半人前→一人前への道 基本の「キ」はここにあり
キムラデービー
木村 明治
2008/04/25
この春、入社・転職・転属などなど、 さまざまな理由でデータベース開発や運用に携わっていく皆さんへ。 いきなり違う環境に投入されて戸惑うくらいなら、この記事を読んで 、いざ自習、自助努力をしてみよう(編集部)
「教科書」 |
開発者も管理者も、データベースの一般教養としての部分はかなりオーバーラップしています。この時期、各種雑誌やWebサイトでは「データベース特集」を行っていますので、それを読んで済ますのもいいでしょう。
■参考Webサイト
Webサイト上に公開されている記事としては以下が参考になるでしょう。
・「すぐわかるデータベースの基礎」(ITpro)
関連リンク 「データベース入門」(@IT)
■参考書籍・雑誌
雑誌の記事や特集を1つにまとめたムックも発売されています。こちらは、Webや雑誌特集記事よりも詳細に記述され、1冊にまとまっているので便利です。
『DBビギナーズ―3時間でわかるデータベースの基礎』 DB Magazine編集部(編)/翔泳社 |
『ずばりわかる! データベース SQLのルール、設計のルール』 加藤大受他(著)/日経BP |
■さらに踏み込んだ解説を読みたいなら
今後もずっとデータベースにかかわりそう、とか、さらに踏み込んで勉強したいという方には最近発行された本の中では以下のものがよくまとまっています。MySQLを使って解説していますが、それ以外のデータベースにも適用できるように、工夫された誌面作りがされています。
『初めてのSQL』 アランブールー(著)/クイープ(訳)/オライリー・ジャパン |
■意外にいけます。イラストたっぷりの解説本
上記のWebサイトや本をちょっと見て、文字ばかりで読み進める自信がない、とか、いわゆる「萌え系」の絵に抵抗がない、という方には以下の本も意外にいけます。
『マンガでわかるデータベース』 高橋麻奈他(著)/オーム社開発局 |
「辞書」 |
「辞書」は、実際に使う環境に即してすぐに役立てられる類のものです。たとえば実際に実装するときに必要なSQL文の方言や、運用するときに必要になるパラメータの設定にはどのようなものがあるか、をその場で確認する場合に役立ちます。
■無償公開されているオープンソース系マニュアルの例
辞書、つまり各データベースに用意されたマニュアルは、最近では入手しやすくなりました。昔々、商用データベースのマニュアルはウン十万円の値段が付いて販売されていましたが、いまやPDF形式のものは(登録が必要な場合もありますが)無償で入手できるようになりました。オープンソースのデータベースならマニュアルが無償公開されています。
■「辞書」活用のための心得とは?
膨大なマニュアルを参照するときに、注意すべき点は以下の3点です。
(1)自分が開発(保守)するデータベースのバージョンと合致したドキュメントを参照する
特にメジャーバージョンが変わると、機能や性能が変わるため、旧版での常識が通用しなくなる場合があります。せっかく時間をかけて読む物ですから、最初に確認!たとえば、MySQLでは4.x系と5.x系がありますが、4.x系ではストアドプロシージャやカーソル機能をサポートしていませんから、ストアドプロシージャを含むSQL文について調べる場合には、4.1のマニュアルは役立ちません。
・MySQL 4.1リファレンスマニュアル
・MySQL 5.1リファレンスマニュアル
これはプラットフォームについても言えることです。Windows 2000 serverの情報はWindows Server 2003のドキュメントはありませんし、Linux Kernel 2.6と2.4についても同様です。
(2)管理者は管理系コンテンツをピンポイントで参照する
開発者は主にSQLまわりや利用するコンポーネントを参照しますが、管理者は「〜管理」とか「DBA〜」のタイトルを持つマニュアルを参照します。(3)で挙げるような内容は、それらを理解したうえで読むようにしたほうがよいでしょう。
(3)開発者は自分が実際に利用する接続インターフェイスのマニュアルも参照する
図2はMySQLでの例ですが、自分がどの接続インターフェイスを使って開発するかによって、参照すべきポイントは大きく変わります。基本は「開発言語+接続インターフェイス+SQL」です。
図2 接続インターフェイス(MySQLの場合) |
「ドリル」
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開発者が実際に書いたコードのインパクトを知ったり、その前段階としてのSQL文をスムーズに絞り出すためには、「ドリル」で「手を動かす」ことが大切だと筆者は思います。実際に対象となるデータベースを手元のPCにインストールして手を動かしてみましょう。
■「ドリル」本でSQL文を「書いて」覚える
そのための「ドリル本」が必要な場合は、このジャンルの先駆けとして有名な以下の本(の改訂新版)をお勧めします。SQL92に準拠しており、かつ、前述の「商用御三家」および、Firebird以外の「オープンソース御三家」に対応したSQL文の基本を文字どおり書いて覚えられます。
『改訂新版 反復学習ソフト付き SQL書き方ドリル』 羽生章洋、和田省二(著)/技術評論社 |
■手を動かすための「ドリル」環境――試用版、XAMPPを入手
上記「ドリル」を参照するのはもちろんですが、やはり自分の自由にできる環境で実際に「手を動かす」(データベースを動かす)ことも重要です。商用データベースの無償版や試用版をインストールしてみるのもよいでしょう。以下に主要なデータベースベンダーが提供する無償版・試用版の入手先を紹介します。
無償版:リソースや機能が制限されるが、ずっと使える
・Oracle Database 10g Express Edition
・DB2 Express-C
・Microsoft SQL Server 2005 Express Edition
試用版:期間が制限されるが、ほぼ全機能利用可能
・Oracle Database 11g ダウンロード(30日間トライアル版)
・SQL Server 2005 Enterprise Edition 180日間 限定評価版
・SQL Server 2008 日本語プレビュー版(CTP2月版)
・DB2 評価版/体験版 ダウンロード
また、最近のWebアプリケーションシステム、LAMP環境(Linux、Apache、MySQL、PHP or Perl or Python)での開発が前提なら「XAMPP」という統合パッケージで開発環境を作成するのも1つの手です。
XAMPPは、手軽にWindows上でApache+MySQL+PHPの環境を構築できるパッケージで、その便利さからLinux用も用意されています。これをインストールすれば、自前の環境で、手を動かしながら各種確認が簡単にできるようになります。
・Apache Friends - XAMPP for Windows
・Apache Friends - XAMPP for Linux
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社会人応援企画! プログラマー/SEの“常識”特集2008 半人前→一人前への道 基本の「キ」はここにあり |
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1 ・データベースエンジニアとして、あなたは生き残れそう? ・開発者? 管理者? 似て非なる2つの違い ・「教科書」「辞書」そして「ドリル」 |
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Page 2 ・「教科書」――一般教養としての「教科書」はオンライン? ・「辞書」――開発者と管理者では読むべきものが違う ・「ドリル」――開発者が実際に手を動かし、力を付けるために |
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Page 3 ・管理者にはもう1つ必要な知識がある ・継続的に勉強を続けるためのヒント ・自分のタイプを見極めて効率アップ |
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