Database Watch 2008年8月版
Webシステムを視野に入れた
SQL Server 2008の新しい波を乗りこなせ!
加山恵美
2008/7/22
DBAは管理者からアーキテクトへ――オラクルユニバーシティ
次に、オラクルとエンジニアの関係へと視点を移します。オラクルもエンジニアの育成に力が入っています。オラクルユニバーシティは7月22日にエンジニア育成に向けた取り組みを発表しました。
まずは2008年度の実績から。
オラクルユニバーシティでは研修コースタイトル数および研究コース受験者数(単年)が前年度比およそ1.5倍へと増え、エンジニアの人材育成を大きく後押ししました。また、オラクルの技術者認定制度である「ORACLE MASTER」の資格保有者数は2008年度末で累積が約18万3000人となり、もしかしたら今年度には20万人に到達するかもしれません。
2009年度は2008年度に築いた基盤を基にさらなる飛躍を狙います。柱は3つです。
1:エッジ(先進的)アプリケーションへの人材育成促進
「Agile」(アジャイル)、「Demantra」(デマントラ)、「Hyperion」(ハイペリオン)などの製品に対応した研修メニューが拡充されます。2:SOAを中核にフルスタックでの研修を提供
データベースなどのインフラ領域からビジネスアプリケーションまでの統合的な研修の提供。例えば、「SOAアプリケーション連携 −EBAを例にした実装−(4日間)」のようなメニューです。3:DBAの価値と変革
データベース管理者(DBA)のスキルを拡張し、DBAのキャリアや可能性を広げる取り組みを行います。
特に、最後のDBAについてはデータベースエンジニアの皆さんにとって興味深いところではないでしょうか。これまでDBAとはDB Administrator(管理者)を表していました。しかし、オラクルは「DBAは運用保守の一部を担うだけの存在ではなく、近年ではより幅広い場面で活躍が期待されている」と考えています。
もともとシステムにおいてデータは重要な要素となりますから、データベースの製品知識からスキルを展開していけばキャリアの幅もおのずと広げることができるでしょう。データベース管理者がデータモデリングやデータ設計といったスキルを広げていけば、データベースのアーキテクトへとステップアップすることができるかもしれません。
同じDBAでもDB AdministratorからDB Architectへと飛躍できるというのです。オラクルはDB ArchitectとなったDBAを「DBA 2.0」と呼び、目指す人物像を掲げて「2009年度はDBA 2.0元年、およびSOA Architect元年」と話していました。
少し余談ですが、7月から「Oracle Japan News Portal」が開設されました。これはオラクル広報の公式ブログと考えていいでしょう。オラクルから発表される内容が掲載されるだけではなく、記者会見で話した内容を要約したものを動画で提供しています。動画はYouTubeに投稿したものを使っています。@IT NewsInsightでも取り上げられたので(下図)、記憶にある方も多いのではないでしょうか。
MySQL 5.1、最終RC版リリース
最後は「LAMP」のM、MySQLについてのニュースです。MySQLは7月15日にMySQL 5.1.26-rcをリリースしました。
RC(Release Candidate:リリース候補版)としては3本目ですが、これが最後のRC版とされています。次はいよいよ正式版となる予定だそうです。ということは、あとはカウントダウン状態でしょうか。楽しみですね。
◆◆◆
ではまた来月、お会いしましょう。
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