Web Matrixで始めるWebアプリ・プログラミング第4回 Web Matrix独自のサーバ・コントロールの活用 山田 祥寛 |
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○サンプル・アプリケーション構築の手順
以下に、Rich Content Rotatorコントロールを利用した「What's New」掲示板構築までの手順を紹介してみよう。
(1)Webフォーム上にRich Content Rotatorコントロールを配置する
新規のWebフォーム・ページ(rich.aspx)に、「Custom Controls」ボックスからRich Content Rotatorコントロールをドラッグ&ドロップする。Rich Content Rotatorコントロールに設定しなければならないプロパティ値は以下のとおり。
プロパティ | 概要 | 設定値 |
(ID) | コントロール名 | Rotator1 |
AutoStart | コンテンツのローテーションを自動開始するか | True |
BorderStyle | 境界線のスタイル | Solid |
BorderWidth | 境界線の太さ | 1px |
DownLevelOutputType | 下位ブラウザ(古いバージョンのHTMLしかサポートしないブラウザ)での表示方法 | RandmonSlide |
Loop | 繰り返し再生するか | True |
PauseOnMouseOver | マウス・ポインタが乗った状態でスクロールをポーズするか | false |
RotationType | コンテンツ切り替えの方法 | ContentScroll |
ScrollDirection | スクロール方向 | Up |
ScrollInterval | スクロールのインターバル | 20 |
SlidePause | スライドで要するポーズ時間 | 2000 |
XmlContentFile | XMLコンテンツ・ファイルのパス | news.xml |
Rich Content Rotatorコントロールのプロパティ |
Rich Content Rotatorコントロールを配置したページ(rich.aspx) |
(2)XMLコンテンツ・ファイルを編集する
次に、Rich Content Rotatorコントロールから参照する「XMLコンテンツ・ファイル」を作成する。XMLコンテンツ・ファイルは、ルート要素を<News>要素で、個別のコンテンツを<NewsItem>要素で記述したXMLファイルだ。<NewsItem>要素の配下には、Rich Content Rotatorコントロール上で管理したい任意の要素を設置することができる。
例えば、ここでは、以下のようなXMLファイルを用意してみた。Web Matrixの[Add New File]ダイアログから新規のXMLファイルを作成し、以下のコードを編集する。
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Rich Content Rotatorコントロールから参照するXMLコンテンツ・ファイル(news.xml) |
(3)スライド・テンプレートを定義する
最後に、コンテンツを表示するためのテンプレートを、Rich Content Rotatorコントロール上で<SlideTemplate>要素として定義しておく必要がある。テンプレートの定義には、Rich Content Rotatorコントロールをアクティブにした状態で、コンテキスト・メニューから[Edit Template]を選択すればよい。
テンプレート定義用のダイアログ |
Rich Content Rotatorコントロールでコンテンツを表示するためのテンプレートを編集する。 |
テンプレート定義用のダイアログが表示されるので、編集するテンプレートを選択し、ダイアログ下部のエディット・ボックスで次の表を基にテンプレートを作成する。
コントロール | プロパティ | 設定値 |
Image | (ID) | Image1 |
ImageUrl | go.gif | |
HyperLink | (ID) | HyperLink1 |
NegigateUrl | DataBinder.Eval(Container.DataItem, "url") | |
Text | DataBinder.Eval(Container.DataItem, "title") | |
Literal | Text | DDataBinder.Eval(Container.DataItem,"description") |
コンテンツ表示テンプレートに配置するコントロールの内容 | ||
HyperLinkコントロールのNavigateUrl、Textプロパティ、LiteralコントロールのTextプロパティは、それぞれプロパティシートの「(DataBindings)」から設定する必要がある。 |
コンテンツ表示テンプレートのデザイン |
「XMLコンテンツ・ファイル」で管理された項目には、「DataBinder.Eval(Container.DataItem, "要素名")」の形式でアクセスできる。
テンプレート・デザイナで設定された内容は、Rich Content Rotatorコントロールのコンテキスト・メニューから[Edit Tag]を選択することで確認することができる。最終的に、以下のような内容が生成されていれば成功だ。
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テンプレート・デザイナで編集した内容を[Quick Tag Edit]ダイアログで確認 |
なお、コードは紙面の都合上、適宜改行を加えている。
(4)ページの動作確認
以上で、Rich Content Rotatorコントロールを使ったページは完成だ。ツールバーの[>](Start)ボタンをクリックしてみよう。
本項冒頭部のようなページが表示されれば成功だ。自分なりに必要な項目などを適宜追加・変更するなどして遊んでみてほしい。なお、Rich Content Rotatorコントロールはシェアウェアの扱いとなっている。実際のサイトなどで使用する場合には、以下のサイト(英語)から購入手続きを行う必要がある。
まとめ
今回はWeb Matrix独自のサーバ・コントロールの使用方法やオンライン公開されている拡張サーバ・コントロールの活用方法について、実際のサンプル・アプリケーションの開発を例に取って解説した。次回は、Web Matrixの独自の開発支援機能であるコード・ウィザードやコード・スニペットについて解説する。
INDEX | ||
Web Matrixで始めるWebアプリ・プログラミング | ||
第4回 Web Matrix独自のサーバ・コントロールの活用 | ||
1.Web Matrix独自のサーバ・コントロール | ||
2.オンライン公開されている拡張サーバ・コントロール | ||
3.拡張サーバ・コントロールの利用サンプル | ||
「Web Matrixで始めるWebアプリ・プログラミング」 |
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