Mac OS Xでデータベースサーバを組む【前編】
OpenBase SQLを知る
田畑 英和2008/05/26
管理ツール「OpenBaseManager」の使い方
OpenBase SQLにはGUIベースの管理ツール「OpenBaseManager」が付属し、日本語にもローカライズされています。このツールを用いればデータベースのさまざまな管理作業ができます。
まず基本的な操作としてデータベースの作成/起動/停止があります。各データベースは個別に起動/停止できますが、システム起動時にデータベースを自動起動するには、あらかじめデータベースごとに自動起動の設定をしておく必要があります。
図1 データベースの設定画面(OpenBaseManager) |
データベースにアクセスするにはOpenBase SQL上でのユーザー管理が必要になります。データベースを新規に設定するとパスワードが未設定のadminユーザーが自動的に登録されますので、あとは必要に応じてパスワードの設定やユーザー登録を行います。
ユーザーはデータベースごとに管理し、OpenBaseManager上でデータベースを操作する場合にも、データベースごとに登録したユーザーによる認証が必要になります。セキュリティを高めるために、データベース全体のパスワードを設定することもできます。
文字のエンコーディングもデータベースごとに設定します。デフォルトではISO LATIN 1に設定されていますので、日本語を使用する場合にはあらかじめ設定を変更しておく必要があります。日本語で利用可能なエンコーディングとしてはEUC、シフトJIS、UTF-8をサポートしています。
このほか、ネットワーク経由でデータベースアクセスする場合は、ホストの設定でネットワークアクセスの設定を行う必要があります。
図2 ホストの設定画面 |
データベースのスキーマ作成もOpenBaseManagerを使えばGUI上で操作できます。スキーマの作成にはテーブル形式のビューとダイアグラム形式のビューの2つが利用可能です。
図3 データベーススキーマの作成(ダイアグラム形式の表示:クリックで拡大) |
OpenBaseManagerではこのほかにも、データのブラウズ/検索/編集、バックアップとリストア、稼働状況のモニタ、ログの表示などができます。さらに管理ツールはネットワーク対応しているため、ネットワーク上のOpenBase SQLをリモート管理することもできます。OpenBaseはBonjour(ボンジュール)プロトコル注3に対応しているため、サーバのアドレスが分からなくてもローカルネットワーク上のデータベースを自動検出し、OpenBaseManager上に表示できます。
注3:アップルが開発したプロトコル。デバイスやサービスの存在をローカルネットワーク上で通知する仕組みで、以前はRendezvous(ランデヴー)と呼ばれていました。
バックアップ方法を選択する
データベースのバックアップはOpenBaseManager上から手動で実行する方法と、スケジュールを設定して定期的に自動実行する方法があります。また、バックアップ形式にはデータベースのディレクトリをそのままアーカイブして圧縮するtgz形式と、SQL文としてダンプするASCIIダンプ形式があります。
手動でtgz形式によるバックアップを行えば/Library/OpenBase/Backup/にバックアップファイルが生成されます。ASCIIダンプ形式やスケジュールによるバックアップの場合は、任意のパスにバックアップできます。
◆◆◆
以上、OpenBase SQLの概要について解説しました。
OpenBase SQLはその名前のとおり、SQLベースのデータベースサーバですが、GUI管理ツール上で各種管理作業が実現でき、特に細かな設定をしなくても、すぐにデータベースを利用できます。手軽にデータベースを構築できますから、いちど触ってみてはいかがでしょうか?
次回、後編ではMac OS X上でのMySQLの活用や、サーバとしてのMac OS Xの運用について取り上げます。
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特集:知らないとはいわせないMac OS X Mac OS Xでデータベースサーバを組む【前編】 OpenBase SQLを知る |
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1 ・サーバプラットフォームとしてのMac OS X ・LeopardはSUSv3/POSIX 1003.1準拠OS |
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Page 2 ・NeXTから生まれたOpenBase SQL -無償のSoloライセンスでできること -Soloライセンス版のインストール方法 |
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Page 3 -管理ツール「OpenBaseManager」の使い方 -バックアップ方法を選択する |
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