解説
インサイド .NET Framework
第3回 アセンブリのアイデンティティ
(後編)
インフォテリア株式会社
吉松 史彰
2002/05/23 |
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今回のまとめ
アセンブリの名前は4つの部分からなるデータ構造である。アセンブリの名前に公開キーが含まれている場合にそれを厳密名といい、その名前がついているアセンブリを「厳密名付きアセンブリ」と呼ぶ。厳密名付きアセンブリでないアセンブリを作成することも可能だが、CLRのさまざまな能力が利用できなくなってしまうので注意が必要だ。また、アセンブリの名前をほかのアセンブリから参照するときは、公開キーではサイズが大きすぎるので、そこから生成した小さな(8byte)トークンを利用する。これは公開キーではないので、署名の検証には使えないし、トークンから公開キーを再現することもできない。だが、ある公開キーのトークンは必ず同じ値になり、しかも公開キーのトークンはめったに重複しないことが確認されているので、公開キーの代わりにアセンブリの名前の一部として使われている。自分については公開キー全体を保持しているが、他人のアセンブリについてはトークンしか保持していないということに注意して欲しい。
次回は、いよいよアセンブリをロードするプロセスを解説する。今回の解説で、アセンブリの名前にはファイル名、パス、URLなどが一切含まれていないことが分かっただろう。それではこのアセンブリの名前から、どうやってロードするファイルを探し出すのか、次回はその手順を解説することにしよう。
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