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チーム内でコード・スニペットを共有するには?[VS 2005のみ、C#、VB]

デジタルアドバンテージ 一色 政彦
2006/05/26

 Visual Studio 2005(以降、VS 2005)には、繰り返し利用するパターン化されたコードを簡単に挿入するための「コード・スニペット」という機能が搭載されている。本稿では、そのコード・スニペットをチーム内で共有する方法を紹介する。

 なお、コード・スニペットの基本的な利用方法については「TIPS:コード・スニペットを素早く挿入するには?」に、独自のコード・スニペットを作成して利用する方法については「TIPS:C#で独自のコード・スニペットを登録するには?」と「TIPS:VBで独自のコード・スニペットを登録するには?」に記述されているので、併せて参照していただきたい。

チームでコード・スニペットを共有する方法

 コード・スニペットをチーム内で共有するには、そのコード・スニペットのファイル(基本的には「.snippet」という拡張子を持つファイル)をネットワーク上の共有フォルダに配置し、そのフォルダへのパスを、「コード スニペット マネージャ」で登録すればよい。

 例えば、次の画面のように「\\dapc89\Share\Team Code Snippets\」というUNCパスの共有フォルダに、チーム内で共有したいコード・スニペットのファイル群を配置する。

ネットワーク上の共有フォルダにコード・スニペット・ファイルを配置した例

 この場合、次の画面のように、VS 2005のコード・スニペット・マネージャで、この「\\dapc89\Share\Team Code Snippets\」というUNCパスを登録する。

コード・スニペット・マネージャへの共有フォルダの登録
コード・スニペット・マネージャを起動するには、VS 2005のIDEのメニュー・バーから[ツール]−[コード スニペット マネージャ]を選択すればよい。これにより、この[コード スニペット マネージャ]ダイアログが表示される。なお、この例では、Visual C# 2005 Express Editionを利用している。
  チームで共有するコード・スニペットの開発言語(この例では「Visual C#」)を選択する。
  [追加]ボタンをクリックして表示される[コード スニペット ディレクトリ]ダイアログで、共有フォルダへのUNCパス(本稿の例では「\\dapc89\Share\Team Code Snippets\」)を開く。これにより、指定した共有フォルダがコード・スニペット・ディレクトリとして追加される。
  追加されたコード・スニペット・ディレクトリのフォルダを展開すると、そのフォルダにあるコード・スニペットが表示される(ただし、該当言語のコード・スニペットのみ)。
  あとは[OK]ボタンをクリックすれば完了だ。

 以上の作業を、すべての開発チーム・メンバーが実行すれば、チーム内でコード・スニペットを共有できるわけだ。

コード・スニペット・ディレクトリのエクスポート/インポート

 チーム内で共有するコード・スニペット・ディレクトリの数が多い場合、そのすべての共有フォルダをすべての開発チーム・メンバーが手作業で登録するのは面倒だろう。そのような場合、VS 2005の「設定のインポートとエクスポート」機能を活用して、コード・スニペット・ディレクトリの設定をチーム・メンバーに配布することもできる。

■コード・スニペット・ディレクトリのエクスポート

 コード・スニペット・ディレクトリの配布を実際に行うには、次の画面の手順に従って、まずは「コード スニペットの場所」の設定をファイルにエクスポートする。この画面の[設定のインポートとエクスポート]ウィザードは、VS 2005のIDEのメニューバーから[ツール]−[設定のインポートとエクスポート]を選択することで表示される。

「コード スニペットの場所」の設定のエクスポート
VS 2005の「設定のインポートとエクスポート」機能を利用するには、VS 2005のIDEのメニューバーから[ツール]−[設定のインポートとエクスポート]を選択すればよい。
  まずは設定をエクスポートしたいので、[選択された環境設定をエクスポート]にチェックを入れて[次へ]ボタンをクリックする。
  ここでエクスポートしたい設定は「コード スニペットの場所」のみなので、まず最初にすべてのチェック・ボックスを外し(=最上位のチェックを外せばよい)、[すべての設定]−[全般設定]−[コード スニペットの場所]にチェックを入れる。そして[次へ]ボタンをクリックする。
  設定を保存するファイルの名前とパスを設定する。この例では「C:\TeamCodeSnippets.vssettings」というパスで設定がファイルに保存される。[完了]ボタンをクリックすることで、設定のエクスポート作業が開始される。
  エクスポート作業が完了すると、結果ログがこのように表示される。[閉じる]ボタンをクリックすればウィザードは終了する。

 以上の手順によりエクスポートした設定ファイル(.vssettingsファイル)を、開発チーム・メンバー全員にメールなどによって配布し、各個人で受け取った設定ファイルをインポートしてもらえば、チーム内で同じコード・スニペット・ディレクトリの設定が適用されることになる。

■コード・スニペット・ディレクトリのインポート

 コード・スニペット・ディレクトリをインポートする具体的な手順は次のとおりだ。

「コード スニペットの場所」の設定のインポート
VS 2005の「設定のインポートとエクスポート」機能を利用するには、VS 2005のIDEのメニューバーから[ツール]−[設定のインポートとエクスポート]を選択すればよい。
  ここでは設定をインポートしたいので、[選択された環境設定をインポート]にチェックを入れて[次へ]ボタンをクリックする。
  インポートする前に現在の設定を保存するかどうか聞かれるので、念のため、[はい、現在の設定を保存します]を選択して設定のバックアップを取っておくことをお勧めする。
  ここで設定が保存されているファイルを指定する。この例では[参照]ボタンをクリックして「C:\TeamCodeSnippets.vssettings」というパスのファイルを指定している。指定し終わったら[次へ]ボタンをクリック。
  ファイルの中に格納されている設定の内容が表示されるので、インポートしたい設定にチェックを入れる。ここでインポートしたい設定は「コード スニペットの場所」のみなので、[すべての設定]−[全般設定]−[コード スニペットの場所]にだけチェックを入れる。そして[完了]ボタンをクリックすることで、設定のインポート作業が開始される。
  インポート作業が完了すると、結果ログがこのように表示される。[閉じる]ボタンをクリックすればウィザードは終了する。

 設定のインポートとエクスポートで注意すべき点は、当然ながら、設定をインポートすると既存のコード・スニペット・ディレクトリの設定は消失してしまうことである。End of Article

利用可能バージョン:.NET Framework 2.0のみ
カテゴリ:Visual Studio 2005 処理対象:IDE
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