まだまだ広がる“SQL”の世界
2010/5/20
Firebirdはもうすぐ2.5をリリース
オープンソースデータベースのFirebirdがそろそろ新バージョン2.5をリリースします。新バージョン登場を前にFirebirdでは「MindTheBird!」という特別サイトを用意して盛り上がっています。日本版は「MindTheBird!JP」です。
あらためて振り返ると、ボーランドの商用データベース「InterBase6.0」オープンソース版が登場したのが2000年7月。これが名前を変えてFirebirdとなったので、今年はFirebird誕生10年という節目の年になります。
最初はビルドすらできない状態のオープンソース版をコミュニティで整備し、Firebird 1.0としてリリースできたのが2002年3月。ところが翌年の2003年にちょっとした事件が勃発します。Mozillaプロジェクトのブラウザが「Phoenix」から「Firebird」と改名し、名称が重複してしまいました。一時は険悪な雰囲気になったそうですが、最終的にはMozilla側が「Firefox」と改称し、一件落着。苦難続きですが、ブラジルなどを中心に熱烈な支持をうけながら開発を進めてきています。
さてFirebird 2.5ですが、大きな特徴としては新しいエンジンアーキテクチャが追加になることです。現時点ではSuper Server、Classic Server、Embeddedという3種類のアーキテクチャがあります。これらの違いはプロセスとスレッドの扱いです。追加になるのはSuper Classicというアーキテクチャで、クライアントごとにスレッドを生成する点ではSuper Serverと同じですがキャッシュがSuper Serverのように単一プロセスではなく各スレッドごとになるところが違います。
ほかにも2.5ではSQL機能の追加やパフォーマンスの改善があります。64ビット版ではDBキャッシュが32TBまで拡張するなど、けっこうパワフルになりそうです。Firebirdは地味なイメージがありますが、意外と組み込み系などで採用されているそうです。シンプルで確実に動くところが根強い人気の秘密のようです。
ついでですが、Firebirdのライトニングトークは必見です。ライトニングトークとはオープンソース系イベントでは恒例となる、短時間で自己アピールするものです。FirebirdはブラウザのFirefox、メーラのThunderbird、果ては昔のJALマークまで持ち出し、「よく間違えられますが、Firebirdはデータベースです!ブラウザでもメーラでもありません!」と主張します。「目立たない、間違えられやすい」という点を逆手にとった爆笑必至のライトニングトークです。ぜひ一度は見ておくことをおすすめします。
Yet another OSS DB:Firebird(1)
Firebirdのアーキテクチャと特性、歴史
http://www.atmarkit.co.jp/fdb/rensai/08_firebird/firebird01.html
Oracleでアイアンマンが当たる?
5月18日にオラクルはOracle Database 11g Release2のWindows版をリリースしました。リリース記念に試用版DVDを先着1万1000人に、また抽選でブルーレイプレーヤー内蔵デジタルテレビと「アイアンマン」のブルーレイディスクをセットで2人にプレゼントだそうです。“11”と“2”にうまくかけていますね。キャンペーンは6月15日までです。
11g R2 for Windowsキャンペーン
http://www.oracle.co.jp/campaign/11gr2win/
せかにゅ:OracleのエリソンCEO、「アイアンマン2」に出演(ITmedia News)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1005/13/news049.html
5月下旬の注目イベント
最後に5月下旬開催のイベントをいくつか紹介します。オラクルはOracle Databaseサードパーティツールを一挙に紹介します。サイバーテックはXMLデータベースについて徹底的に解説します。Club DB2ではSQLの達人「ミック」さんが講師に登場です。
●オラクル:Oracle Database SE/SEOneのお悩み解決ソフトウェア大集合
5月24日・ 日本オラクル 本社13F セミナールーム(外苑前)
●サイバーテック:XMLデータベースをもっと良く知ろう!
5月25日・ サイバーテック セミナールーム(竹橋)
●Club DB2 「達人がみんなにわかるように話す!データベース徹底指南」
5月28日・日本IBM 箱崎事業所(水天宮前)
ではまた来月、お会いしましょう。過去記事もどうぞ!
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まだまだ広がる“SQL”の世界 | |
Page 1 レポート機能強化、SQL Server 2008 R2 SQLの拡張言語「SuperSQL」の可能性は? |
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Page 2 Firebirdはもうすぐ2.5をリリース Oracleでアイアンマンが当たる? 5月下旬の注目イベント |
- Oracleライセンス「SE2」検証 CPUスレッド数制限はどんな仕組みで制御されるのか (2017/7/26)
データベース管理システムの運用でトラブルが発生したらどうするか。DBサポートスペシャリストが現場目線の解決Tipsをお届けします。今回は、Oracle SE2の「CPUスレッド数制限」がどんな仕組みで行われるのかを検証します - ドメイン参加後、SQL Serverが起動しなくなった (2017/7/24)
本連載では、「SQL Server」で発生するトラブルを「どんな方法で」「どのように」解決していくか、正しい対処のためのノウハウを紹介します。今回は、「ドメイン参加後にSQL Serverが起動しなくなった場合の対処方法」を解説します - さらに高度なSQL実行計画の取得」のために理解しておくべきこと (2017/7/21)
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