第2回 これだけは知っておきたい! 必須コマンド20(後編)
北浦 訓行
2009/4/22
この記事では、社会人になって、あるいは学生として初めてLinuxに向き合う方を対象に、入手しやすいUMPCを用いてLinuxを使いこなすために最低限必要な知識を紹介していきます。(編集部) |
覚えておきたいコマンド集・その2
「これだけは知っておきたい! 必須コマンド20(前編)」では、LinuxというOSの特徴をざっと紹介するとともに、Linuxを利用する際に必ずお世話になる主要なコマンドの一部を紹介しました。今回もその続きです。早速見ていきましょう。
●kill
killは、プロセスを終了させるコマンドです。通常の方法では終了できなくなってしまったプログラムなどを強制的に終了する場合に使用します。ただし、プロセスを終了する場合、終了したいプロセスの番号を指定しなければなりません。プロセスの番号を調べるには、psコマンドを実行します。詳しくは、psコマンドの説明を参照してください。
$ ps |
●ls
lsは、ディレクトリの内容を表示するコマンドです。オプションなしでlsコマンドを実行すると、現在のディレクトにあるファイル名の一覧が表示されます。
$ ls |
-lオプションを指定すると、より詳しい情報が表示されます。
$ ls -l |
また、-aオプションを指定することにより、ファイルの先頭に「.」が付いているファイル(通常は表示されない)を表示することも可能です。オプションは、以下のように複数を同時に指定することも可能です。
$ ls -al |
●man
manは、コマンドのマニュアルを表示するコマンドです。オプションとして、表示したいコマンドを指定すると、そのコマンドの説明が表示されます。
$ man man |
表示されるマニュアルは、日本語のものと英語のものがあります。例えば、上記の例では、manのマニュアルは日本語ですが、lsのマニュアルは英語です。
1画面に収まり切らない長さのマニュアル(ほとんどが該当する)は、1画面分が表示されたところで「Manual page man(1) line 1」などと反転表示され、入力待ちの状態になります。その場合は、次のようなキーで操作できます。
キー | 動作 |
Space | 次のページが表示される |
b | 前のページが表示される |
q | manコマンドを終了する |
/<文字列> | <文字列>を検索する |
n | 次の<文字列>にジャンプする |
N | 前の<文字列>にジャンプする |
また、コマンドによってはマニュアルがないことがあります。その場合、以下のようなメッセージが表示されます。
$ man cd |
ただし、cdコマンドなどはbashの組み込みコマンドですから、「man bash」とすれば「SHELL BUILTIN COMMANDS」の項に説明があります。
●mkdir
mkdirは、ディレクトリを作成するコマンドです。オプションとして、作成するディレクトリ名を指定します。
$ mkdir tmp1 |
また、複数のディレクトリ名を指定して、同時に作成することも可能です。
$ mkdir tmp1 tmp2 |
ただし、すでに指定した名前のディレクトリが存在する場合は、エラーメッセージが表示されます。
$ mkdir tmp1 |
-pオプションを付けることにより、エラーメッセージを表示しないようにもできます。この場合、指定したディレクトリが存在しなければ作成されますし、存在する場合はエラーメッセージが表示されず、コマンドが終了します。
$ mkdir -p tmp1 |
●more
moreは、ページごとにファイルの内容を表示するコマンドです。1画面に収まり切らない長い文書をcatコマンドで表示すると、あっという間にスクロールしてしまい、文字を読むことができません。そのようなときには、moreコマンドを使用します。
$ more README.Debian |
1画面分が表示されたところで「--続ける--(49%)」などと反転表示され、入力待ちの状態になります。その場合は、次のようなキーで操作できます。
キー | 動作 |
[Space] | 次のページを表示する |
[b] | 前のページを表示する |
[Enter] | 次の行を表示する |
[q] | moreコマンドを終了する |
あるコマンドの実行結果の画面表示をmoreコマンドに渡して、1画面単位で表示することもできます。この仕組みを「パイプ」(またはパイプライン)と呼びます。パイプを表す記号の「|」もパイプと呼ばれます。
$ cat README.Debian | more |
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