NoSQLにXML、意外に面白いRDBMS“以外”
2010/4/14
さよなら、ディスクI/O?! インメモリDBの登場
まずはインメモリデータベース。一般的にデータベースシステムはデータをディスクに記録します。必要なデータをディスクからメモリに読み込み、処理を終えたらまたディスクに書き込むということを繰り返します。そのため、ディスクのI/Oが発生します。どんなに高速のディスクでも、ここで多少の負荷や時間がかかってしまいます。
これをメモリ上ですべて処理しまおうというのが、「インメモリデータベース」です。ディスクのI/Oが発生しないので、高速な処理が期待できます。組み込み系やRDBMSのキャッシュとして使われます。
●Oracle TimesTen In-Memory Database
/In-Memory Database Cache
どちらも元となる製品は同じですが、Oracle Databaseと組み合わせる場合はIn-Memory Database Cache、違うデータベースとではOracle TimesTen In-Memory Databaseを使います。
Oracle TimesTen In-Memory Database
http://www.oracle.com/lang/jp/database/timesten.html
In-Memory Database Cache
http://www.oracle.com/lang/jp/database/in-memory-database-cache.html
●IBM solidDB
IBMのインメモリデータベースはIBM solidDBです。こちらも同じくリレーショナルデータベースのキャッシュとして用いて、処理の高速化を実現します。単体でも利用できます。
●Karearea
セックからはインメモリXMLデータベースが提供されています。インメモリデータベースなので超高速が特徴なのはいうまでもありません。ただし上記2つとはやや異なり、扱うデータがXMLなのでXMLデータベースの側面も持ち合わせています。
XMLをそのまま格納するデータベース
次はXMLデータベースです。先にKareareaでXMLデータベースの仲間を紹介してしまいましたが、これから紹介するのはディスクベースのXMLデータベースです。
一般的にデータベースというとリレーショナルデータベースを指しますが、そこではデータはテーブル構造をしています。一方、XMLデータはツリー構造をしています。データの構造がそもそも違うのですね。近年リレーショナルデータベースでもXMLデータを扱えるようになっていますが、XMLデータベースはその名の通り、XMLデータに特化したデータベースとなっています。
XMLデータベースとはどんなものか知りたいなら、2種類のXMLデータベース製品を提供しているサイバーテックのサイトが役に立ちます。同社はNeoCoreXMSとCyberLUXEONを提供しています。前者はXMLデータベース市場で長年トップシェアを独走中の人気製品で、手軽に使えて検索が速いのが特徴です。後者はXMLデータベースとして最も歴史が長く、細かいチューニングが可能で玄人向け、更新に強いのが特徴です。
NeoCoreXMS
http://www.cybertech.co.jp/xml/xmldb/neocorexms/
CyberLUXEON
http://www.cybertech.co.jp/xml/xmldb/luxeon/
ほかにもテラバイト級のデータを扱うXMLデータベースとして、メディアフュージョンのEsTerraと、東芝ソリューションのTX1があります。EsTerraは学術機関での実績が多く、Office製品との連携に力を入れています。TX1は数十テラという大規模データにおいても高い検索性能を誇っています。
EsTerra XML Storage Server
http://www.mediafusion.co.jp/XSS/xss.html
TX1
http://www.toshiba-sol.co.jp/pro/xml/
新顔となるのが富士ソフトのMISSIONです。こちらはXMLデータベースですが、組み込み機器に強いのが特徴です。
ほかにもオープンソースのXMLデータベースならeXistやdbXMLなどがあります。またEsTerraの元になったYggdrasillもオープンソース化されています。
1/2 |
Index | |
NoSQLにXML、意外に面白いRDBMS“以外” | |
Page 1 さよなら、ディスクI/O?! インメモリDBの登場 XMLをそのまま格納するデータベース |
|
Page 2 データベースの新世代を築くか、NoSQL |
- Oracleライセンス「SE2」検証 CPUスレッド数制限はどんな仕組みで制御されるのか (2017/7/26)
データベース管理システムの運用でトラブルが発生したらどうするか。DBサポートスペシャリストが現場目線の解決Tipsをお届けします。今回は、Oracle SE2の「CPUスレッド数制限」がどんな仕組みで行われるのかを検証します - ドメイン参加後、SQL Serverが起動しなくなった (2017/7/24)
本連載では、「SQL Server」で発生するトラブルを「どんな方法で」「どのように」解決していくか、正しい対処のためのノウハウを紹介します。今回は、「ドメイン参加後にSQL Serverが起動しなくなった場合の対処方法」を解説します - さらに高度なSQL実行計画の取得」のために理解しておくべきこと (2017/7/21)
日本オラクルのデータベーススペシャリストが「DBAがすぐ実践できる即効テクニック」を紹介する本連載。今回は「より高度なSQL実行計画を取得するために、理解しておいてほしいこと」を解説します - データベースセキュリティが「各種ガイドライン」に記載され始めている事実 (2017/7/20)
本連載では、「データベースセキュリティに必要な対策」を学び、DBMSでの「具体的な実装方法」や「Tips」などを紹介していきます。今回は、「各種ガイドラインが示すコンプライアンス要件に、データベースのセキュリティはどのように記載されているのか」を解説します
|
|