Database WatchDatabase Watch 2011年8月版

暑い? 熱〜いコミュニティはいかが?

加山恵美
2011/8/10
これまで取材してきたオラクル関係のセミナーやコミュニティを振り返ると、参加している人は特に強い思い入れを見せることもなく「別に。当然オラクルでしょ」とクールな感じでした。しかしOracle LOVERSは違いました。そして今回は、Club DB2の話題もお届けします。テーマはIBMのワークロードマネージャです。

Oracle LOVERSはシーズン2で世界へと

 7月29日夜、オラクル青山センターで、「Oracle LOVERS 勉強会 シーズン2 第1回」という勉強会がありました。この勉強会はmixiの「DBならOracleでしょ♪」というコミュニティを母体としています。2004年開設で、メンバー数は3500人あまり。オラクルユーザーのコミュニティの代表的な存在です。

 最近はfacebookにOracle LOVERSというページを開設し、mixiとfacebookの両方でイベントを告知するようになりました。久しぶりの勉強会開催ということで、あっという間に定員に達するほどの応募が殺到したそうです。

 主催はOracle ACEでもある吉田もとたかさん。最近はfacebookで海外のOracle ACEと交流を深め、友達の輪が広がったそうです。その縁でリトアニアのOracle ACE Directorである、アンドリュー(Andrejus Baranovskis)さんがskypeを通して勉強会の冒頭に参加しました。

 このアンドリューさんはRED SAMURAIという会社のCEOを務めており、オラクルのミドルウェア製品を中心にコンサルティング活動をしています。社名はオラクルカラーである「赤」と優秀な闘士を表す「侍」から取ったもので、Oracle Fusion Middleware Innovation Awardなど受賞歴も多数という、オラクルワールドでは有名人です。会場から「Java7についてどう思いますか?」「どうやったらそんなに高いOracleスキルを身に付けられたの?」といった質問に答えていました。

あの本の著者の講演

 勉強会のメインテーマは日本オラクルでコンサルタントをしている小田圭二さん写真)の講演でした。主催者の吉田さんとは同期だそうです。著書に「絵で見てわかるOracleの仕組み」「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク データベースはこう使っている」など、オラクル関連書籍が多数あります。きっと読んだことのある読者の方も多いのでは。

 講演のテーマはその場のアンケートで「アンチパターン(失敗事例)」に決まりました。これまでの著作から抜粋する形で現象を例示、それから原因と対策を解説してくれました。参加者との意見交換の機会もありました。解説までは一般的なセミナーと変わりませんが、講師が参加者からの「私も似たような経験がある。もし、○○ならどう対処すべきか」といった関連質問に答えるなど、実に具体的な話を持ち出して共有できるのが勉強会の良いところです。

 一例として「処理性能が下がっていたので、調べてみたらインデックスが多すぎた」がありました。一般にインデックスが多くなると、インデックスを頻繁に更新することになるので、データ更新処理が遅くなるものです。そこで「インデックスは5〜6個くらいに抑えよう」と言われることがあります。状況によっては5〜6個が最適と言えないこともありますが、処理性能を上げるには、インデックスの数は必要最低限に抑えるべきだということは確かです。

 しかし現実はアプリケーションの都合や運用の状況などによって、インデックスは増えてしまいがちです。そして一度インデックスを作成してしまうと、なかなか減らせなくなります。業務でインデックス設定にジレンマを抱えたことのあるデータベース管理は多いのではないでしょうか。この勉強会でも何人かの参加者が、切実な悩みや経験を語っていました。

Oracle Databaseのここが好きだ!

 最後に講師と参加者の皆さんに「自分はOracle Databaseのここが好きだ。ここはほかに負けないという自慢のポイントは何か?」と聞いてみました。

 講師の小田氏は「まず読み取り一貫性。ロックの粒度が細かく、ロックをあまり意識せずSQLを書けるので開発者にやさしい。次にスケーラビリティ。プロセッサを追加すると数に比例してきちんと性能が向上する。そしてオラクルが開示している情報量。資料が多すぎて調べるのが大変かもしれないが、多くの資料がオープンになっている。オラクルは情報公開にはとても力を入れている」と3点挙げてくれました。

 会場からは「ORACLE MASTER(仲間)の多さ」、「書籍が充実している」、「つぶしがきく(学べばちゃんと身につく)」など。ちょっと異彩を放っていたのが、ある人の壮絶な経験談でした。

 「30代半ばにして初めてOracle Databaseを学んだ。1週間の研修後、いきなりサポート業務を担当。最初は頭がパンクしそうなほど混乱したが、ある日、頭の中ですべての知識がつながった。それ以来、オラクルが好きになった」

 猛烈な苦行の後に開眼したかのようです。すべての知識がつながった瞬間というのは奇跡と言えるほど素晴らしい瞬間だったのでしょうね。感動が伝わってきました。

 さて「今回参加できなくて残念」という人、ご安心を。次回は9月中旬ごろに開催する予定だそうです。mixiあるいはfacebookをチェックしておきましょう。

 もう1つ、オラクルのコミュニティに関してニュースです。新たにJPOUG(Japan Oracle User Group)というユーザーグループが発足しました。今後セミナー開催など、ユーザーの交流や学びの場になりそうです。


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Oracle LOVERSはシーズン2で世界へと
あの本の著者の講演
Oracle Databaseのここが好きだ!

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