暑い? 熱〜いコミュニティはいかが?
2011/8/10
ちょっと待て、こっちが先だろ
次はIBM DB2です。6月24日のClub DB2ナイト・サークルにはゲスト講師として日本アイ・ビー・エム システムズエンジニアリング(ISE)の白井徹哉氏が登場。「ワークロードの"見える化"と"手なずけ"〜DB2 Workload ManagerとOptim Performance Managerによるワークロード管理〜」と題してDB2のWorkload Managerによるワークロード管理について語ってくれました。
突然ですが病院の待合室などで、順番が前後して自分よりも後から来た人が先に呼ばれて不愉快な思いをしたことはありませんか? 意地悪ではなく病状などにより、順番が前後することは仕方のないことです。データベースの運用現場でも似たようなこと、ありませんか。
例えば「この業務は重要だから、最優先で処理してもらいたい」「いやいや、負荷が高いから、この処理に割くリソースは制限してほしい」など、対立が起きているのではないでしょうか。特に近年はサーバの処理能力が向上しています。さらにTCO削減の要求から、データベースの統合が進んでいます。サーバにさまざまな処理が集中する中で、サーバのリソースを適切に管理しつつ、業務の質も確保しなくてはなりません。
ここで登場するのがDB2 Workload Managerです。目的に応じてデータベースの処理を分類し、処理の優先順位でリソース配分を調整し、処理に関係する統計情報を収集します。これはDB2の有償オプションです。
ちなみにDB2 V9.1以前のワークロード管理機能では、処理(ワークロード)単位でプロセッサ使用権の優先度を設定し、ワークロードのプロセッサ使用時間がしきい値を超えたときに、優先度に応じて処理すべきワークロードを判定するようになっていました。
処理を分類した上で優先度を決める
DB2 Workload Managerではワークロードをサービスクラスという単位に分類し、サービスクラス単位でプロセッサ使用権の優先度などを設定できます。
また、サービスクラスのプロセッサ使用時間がしきい値を超えたときに、強制停止するのほかに、エラーを返す、ほかのサービスクラスの処理に移る、継続する、情報収集するという具合にいろいろなことができるようになりました。
ワークロードを分類するときは、サーバのリソースや業務の優先順位などを見極めながら、手探りで最適な着地点を見いだしていくことになるようです。
例えばこんなことはありませんか。データベース管理者が処理に時間がかかるSQLを発見し「なんだ、この行儀の悪いSQLは! ほかに迷惑だ。止めるぞ」と特定のアプリケーションを問題視してしまうということが。一方でアプリケーション開発者は「これは必要な処理だ。サーバを増強すればいいじゃないか」と反論し、なかなか折り合いが付かなかったりします。
そこで重要なのが統計情報です。ワークロードの統計情報を取得して検討すると、妥協点を見いだしやすくなり、議論が建設的に進みやすくなるそうです。例えば「このアプリケーションは業務的に優先度が高いから、処理の優先度は高くする。ただしxx秒過ぎても終わらなければ、優先度の低いサービスクラスへ移動する」など。こうした対処が「手なずけ」ですね。とても“商用”データベースらしい機能です。
ではまた来月、お会いしましょう。過去記事もどうぞ!
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