まだまだ広がる“SQL”の世界
2010/5/20
レポート機能強化、SQL Server 2008 R2
いよいよ出ました。5月1日にマイクロソフトはSQL Server 2008 R2のボリュームライセンスを発売しました。パッケージ製品は6月18日に発売します。
この製品については2009年8月号の「Tech・Ed Japan 2009」レポートなど、これまで何度か話題にしてきました。2008 R2のポイントは、
- 信頼性と拡張性など性能面の強化
- IT部門や開発者の生産性向上
- セルフサービスBI
などが挙げられます。
発売開始をうけ、オフィシャルサイトの製品紹介コンテンツも充実してきました。初心者向けの動画解説も続々と公開されています。マイクロソフトのマツジュンこと、同社サーバープラットフォーム ビジネス本部 松澤純氏による「動画で分かる SQL Server」シリーズは必見でしょう。
最も目を引くのはセルフサービスBIではないでしょうか。これはExcelとの連携を強化し、一般ユーザーのExcelから手軽にBI機能を利用できるものです。一般的に現場のユーザーが業務データ分析をするとなると、IT部門からの許可やシステム変更などが必要になります。またExcelで分析するにしても行数制限など限界がありました。
しかしセルフサービスBIとExcel 2010(Office 2010は6月17日に発売)を組み合わせると、現場のユーザーが手元のExcelから基幹システムのデータを加工しながら分析することがより容易になります。
またSQL ServerのReporting Servicesを使えばより表現力の高いレポートのテンプレート開発も可能になります。同サービスには体験サイトが用意されているので、興味あれば試してみると良さそうです。
現場の素人から開発者の玄人にまで、レポート作成の強力な後押しができました。当然といえば当然ですが、もともとSQL Serverはマイクロソフト製品との親和性が高いのが強みです。2008 R2では得意分野をいっそう強化し、現場ユーザーの利便性を高めることになりそうです。
インタビュー:BIでエンジニアもハッピーに? SQL Server新機能の狙いとは
http://www.atmarkit.co.jp/news/201004/06/sqlserver.html
「課金はソケット単位で」SQL Server最新版5月1日発売
http://www.atmarkit.co.jp/news/201002/18/sqlserver.html
SQLの拡張言語「SuperSQL」の可能性は?
4月26日に日立が開催した日立オープンミドルウェアセミナーにて、SQLの拡張言語「SuperSQL」を発見しました。
このSuperSQL、現時点は慶応義塾大学で研究目的で開発・利用されています。通常のSQLと違うのは出力形式がHTML、LaTeX、PDF、Excelなど、多様なところです。もちろん、ある程度工夫すれば既存データベースでもSQL経由で多様な形式で出力できますが、SQLに似た言語から直接多様な形式で出力できるのは魅力かもしれません。
文法で特徴的なのは「,」「!」「%」を使った結合子や「[]」を使った反復子です。これらによりデータベースからデータを取り出します。デモではOB会名簿からのデータ収集、あるいはバスケットボール試合の選手データ収集などのアプリケーションが披露されました。後者は試合ごとに出場した選手一覧、また選手ごとの得点履歴など、意外と複雑なSQL処理をSuperSQLがこなしていました。
現時点では研究目的なので、実装している製品はないそうです。しかしPostgreSQLで動作する評価版がダウンロードできますし、チュートリアルも公開されています。
便利だと分かると意外と実用化へと進むかもしれませんね。楽しみです。
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Page 1 レポート機能強化、SQL Server 2008 R2 SQLの拡張言語「SuperSQL」の可能性は? |
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