連載
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■Application Block Software Factory(2)
いままでの説明でおおかた察しが付いたかと思うが、ABSFはまさにEntLib 3.0用のガイダンス・パッケージにほかならない。
しかしこれまで説明してきた各ガイダンス・パッケージが、対象となるアプリケーション形態の開発においてベストなパターン、プラクティスなどをドキュメント、サンプルなどとともにパッケージ化したものであるのに対して、ABSFはカスタムApplication Blockおよび、カスタム・プロバイダの開発手順をパッケージ化したにすぎない。
つまりABSFは一応Software Factoryという名前を冠してはいるものの、本来の工学的な意味合いにおけるSoftware Factoriesとはあまり関係がないのも事実ではある。
これについては恐らくp&pはSoftware Factoriesという方法論の内容にはあえてこだわらずに、GATを利用することで、ソフトウェア開発における何かしらの一連のタスクのフローが自動化された成果物(つまりガイダンス・パッケージ)をSoftware Factoryとして位置付けているように思われる。
余談となるが、いままでp&pは彼らが提唱するベスト・プラクティスやパターンなどをオンライン上のドキュメント(一部書籍化)によって提示していたが、今後はGATを利用したガイダンス・パッケージという、より具体的な形として提供してくるものと思われ、その応用範囲の広さなどからGATがVisual Studioの将来のバージョンに組み込まれたとしてもおかしくないと筆者は考えている(DSLツールがすでにVS 2005に取り入れられた事実などからもあながちあり得ないことではないだろう)。
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以上、今回は最終回ということで、EntLib 3.0 CTPの概要とp&pが掲げる新しい開発スタイルの一端について解説してきたわけだが、Entlib 3.0から提供される機能の中でも、特にABSFが提供されることの意義はとても大きいと思っている。
というのも以前筆者が参加していたプロジェクトで共通機能をライブラリ化することになったため、ログ出力機能などのいくつかの機能についてEntLibを導入することを検討したことがある。その際、EntLibが提供する機能とそれ以外の共通機能との間でアーキテクチャが
しかしABSFはいくつかのステップを経るだけで簡単にカスタムApplication Blockのひな型を生成してくれるため、今後は単純にEntLibを利用するだけでなく、独自の共通ライブラリやフレームワークにEntLibが採用される機会が増えていくことだろう。
EntLibはp&pのベスト・プラクティスの集大成としてリリースされたライブラリだが、その進化はとどまるどころかますます加速しており、今後も加速し続けていくと思われる。まさにEntLibの歴史はそのまま.NETの歴史であり、EntLibを知ることはほかのいかなる技術書籍を読むよりも開発者に多くの恩恵をもたらすだろう。本連載がEntLibの深遠なる世界に触れるための最初の手引きになったなら幸いである。
最後に、これまでお付き合いいただいた読者諸氏に心から感謝するとともに、このような場を提供していただいたInsider.NETの編集者の方々、そして連載の執筆に当たり、公私にわたって筆者を助けてくれた多くの方々にもこの場を借りて心から感謝したい。
INDEX | ||
連載:Enterprise Library概説 | ||
Enterprise Library 3.0が見せる共通ライブラリの未来形 | ||
1.EntLib 3.0で新しく提供予定の機能 | ||
2.Guidance Automation Toolkit | ||
3.Application Block Software Factory | ||
「Enterprise Library概説」 |
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