NoSQLにXML、意外に面白いRDBMS“以外”
2010/4/14
データベースの新世代を築くか、NoSQL
新しいデータベース群にも触れておかなくてはなりません。近年、これまでの概念を超えるデータベースが次々と生まれ、台頭してきています。それぞれ特徴が分かれており、定義することは難しいのですが、キーワードに「NoSQL」や「KVS」があります。
分散Key-Valueストアの本命「Bigtable」(@IT Java Solution)
http://www.atmarkit.co.jp/fjava/index/index_bigtable.html
データ量やアクセス数の多い大規模Webサイトを想定し、Web全体を1つの大きなシステムとしてとらえるような発想の基で、新しくデータベースシステムを作ろうとしているような印象を受けます。
イメージとしては「これまでのテーブル構造やSQLにとらわれずKVS(Key-Value Store)で行こう」という、“発想の転換”があるようです。主導しているメンバーにアカデミック系など20代が並んでいるのも特徴的です(逆にいうと、従来のデータベースにはベテランエンジニアが多い印象があります)。データベース業界の世代交代ともいえるのかもしれません。
具体的に挙げるとたくさんあります。例えば分散データストアで代表的なのがレプリケーション機能を備えたkumofs、楽天が独自開発したPtoPアーキテクチャのROMAなどです。これらは高いスケーラビリティを目指しています。どちらも比較的最近オープンソースとして公開されたばかりです。
kumofs
http://github.com/etolabo/kumofs
ROMA(Rakuten On-Memory Architecture)
http://code.google.com/p/roma-prj/wiki/Index_ja
またAmazonのDynamo、GoogleのBigTable、これらを合わせたApache Cassandraの動向も気になるところです。
文書の格納を想定したドキュメント指向データベースとして挙げられるのがCouchDBやMongoDBです。CouchDBはRESTful HTTP/JSON API 経由でアクセス可能なデータベースで、詳しくは連載「ゆったリラックス! CouchDBがあるところ」をご覧ください。MongoDBについては「MongoDBを今日から始めるためのドキュメント」など、中野正智さんのブログが充実しています。
CouchDB
http://oss.infoscience.co.jp/couchdb/main/index.html
MongoDB
http://www.mongodb.org/display/DOCS/Home
これ以外にも、「NoSQL」と呼ばれる仕組みまだまだあります。どれもリレーショナルデータベースの限界を打破しようという点では共通していますが、機能や構成は多種多様です。今年、この分野はめざましく進化を遂げてくれそうな気がしますので、何とか動向を追っていこうと思います。
最後にMyNA(日本MySQLユーザ会)のイベントを紹介します。昨年からMyNAはオフラインでのミーティングを定期的に開催しており、親睦を深めています。
ではまた来月、お会いしましょう。過去記事もどうぞ!
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