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節電の夏、データベースの夏
2011/7/19
ストレージの階層化、サーバ集約も有効
オラクルも節電に関する情報を提供しています。まずはストレージの階層化です。高速に動作する順にフラッシュメモリ、高速HDD、中・低速HDD、テープという具合にストレージで階層を作ると、データ管理のコストや消費電力抑制に有効です。
節電には「階層型ストレージ」が有効――日本オラクル、データセンターの省電力化支援
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1105/31/news011.html
またOracle Enterprise Manager Ops Centerを使うと電力量を自動調整したり、消費電力の上限を設定することが可能です。本当に供給電力量が足りなくなりそうなときには有効かもしれません。
ほかにもシンクライアントや、高性能サーバを利用したサーバ集約がトピックとして挙げられました。静岡大学では学内サーバをクラウド化し、シンクライアント2000台をキャンパスに導入することでBCPと消費電力量削減を実現しました。シンクライアントはSun Ray 3をベースとしており、消費電力は通常で5W、最新デスクトップパソコン(通常60W)と比べると90%も節電になります。
もう1つは高性能サーバを使用した集約の効果です。従来型Oracle DatabaseをハイエンドのUNIXサーバ+ハイエンドストレージで運用する場合と、Exadata X2-2フルラックで運用する場合を比較すると、プロセッサの性能は1.3倍以上、入出力の性能は6.5倍以上が見込めます。それだけではなく、運用コストは5年間で1/4、消費電力は70%もの削減が見込めるとのことです。
サーバ仮想化、データ圧縮も節電に効果あり
DB2を擁するIBMも「ITの節電をしませんか?」というWebサイトで、節電に関する情報を提供しています。
例えば最新モデルのSystem xとBladeCenterは通常のバランスモードに加えて、省電力化が可能な省電力モードや電力効率優先モードがあり、ハードウェアで電力の使い方を切り替えることが可能です。または消費電力がより低いサーバを選んだり、The IBM System x and BladeCenter Power Configuratorにて消費電力を可視化し制御するのも有効に働きそうです。
そして最も効果が高そうなのが仮想化によるサーバ統合です。5〜10台の古いマシンで稼働していたものを、仮想化して高性能なサーバ1台に集約するのです。最新の高性能サーバ1台あたりの電力消費量は、従来のサーバのおよそ2台分くらい。50〜80%の省電力効果が期待できるとのことです。
もう1つ、IBMは節電支援キャンペーンを実施中です。7月1日から12月16日まで、データ圧縮専用アプライアンス「IBM Real-time Compression Appliance(RtCA)」を4割引の特別価格で提供します。RtCAはオンラインデータをリアルタイムで圧縮できるアプライアンスです。
この圧縮機能にはIBM独自の技術を利用しており、あるファイルを圧縮して別ファイルを作成するのではなく、データそのもののサイズを小さくするのだそうです。データ圧縮によりアクセススピードも上がり、処理性能にも好影響を与えるとのことです。
総じて見てみると、省電力機器の使用や空調の最適化を図ることで節電効果が見込めそうです。使用電力を可視化したり、管理するツールを各社が提供しているので活用してみてはいかがでしょうか。
リアルタイム処理を追求したOracle BI新製品
最後にオラクルBI製品の最新版です。6月28日、オラクルは「Oracle Business Intelligence R11.1.1.5」の提供を開始しました。
Oracle BIといえば、昨年夏に「3年ぶりの刷新」として「Oracle Business Intelligence Enterprise Edition 11g」が登場しました。それに比べたら今回は細かな改善となるかもしれませんが、最新版では機能拡張が随所で見られます。それだけBIを取り巻く環境は進展が速いのかもしれません。オラクルはEPM/BI分野にかなり力を入れていて、2011年はパートナーとの協業にも注力しています。
Database Watch 2010年8月版 企業やコミュニティのボーダーを越えて
http://www.atmarkit.co.jp/fdb/rensai/dbwatch2010/dbwatch201008_01.html
新しく拡張された機能としては、インメモリ/データベースのTimesTen、SAPのERPやSAP Business Information Warehouseのデータソースへの対応や、Google Mapへの対応などが挙げられます。「今風」な機能としてはモバイル対応があり、ユーザーはiPadからBIにアクセスし、最新のビジネス動向を調べたり、シミュレーションを実行することができます。
○関連イベント Oracle EPM & BI Summit 2011(大阪8月2日・東京8月2日) http://www.oracle.co.jp/events/epmbi2011/余談ですが、7月号でDB Watchは7年目に突入しました。ご愛読ありがとうございます。ではまた来月、お会いしましょう。過去記事もどうぞ!
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