特集:.NETメディア改革論

「.NET開発者中心」は何を目指すのか?

デジタルアドバンテージ 一色 政彦
2009/09/10
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.NET開発者中心のメイン・ストリーム型情報

「VB」研から「.NET」開発者中心になった理由

 これまでのVB研では、名前のとおり、Visual Basic開発者をメイン・ターゲットとして、業務アプリケーション開発の実用情報を提供してきた。これを引き継ぐのであれば「VB開発者中心」とすべきである。しかしそうなっていない。これはなぜか。

 確かに「VB」という表記は、キャッチーで(=人を引きつけやすくて)なじみやすく、親しみやすい。その半面、C#などで業務アプリケーションを開発している読者を遠ざけてしまうというマイナスの効果もあった。実際に、C#で開発をしている開発者は、VB研のBBS(会議室)には質問を書き込みにくかったのではないだろうか。

 そういう反省を踏まえ、現場で働くC#やC++の業務アプリケーション開発者にとっても親しみやすい名称として「.NET」開発者中心と決定した。

「Insider.NET」と「.NET開発者中心」の記事コンテンツの違い

 .NET開発者中心はVB研の後継コーナーであり、VB研の記事系統は引き継ぐ。しかし、名称が「VB」から「.NET」に変わったことで、「Insider.NET」と「.NET開発者中心」の違いがよく分からないと感じられる読者も多いだろう。

 これについて説明すると、Insider.NETは、言語解説や基礎機能の解説などの教科書的なコンテンツや、新機能解説などの最新技術情報を取り扱う。これらのコンテンツは、特に、業務アプリケーションなど特定の状況に依存したものよりも、より普遍的なケースに適用できる情報である。

 一方、.NET開発者中心は、特に業務アプリケーション開発など特定の状況にフォーカスした実用的な情報を取り扱う。逆に、現場で実用されない新技術などにフォーカスした記事はあまり取り扱わない。編集部としては、大きく分けて次の4カテゴリの記事を企画していくことを考えている。

(A)業務アプリケーション開発で役立つ実践系
(B)業務アプリケーションに結び付くUX開発
(C)業務アプリケーション開発にかかわりの強い新技術
(D)開発の効率化に関する手法

 それぞれの記事案としては、以下のようのものが挙がっている(これらを必ず公開するという意味ではなく、あくまで記事タイトルの案だ)。

(A)業務アプリケーション開発で役立つ実践系

「特集:Silverlightの実践的データ・アクセス手法」
「特集:現場で実際に使うためのWCF開発ポイント」
「連載:酒屋さんに導入?! 小規模DBアプリケーション開発」
「特集:業務システムの64 bit Windowsへの対応手法」
「連載:1から作る業務Webアプリケーション入門」
「特集:MOSS(Microsoft Office SharePoint Server)ソリューション開発入門」
「特集:ClickOnceによるソフトウェア配布・更新」
「特集:アプリケーション起動の最高速化にチャレンジ!」
「連載:つぶやきシステム構築記」

(B)業務アプリケーションに結び付くUX開発

「特集:WPFによる業務アプリケーション開発」
「特集:VB6業務アプリケーション→Silverlightアプリケーションの悪戦苦闘」
「特集:RIAによるスタイルおよびコンポーネントの活用」

(C)業務アプリケーション開発にかかわりの強い新技術

「特集:Visual Basic 2010(VB10)の新機能概説」
「連載:Entity Frameworkによる次世代データベース開発」
「特集:.NETアプリケーションのWindows 7対応」

(D)開発の効率化に関する手法

「特集:コンポーネント・プログラミング」
「特集:パターン&プラクティスの活用」
「特集:オープンソースを活用するための基礎知識」

.NET開発者中心のセミナー「.NET中心会議」

 「VB研公開ゼミ」の後継となるセミナー・イベントとして「.NET中心会議」を年3回ほどのペースで開催していきたいと考えている。直近の10月に予定しているセミナーは「いま使うべき、学ぶべき.NETテクノロジ」というタイトルで、近いうちに告知・募集を始める予定だ。

 その後の1月ごろに開催予定のセミナー案としては、例えば以下のようなタイトル案を検討中だ。

「.NETアプリケーションのWindows 7対応」
「次期Visual Studio 2010の実用」
「業務アプリケーション開発を効率化するチーム構成術」
「VB開発者のための最新データベース開発手法」

 以上、.NET開発者中心のコンセプトや方向性、各種計画について説明してきたが、どのように感じただろうか。ご意見、ご質問、ご批判などがあれば、掲示板などでぜひお知らせいただきたい。リアルタイムな返答は難しいかもしれないが、極力返答したいと考えている。

 .NET開発者中心はいままさにスタートした。ロゴの燃える太陽のように、日本の.NET開発を盛り上げていきたいと考えている。それに向けて、読者諸氏のお力をお貸しいただければ、これ以上うれしいことはない。End of Article

 

 INDEX
  特集:.NETメディア改革論 
  「.NET開発者中心」は何を目指すのか?
    1.メディア改革が必要な理由/.NETメディアのロング・テール理論
    2..NET開発者「中心」という名称の由来/ロング・テール型情報
  3.メイン・ストリーム型情報/セミナー「.NET中心会議」


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