節電の夏、データベースの夏
2011/7/19
サーバルームはキンキンに冷やす必要はない?
皆さんご存じの通り、7月から東京電力と東北電力管内の大口需要家に対して電力使用制限令が発動されました。データセンターは制限が多少緩くなるそうですが、データセンターに入っていないため、制限緩和の恩恵を受けられないサーバがかなり多く動作しているようです。
マイクロソフトの調べによると、国内にあるサーバの約6割(約1600万台)が東電管内に集中しており、うち約1/3が事業者データセンター、残りが企業内データセンター、あるいはデータセンターの外にあるそうです。つまり、何らかの節電対策を考えなくてはならない環境にあるサーバの方が多いということです。
「いっそ社内のサーバを捨ててクラウドへ!」という画期的なソリューションもありますが、今回はサーバを保持しながらどれだけ節電可能かを考えてみます。
サーバは業務を動かす上で重要な役割を担っています。サーバ管理者の本音としては「サーバの電力を下手に削減して余計なリスクを増やしたくない」というところではないでしょうか。しかし昨今ではベンダーがいろいろな節電アイデアを提供しています。運用中のサーバを危険にさらすことなく、節電する方法はありそうです。
サーバが消費する電力はかなりの量になります。サーバで節電するインパクトや意義は大きいはずです。サーバで節電できれば、ほかの重要なところに電気を回すことだってできます。賢く節電しましょう。
大体の場合、サーバルームで消費する電力は、サーバ本体と空調が半分ずつになるそうです。サーバの消費電力と空調にかかる電力をいかに節約するかが鍵です。
マイクロソフトによる検証結果
マイクロソフトは空調についての目安を示しています。サーバルームには「寒い」というイメージがありますが、果たして夏服でいる人が凍えてしまうほど冷やす必要があるでしょうか。一般にサーバルームの室温は22〜24度の設定で、吸気口の温度は室温より少し高くなります。加えて多くのサーバでは35度までが動作保証の範囲内とされています。
マイクロソフトは吸気口の温度を変えて検証しました。サーバにストレスをかければそれに応じて消費電力は増えますが、動作が安定すると電力も安定します。ただし吸気口の温度が35度を超えるとファンの回転数が上昇するため、消費電力が増大し、49度になるとハードウェアが強制的にシャットダウンとなりました。
ではサーバルームの室温はどれくらい上げられるのでしょうか。環境による部分が大きいので断定はできませんが、室温22度に設定しているならもう少し上げる余裕はありそうです。一般家庭と同じく、設定温度を上げると消費電力を減らせます。マイクロソフトは「2度上げれば20%の節電効果がある」と目安を示しています。
サーバ管理には室温というより、熱くなりがちなサーバ吸気口の温度を念入りにチェックして調整するのが良いようです。
もう1つ、マイクロソフトは法人向けの節電見える化支援として、コンピュータシステムの管理ツールである「System Center Configuration Manager 2007 R3(SCCM)」の180日間試用版を無償提供しています。受付は8月10日まで。このSCCMは消費電力の推計などをレポートする電力管理機能があるので、消費電力量の可視化に役立ちそうです。
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