grokprojectでアプリケーション開発環境をセットアップ
上で構築したPython環境のディレクトリに移動して、grokprojectコマンドを使い、Grokの開発環境を作ります。ここでは試しに作成するプロジェクト名をSampleとします。
$ cd Zope3 |
コマンドを実行すると、いくつか質問が出ます。1つ目は自分のアプリケーション用のPythonモジュールのひな型の名前を聞かれますので、デフォルトのapp.pyのままにしておきます。このファイルにはアプリケーションのエントリーポイントになるクラスが定義されます。Enterキーを押して次に進みます。
Enter module (Name of a demo Python module placed into the package) ['app.py']: |
次にZope 3の管理者パスワードを設定します。ここではユーザー名とパスワードの両方をzopeとします。実際に使うときには適当なパスワードを設定してください。ここで設定したユーザー名とパスワードは後でWebブラウザを使って管理画面にアクセスするときに使います。
Enter user (Name of an initial administrator user): zope |
次は、zc.buildoutというアプリケーションの環境構築用プログラムがダウンロードする各種eggファイルを保存するディレクトリを指定します。zc.buildoutは同じeggファイルが必要になったときには再度ダウンロードせずに、このディレクトリの中にあるファイルを利用します。この設定はデフォルトのままで構いません。Enterキーを押して次に進んでください。
Enter eggs_dir (Location where zc.buildout will look for and place packages) ['/home/user/buildout-eggs']: |
この後、約100個のZope 3関連パッケージ(各種コンポーネント)がzc.buildoutとeasy_installによってネットワーク経由でインストールされます。
サーバの起動と終了
grokprojectのセットアップが完了すると、Sampleディレクトリが作られています。まだ空っぽのアプリケーションですが、これを起動して、WebブラウザでWebページを表示することができます。Sampleディレクトリに移動して、サーバを起動しましょう。
$ cd Sample |
これでコンソールには8080番ポートを使ってサーバが起動したというメッセージが表示されます。Webブラウザで以下のURLにアクセスしてください。
http://localhost:8080/
このとき、Webブラウザの認証が求められますので、上で設定したユーザー名とパスワードを入力してください。
管理画面には、Installed applicationsとAdd applicationの2つの項目があります。まだ1つもアプリケーションを追加していないので、Installed applicationsの欄は空です。
試しにアプリケーションを追加してみましょう。grokprojectが生成したアプリケーションのひな型のクラス(sample.app.Sample)があるので、これを追加してみましょう。
Add Applicationの入力欄にtestと入力してCreateボタンをクリックしてください。すると、Installed applicationsの項目にいま追加したtest(Sample)が表示されます。test(Sample)のリンクをクリックしてアプリケーションを表示してみましょう。
すると、Webブラウザには次のメッセージが表示されます。
Congratulations! |
これがgrokprojectの生成したひな型を処理した結果です。
サーバを停止するには、起動したコンソールでキーボードからControl-cを入力するか、Webブラウザでアクセスした管理画面のServer Controlのリンク先にあるStop Zope 3ボタンをクリックしてください。
次回は、実際にソースコードをいじりながら、アプリケーションがどのように作られているか確認していきましょう。
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Index | |
Zope 3の魅力に迫る | |
Page1 Zopeフレームワークの変遷 ほかのソフトウェアと何が違うのか? Zope 3の魅力に迫る |
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Page2 GrokでZope 3を使う Zope 3/Grokの環境設定とインストール |
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Page3 grokprojectでアプリケーション開発環境をセットアップ サーバの起動と終了 |
Zope 3とは何ぞや? |
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