連載：VSTSの単体テスト機能は本当に使えるのか？ 第3回 VSTSで提供される注目すべき単体テスト機能 株式会社 アークウェイ　中西 庸文 （Microsoft MVP 2006 - Solutions Architect） 2007/02/07
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■テスト・プロジェクトの追加

　Pet Shopをインストール後、Pet Shopソリューション（C:\Program Files\Microsoft\.NET Pet Shop 4.0\PetShop.sln）をVisual Studio 2005（以下、VS 2005）で開き、［新しいプロジェクトの追加］ダイアログで、「プロジェクトの種類」から「Visual C#」−「テスト」を選択する。テンプレートとして「テスト プロジェクト」が選択された状態でプロジェクト名には「PetShop.Tests」と入力し、ソリューションにテスト・プロジェクトを追加する。

テスト・プロジェクトの追加

VS 2005のメニュー・バーから［ファイル］−［追加］−［新しいプロジェクト］を選択すると、このような［新しいプロジェクトの追加］ダイアログが表示される。

　追加されたテスト・プロジェクトにはいくつかのテスト用テンプレートがデフォルトで含まれるが、以下のファイルは今回は使用しないので削除する。

• ManualTest1.mht（手動テスト用のテンプレート）
• UnitTest1.cs（単体テスト用のテンプレート）

■参照の追加

　次に、テスト・プロジェクトからテスト対象のクラスを含むプロジェクトを参照できるように、テスト・プロジェクトの参照設定の追加を行う。

　VS 2005のソリューション・エクスプローラ上で、「PetShop.Tests」プロジェクトを右クリックしてコンテキスト・メニューを表示し、［参照の追加］を選択する。［参照の追加］ダイアログ上の［プロジェクト］タブを選択し、下記のプロジェクト参照を追加する。

• BLLプロジェクト（Cartクラス（＝ショッピングカート・クラス）を含むプロジェクト）
• Modelプロジェクト（CartItemInfoクラス（＝ショッピングカートに保持されるアイテム・クラス）を含むプロジェクト）

プロジェクト参照の追加

VS 2005のソリューション・エクスプローラ上で、対象のプロジェクトを右クリックしてコンテキスト・メニューを表示し、そこから［参照の追加］を選択する。これにより、参照を追加するためのダイアログが表示される。今回のテスト対象となるクラスを含むPet Shopのプロジェクト「BLL」と「Model」を選択する。

　同じく［参照の追加］ダイアログ上の［.NET］タブを選択し、「System.Data.dll」への参照も追加する。

System.Data.dll参照の追加

データ・ドリブン単体テストではデータ・アクセスが必要なため、System.Data.dllへの参照の追加が必要。

■データ・ドリブン単体テストで使用するデータベースおよびテーブルの作成

　データ・ドリブン単体テストを利用するには、テスト用データを格納するためのテスト用データベースとテーブルが必要となるので、これらを作成する。

　VS 2005のサーバ・エクスプローラ上で、「データ接続」を右クリックしてコンテキスト・メニューを表示し、［新しい SQL Server データベースの作成］を選択する。Pet Shopインストール時に指定したデータベースのあるサーバ名を選択し、新しいデータベース名に「MSPetShop4UnitTest」と入力し、新しいSQL Serverデータベースを作成する。

テスト用データベースの作成

VS 2005のサーバ・エクスプローラ上で「データ接続」を右クリックしてコンテキスト・メニューを表示し、そこから［新しい SQL Server データベースの作成］を選択する。これにより、新しいSQL Serverデータベースを作成するためのダイアログが表示される。

　VS 2005のサーバ・エクスプローラ上で「MSPetShop4UnitTest」データベースの「テーブル」を右クリックしてコンテキスト・メニューを表示し、［新しいテーブルの追加］を選択する。デザイナ上で下記のテーブル仕様に従ってテーブルを作成し、テーブル名を「AddCartTest」として保存する。

列名	型	Null許容	プライマリ・キー	説明
Id	int	×	○	テスト・データのID
Count	int	×		商品追加後のカートのアイテム数量
Total	decimal(10,2）	×		商品追加後のカートの合計金額
ItemId	nvarchar(50)	×		追加する商品の商品ID
ProductId	nvarchar(50)	×		追加する商品のプロダクトID
Name	nvarchar(50)	×		追加する商品の商品名
Price	decimal(10,2)	×		追加する商品の商品単価
Quantity	int	×		追加する商品の商品数量
AddCartTestテーブル仕様

　参考までに、AddCartTestテーブル作成のためのSQLスクリプトを以下に示す。

CREATE TABLE [dbo].[AddCartTest](   [Id] [int] NOT NULL PRIMARY KEY CLUSTERED,   [Count] [int] NOT NULL,   [Total] [decimal](10, 2) NOT NULL,   [ItemId] [nvarchar](50) NOT NULL,   [ProductId] [nvarchar](50) NOT NULL,   [Name] [nvarchar](50) NOT NULL,   [Price] [decimal](10, 2) NOT NULL,   [Quantity] [int] NOT NULL, ) ON [PRIMARY]

AddCartTest SQLスクリプト

■テスト・データの作成

　VS 2005のサーバ・エクスプローラ上で「AddCartTest」テーブルを右クリックしてコンテキスト・メニューを表示し、［テーブル データの表示］を選択する。テーブルが開いたら以下の表に示すようなさまざまなテスト・データを入力する。

Id	Count	Total	ItemId	ProductId	Name	Price	Quantity
1	1	17.00	EST-1	FI-01	Happy	17.00	1
2	1	38.00	EST-10	FI-04	Tap Dance	19.00	2
3	1	60.00	EST-11	FI-04	Ballet	20.00	3
4	1	76.00	EST-12	FI-04	Ballroom	19.00	4
5	1	85.00	EST-13	FI-05	Long Arms	17.00	5
AddCartTestテーブルに入力するテスト・データ

　以上で、データ・ドリブン単体テストを行うための準備は完了した。

　それでは、データ・ドリブン単体テストを記述していこう。

INDEX
	VSTSの単体テスト機能は本当に使えるのか？
	第3回 VSTSで提供される注目すべき単体テスト機能
	1．VSTSの単体テスト機能
	2．データ・ドリブン単体テストの準備
	3．データ・ドリブン単体テストの記述
	4．ASPNET単体テスト

　

「VSTSの単体テスト機能は本当に使えるのか？」

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