テラリウム徹底攻略ガイド
生物プログラミング始めの一歩
デジタルアドバンテージ
2002/05/09 |
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まずは生物テンプレートから
どの版のVS.NETを使っていても、生物プログラミングの第一歩は、「Terrarium生物テンプレート」のページからダウンロードできるテンプレートを利用するのが早道だろう。テンプレートには、生物として最低限必要な機能がコーディングされており、これを元に独自のコードを付け足すことができる。このページからは、Visual Basic .NETとC#で記述された、植物、草食動物、肉食動物の計6つのZIPファイルをダウンロードすることができるが、ここでは例としてC#で記述された肉食動物のファイル(ms_met_c.zip)をダウンロードし、実際にコンパイルしてみよう。
このC#用の肉食動物のテンプレートには次の4つのファイルが含まれている。
ファイル名 |
内容 |
AssemblyInfo.cs |
アセンブリに関する情報を記述するためのC#のソース・コード |
Class1.cs |
肉食動物を記述したC#のソース・コード |
ms_met_c.csproj |
プロジェクトで使用されるソース・コードや、参照などの情報が格納されている、IDEで使用されるプロジェクト・ファイル |
ms_met_c.sln |
いくつかのプロジェクトを1つのソリューションとしてまとめた、IDEで使用されるソリューション・ファイル |
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C#用の肉食動物テンプレートに含まれるファイル |
VS.NETがインストールされているなら、ソリューション・ファイルである「ms_met_c.sln」をエクスプローラでダブル・クリックすれば、VS.NETが起動し、ソリューションがオープンするはずだ。
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VS.NETでオープンした肉食動物のテンプレート |
肉食動物のテンプレートに含まれるソリューション・ファイルをエクスプローラからダブル・クリックして開き、ソリューション・エクスプローラでClass1.csファイルを選択したところ。 |
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ソリューション・エクスプローラ。 |
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テラリウムのアプリケーションを「C:\Program Files\Terrarium」にインストールしている場合は、ここでメニューから[ビルド]-[ソリューションのビルド]を実行すれば、DLLファイルが出来上がる。しかしそれ以外のパスにインストールしている場合には、まず生物のプログラムをコンパイルするのに必要な参照設定を行わなければならない。このためには、メニューより[プロジェクト]−[参照の追加]を実行し、テラリウムをインストールしたディレクトリにあるBinディレクトリに含まれているファイル「organismbase.dll」を参照として追加する(下図)。このファイルは、生物プログラムに必要なクラスを含んでいるライブラリだ。
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[参照の追加]ダイアログ・ボックス |
テラリウムをインストールしたディレクトリにあるBinディレクトリに含まれているファイル「organismbase.dll」を参照として追加する。
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参照設定を終えてソリューションをビルドすれば、テンプレートが含まれていたZIPファイルを展開したディレクトリに作成される「bin\Debug」ディレクトリに「ms_met_c.dll」というDLLファイルが出来上がっているはずだ。これが肉食動物プログラムである。出来上がったDLLファイル名が生物の名前となるため、この生物では「ms_met_c」が名前となる。これを変更するためには、まずソリューション・エクスプローラ()内でプロジェクトである「ms_met_c」を選択し、メニューより[プロジェクト]−[プロパティ]を実行して開く[ms_met_cプロパティ ページ]ダイアログ・ボックス(下図)でアセンブリ名を変更すれば良い。
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[ms_met_cプロパティ ページ]ダイアログ・ボックス |
ここで指定したアプリケーションのアセンブリ名が、出来上がるDLLファイル名となる。
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こうして再度ソリューションをビルドすれば、新たに設定したアセンブリ名(ここではTerraTaro)でDLLファイルが作成される。
VS.NETを使用せず、.NET Framework SDKだけで生物開発を行う場合のコンパイル方法も簡単に述べておこう。SDKを使用する場合には、すべてコマンドラインでの作業となるため、まずコマンド・プロンプトを開く必要がある。そしてテンプレートを展開したディレクトリに移動し、次のコマンドによりコンパイルを行う。
csc /t:library /out:TerraTaro.dll /r:System.Drawing.dll
/r:"E:\Program Files\Terrarium\Bin\organismbase.dll" Class1.cs
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これを実行することにより、「TerraTaro.dll」というDLLファイルが同じディレクトリに作成される。コンパイル・オプションについては、
を実行すれば一覧を表示することができる。/r:オプションにより参照しているorganismbase.dllのフルパスを記述するのが面倒な場合は、organismbase.dllを同じディレクトリにコピーしておけば良い。
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