Microsoft.NETが目指す次世代情報環境とは?

5.次世代インターネットの主導権を握るのは誰か?


デジタルアドバンテージ 小川誉久
2000/11/15

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 以上、マイクロソフトが次世代インターネットに向けて提唱するビジョン、Microsoft.NETのほんのさわりを説明してきた。霧がすっきりと晴れたとはいかないまでも、インターネットを利用した情報サービスが、大きな変革期を迎えようとしていることはご理解いただけただろう。

 今回説明したXMLやSOAP、WSDL、UDDIなど、Web Serviceのインターフェイスはすべて標準仕様のもので、これらの規約さえ守られていれば、特定のプラットフォームや開発ベンダに依存することなく、相互に自由に情報交換が行えるはずだ。しかし筆者を始め、読者の多くは、このようなうたい文句を疑いの目で見ているに違いない。たとえば標準仕様であるはずのHTTP/HTMLインターフェイスであっても、細部まで突き詰めれば、微妙な互換性問題などは掃いて捨てるほどある。標準と言いながらも、あれだけ激しく仕様拡張がなされれば、そうした問題が起こるのはむしろ当然だろう。

 標準化に名を借りたベンダ間の小競り合いは、現実には今回ご紹介した次世代インターネット向けのインターフェイスにおいても繰り返されるものと思われる。企業というのは、市場を独占せんがために日夜活動している存在なのだから、それはやむを得ないことだろう。それでも、完全にクローズだった昔の環境に比べれば、相互運用ははるかに容易だし、つぶしも効くようになった。

 マイクロソフトは、PC市場を席巻したWindows OSとOfficeアプリケーションの影響力を、次世代インターネットにも拡大することができるのか? この大いなる疑問への鍵を握るのは、実はプログラマである読者なのかもしれない。おもしろい時代になってきたではないか。

 

 INDEX
  [特集]Microsoft.NETが目指す次世代情報環境とは?
     1.インターネットの過去・現在・未来
     2.HTTP/HTMLからSOAP/XMLへ
     3.マイクロソフトが提唱する次世代インターネット・ビジョン、Microsoft.NET
     4.Web ServiceとWeb Application、Microsoft.NETの関係
   5.次世代インターネットの主導権を握るのは誰か?

 



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