連載:VB 6ユーザーのための
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基本に戻って、意外な発見!
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もうすでに2月になってしまったが、2007年の最初の記事なので、今回は基本的なところに少し立ち戻ってみようと思う。あらためて基本を確認してみると、それまでずっと誤解していたままになっていたことや、知らないうちに追加されていた便利な機能があることに、意外に気付くものだ。ちょっとした発見に感動を覚えることすらある。
そんなわけで、今回のテーマの「配列」となるわけだが、1964年にBASIC言語が誕生して以来、40年以上の長きにわたって使われてきた機能に、いまさら見るべきところがあるのか、と思われる方もおられるかもしれない。……などと、歴史を持ち出すのは大げさだが、それは抜きにしても「配列は配列でしょ、かっこの中にインデックス書けばいいだけじゃん」とか「繰り返しの中でインデックスを動かして、配列の要素を処理すればいいんでしょ」と軽くスルーされてしまうかもしれない。
ところが、Visual Basic 2005(以下VB 2005)の配列はちょっと違う。いや、見た目はさほど違わないが、もっと便利なのだ。例えば、配列の要素を検索するのも、並べ替えるのも、逆順に並べるのも、配列をコピーするのもメソッド1つでできてしまう。確かに、いまや並べ替えのコードを自分で書く必要はほとんどないのだが、関数に配列を渡したりするのではなく、メソッド一発!というのがうれしい。
では、簡単なサンプル・プログラムを使って並べ替えの例を見てみよう。
サンプル・プログラム7 − ランダムな並べ替えのためのコード
最初のサンプル・プログラムは、数字をランダムに並べ替えるというもの。例えば、「12345」を「32541」のように並べ替える。
一見、何の役にも立たなさそうだが、いろんな場面でよく使う。例えば、座席などの順序をランダムに決める場合、神経衰弱のようなパズル・ゲームの問題を作る場合、実験などで順序による影響を排除するために刺激の提示順序をランダムに決める場合、などなど。
ただ一定の範囲の乱数を順に発生させるだけなら簡単だが、重要なのは重複する値がないということ。乱数を順に発生させるだけだと、以前に発生させた値と同じ値が生成されることもある。その値を除外するのは意外に面倒だ。例えば、単純に以前の値をすべて調べ、重複するものがないかどうかチェックする方法だと、乱数を発生させるたびごとにそれまでの全データをチェックしないといけないので、時間がかかりすぎてしまう。
このようなランダムな数字の並びを作るにはいくつか方法があるが、繰り返しを最小限で済ませる最も簡単な方法は、それぞれの数字に乱数を与え、乱数をキーとして並べ替えるという方法だろう。つまり、図1のような感じになる。
図1 ランダムに数字を並べ替える |
まず、それぞれの数字に乱数を与える。次に乱数をキーとして並べ替えを実行する。繰り返しをさらに少なくするほかの方法もありそうだが、この方法が一番分かりやすいだろう。 |
■フォームのデザイン
では、さっそくプログラムのデザインから始めよう。実行結果はリスト・ボックスに表示するものとして、必要なコントロールを配置しよう(図2)。
図2 フォームのデザイン | ||||||||||||
実行結果はリスト・ボックスに表示するものとして、必要なコントロールを配置する。
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■コードの記述〜配列の宣言から乱数の生成まで
このプログラムの中心となるコードは、btnSortコントロールのClickイベント・ハンドラ。デザイナ・ウィンドウでbtnSortコントロールを選択し、[プロパティ]ウィンドウの[イベント]ボタンをクリックして、Clickイベント・ハンドラに名前を付けよう。ここでは「sortArray」という名前にする(図3)。
図3 btnSortコントロールのClickイベント・ハンドラを作成する | |||||||||
イベント・ハンドラの作成は基本中の基本だが、念のため。
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イベント・ハンドラが作成されるとコード・ウィンドウが表示されるので、以下のコードを入力する。まだ続きはあるが、取りあえずは配列を2つ宣言し、乱数を入れるところまでを見ておこう。
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配列に乱数を入れるコード | ||||||||||||
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最初に、配列の変更点について触れておこう。
VB 2005では、Option Baseステートメントが使えなくなり、配列の下限を変更することはできなくなった。つまり、配列のインデックスは常に0から始まるものとされる。
配列を宣言するときにはカッコ内にインデックスの最大値を指定する。これは基本中の基本のさらにまた基本だが、要素数を指定するのではないことに注意(白状すると、私自身、ほかの言語でプログラムを書いた後、VB 2005に戻ってくるとついうっかりと要素数を書いてしまうこともある)。従って、
Dim fKey(9) As Single
と書けば、0から9までの10個の要素が使えることになる。
乱数については特に悩むことはないだろう。Rnd関数を使えば、0以上1未満の乱数が生成できる。ただし、乱数の系列を初期化するためには、最初に1度Randomizeステートメントを実行しておく必要がある。乱数を生成するには.NET Frameworkクラス・ライブラリのSystem名前空間のRandomクラスを使うという方法もあるが、単純に乱数を発生させるだけであれば、VB 2005のRnd関数で十分だろう*。
* VB 2005のRnd関数で生成される乱数も.NET Frameworkクラス・ライブラリのRandomクラスを使って生成される乱数も、アルゴリズムを知っている人には結果が予測できる可能性があるので、暗号化のための乱数には適していない。暗号化のためには、System.Security.Cryptography名前空間のRandomNumberGeneratorクラスなどを利用する必要がある(「.NET TIPS:乱数を生成するには?」でも解説されている)。 |
以上で、数字とそれに対する乱数の準備はできた。最初に見た図1でいえば、配列の内容は左側の表のような状態になっている。
■コードの記述〜配列の並べ替えからリスト・ボックスへの表示まで
では、コードの続きを見てみよう。配列の要素を並べ替えるには……と考えると、その面倒さに暗い気持ちになる人も多いのではないかと思うが、実は、.NET Frameworkクラス・ライブラリのArrayクラス(System名前空間)を使って、
Array.Sort(配列名)
と書くだけで、その配列の要素が並べ替えられる。しかも、
Array.Sort(キー配列, データ配列)
と書けば、キー配列に従って、データ配列も並べ替えてくれる!
先ほどのコードの続きを書いてみると、以下のようになる。念のため、プログラムを終了させるbtnEndコントロールのClickイベント・ハンドラも示しておいた。
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キー配列を使って配列を並べ替えるコード | |||||||||
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図4に実行例を示しておこう。
図4 プログラムの実行例 |
コロンで区切られた2番目のフィールドに注目。0から9までの数字が重複することなくランダムに並んでいる。 |
プログラムが出来て「めでたしめでたし」とおしまいにできればいいのだが、そういうわけにもいかない。このプログラムを見ていると、もっといろんなことをやりたくなってくるだろう。ほかの方法がないか探してみたくもなる。
例えば、降順に並べ替えるにはどうすればいいの? とか、DataGridViewコントロールを使えば並べ替えなんて一発でできるんじゃないか、とか……。そこで、降順に並べ替えるプログラムを、いくつかの方法が比較できるようにして作ってみる。
INDEX | ||
連載:VB 6ユーザーのためのこれならマスターできるVB 2005超入門 | ||
第6回 配列ってこんなに便利だったの!? | ||
1.サンプル・プログラム7 − ランダムな並べ替えのためのコード | ||
2.サンプル・プログラム8 − 降順に並べ替えるいくつかの方法 | ||
3.並べ替えを行う3つの方法を実装 | ||
「これならマスターできるVB 2005超入門」 |
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