本書は、Microsoft.NETとともに紹介され、.NET環境における主力開発言語として注目されているC#言語に関する解説書である。
著者のエリック・ガナーソン(Eric Gunnerson)氏は、MicrosoftのC#開発チーム内におけるQA(Quality
Assurance:品質管理)担当の中心人物で、設計当初からC#にかかわってきた人間の1人だ。このため本書は、一般的なプログラミング言語の解説書とは異なり、C#の機能を紹介したり、使い方を紹介したりするだけでなく、「C#ではどうしてそのような仕様になっているのか」という設計思想の部分にも積極的に触れている。すでにC#の解説書としては、『C#入門』(アスキー発行)が刊行されているが、後発である分、これよりも新しい情報が追加されていることは当然として、さらにC#開発の現場にいた筆者による貴重な情報が盛り込まれている点が大きな特徴である。
本書では、せっかちなプログラマ向けに、まずはC#によるコーディングを始めるための最低限の知識を与えるクイック・スタートから始まり、以後、例外処理やクラス・ライブラリの構造と使い方、構造体、インターフェイス、配列と文字列の扱いなど、C#の特徴的な機能ごとに章を立てて解説している。解説にあたっては、文章よりも豊富なサンプル・コードで見せるという形式をとっている。くどくどと文章で説明されるより、現場のプログラマにとってはむしろありがたい形式だろう(逆に言えば、現場のプログラマではないマネージャは、もう少し文章での解説が欲しいと感じるかもしれない)。
そして終盤の章では、.NET Frameworkの概要や.NETランタイムにおけるガーベジ・コレクションのはたらき、C#とXMLドキュメント・フォーマットの関係など、.NETプラットフォーム上でC#をさらに一歩踏み込んで活用するための情報がまとめられている。
また「C#と他の言語処理系との比較」の章では、C#とC/C++、C#とJava、C#とVisual Basic(VB)の比較が詳しくなされている。現在C/C++、Java、VBのプログラマで、既存の知識を土台としてC#を理解しようとするプログラマにとっては役に立つだろう。
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