の設定手順を説明します。Railsでの環境設定は基本的にコマンドベースになります。
本稿では、GAE+Railsの環境設定をUbuntu 9.10で行いますが、WindowsでもCygwinなどを導入することにより、同様の環境を構築できるはずです。
まず、JRubyをインストールしますが、これはJava VM上で動作するため、Java SE 6が必要となります。事前にJava SE 6をインストールしてください。また、セットアップに必要な一部のスクリプトがJRubyで動作しないため、ノーマルのRuby環境もインストールします。
次に、JRubyのアーカイブ(jruby-bin-1.4.0.tar.gz)をダウンロードし、適当なディレクトリで展開します。
例えば、ユーザーのホームディレクトリ直下に展開する場合、
$ cd $ tar zxvf jruby-bin-1.4.0.tar.gz
と、コマンドを実行します。
JRubyの実行ファイルに対して、実行パスを設定しておきます。Ubuntuの場合、~/.bashrcに以下のような記述を追加します。
export PATH=$PATH:$HOME/jruby-1.4.0/bin
設定の反映は、以下のコマンドを実行します。
$ source ~/.bashrc
では、JRubyの起動を確認しましょう。
$ jruby -v
以下のように表示されれば起動は成功です。
jruby 1.4.0 (ruby 1.8.7 patchlevel 174) (2009-11-02 69fbfa3) (Java HotSpot(TM) Client VM 1.6.0_16) [i386-java]
続いて、今回の環境に必要な、以下のgemをインストールします。バージョンが変わると動作が変わってしまう可能性があるため、今回は「-v」オプションでバージョンを指定してインストールしています。
- Ruby on Rails (2.3.5)
- google-appengine (0.0.9)
- activerecord-jdbch2-adapter (0.9.2)
$ jruby -S gem install rails -v 2.3.5
$ sudo gem install google-appengine -v 0.0.9
google-appengineのインストールを行うコマンドのオプション指定に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
誤:$ jruby -S gem install google-appengine -v 0.0.9
正:$ sudo gem install google-appengine -v 0.0.9
$ jruby -S gem install activerecord-jdbch2-adapter -v 0.9.2
上記のコマンド例にあるように、JRubyでは基本的に各種コマンドの実行は「jruby -S」に続けて行います。こうすることで、CRuby(オリジナルのRuby実行環境)と区別して実行できます。
簡単なRailsスクリプトを作成しよう
簡単なサンプルアプリケーションを作成して、JRuby+SQL4Gの動作確認をしましょう。デプロイ用のGAEアカウントの取得方法はPHP編と同様です。
まず、通常のRailsアプリケーションと同様に、railsコマンドでアプリケーション用のディレクトリ構造を作成します。
$ jruby -S rails sql4gtest
続いて、動作確認用の簡単なModel/Controllerクラスを作成します。ここではno(社員番号)、name(氏名)、dept(部署)というカラムを持つemployeeテーブルに対するModelクラスと、それを操作するためのControllerクラスを作成します。
$ cd sql4gtest $ jruby script/generate controller Sample
$ jruby script/generate model Employee
生成されたファイルのうち、app/controllers/sample_controller.rbを、次のように編集します。このコントローラは、SQL4Gに対してテーブルとデータを設定します。
require 'java' class CreateEmployees < ActiveRecord::Migration def self.up execute <<-"EOF" create table employees ( id integer not null default 0 auto_increment primary key, no integer, name varchar(255), dept varchar(255), created_at timestamp, updated_at timestamp ) EOF end end class SampleController < ApplicationController def index @employees = Employee.all respond_to do |format| format.html # index.html.erb format.xml { render :xml => @employees } end end def up CreateEmployees.up Employee.create(:no=>1,:name=>"ながお",:dept=>"開発部") Employee.create(:no=>2,:name=>"はぎわら",:dept=>"技術部") Employee.create(:no=>3,:name=>"なかごし",:dept=>"教育部") redirect_to :action=>:index end end
さらに、app/views/sample/index.html.erbというファイルを作成します。
<html> <body> <h1>Listing employees</h1> <table> <tr> <th>No</th> <th>Name</th> <th>Dept</th> </tr> <% @employees.each do |employee| %> <tr> <td><%=h employee.no %></td> <td><%=h employee.name %></td> <td><%=h employee.dept %></td> </tr> <% end %> </table> </body> </html>
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Index | |
SQL4GでGAE+Railsを体験しよう | |
Page1 GAE+Rails環境のセットアップ 簡単なRailsスクリプトを作成しよう |
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Page2 サンプルアプリケーションをGAE+SQL4Gに対応させよう environment.rbを書き換える database.ymlを書き換える Gemfileに設定を追加 SQL4G/データベースアクセス関連ライブラリの配置 jruby-rackライブラリのアップデート |
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Page3 ローカル環境での動作確認 GAE上へのデプロイ |
GAE+PHP/Rubyで拓く新世界 |
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